見出し画像

【レポート #11】岐阜県・七宗町長選挙レポート(2021 3.21)


「七宗」と書いて、「ひちそう」と読む。

 長野県在住の沖縄人な私には全く読めない地名です(汗) 以前岐阜県知事選の取材帰りに通ったような気もしますが足を踏み入れるのは全くの初めての町。 予定では長野県の信濃町議選を取材する予定でしたが候補者数が定員キッカリで無投票に終わったので行く必要が無くなり、その代わりにどこか行けるかと探した結果みつかったのが、この選挙でした。
 5期目を狙う現職に対するは、町議会議長経験者で現職より10歳年上の新人の対決。現職初当選時から続く2つの地区の “覇権争い” を、レポートします。


◆概要

画像2

(七宗町役場)

・町名の「七」は地元の方言の言い方から「ひち」と読む

・面積:90.47㎢(岐阜県 第21位)濃尾平野からやや山地に入ったところに位置し加茂郡に属して、関市、美濃加茂市、下呂市、加茂郡川辺町、八百津町、白川町と隣接する

・人口:3,354人(岐阜県 第40位)※2020年9月1日現在 岐阜県で3番目に人口が少ない自治体である

・1955年、加茂郡上麻生村郡武儀郡神渕村が合併し、加茂郡七宗町が発足

・1956年、下麻生町の中麻生地区を編入する(下麻生町の残りは川辺町へ編入)

・1970年、町内を流れる飛騨川の河床から約20億年前の「日本最古の石」(片麻岩)が発見される

・国の天然記念物で激流が岩をつぼ状に削り取ってできた「飛水峡のポットホール(甌穴=おうけつ=)が約880個もあり、世界的にも貴重なものとされる。

画像4

(甌穴)

・2003年、加茂郡の6町1村と美濃加茂市で合併を目指すも実現せず、合併協議会は2004年末で解散

・衆議院は岐阜4区に属し金子俊平(自民 1期)氏を選出
 ※比例復活で今井雅人(立憲 4期)氏も当選


◆立候補者

画像1

井戸 敬二 (59) 現 中麻生 5期目を目指す
加納 福明 (69) 新 神渕  元 町議会議長

・井戸 敬二(いど けいじ)候補

画像4

 井戸候補は大同工業大学卒。 七宗町議1期目だった2003年に町議を辞職し町長選に当時43歳の若さで立候補し初当選。 以降4期連続当選で今回5期目を目指します。 現在岐阜県の過疎地域自立促進協議会長を務め県町村会長の経験もあります。 4期16年の実績を強調し「安定」「充実」「笑顔」を掲げて選挙戦に臨みます。

・加納 福明(かのう よしあき)候補

画像5

 加納候補は古知野高校卒。2015年に町議に当選し2期目の今年町議を辞職し町長選に立候補しました。 町議会議長を務めた経験があり現在加茂郡老人クラブ理事や七宗町福寿会副会長を務めています。「行政の活性化」「活気ある町づくり」を政策の柱とし、「町の空気を入れ替えなければ発展は望めない」と訴えます。


◆前回(2017年)の選挙結果

[当]井戸 敬二 (55) 現 上麻生 1,633票
[落]上野 和義 (72) 新 神渕     994票
 ※投票率 76.31%

 井戸町長の2選目(2009年)3選目(2013年)4選目(2017年)といずれも新人候補が上野氏でしたが井戸氏が勝利。 前回は639票差でした。 今回は加納候補が立ち上がり “盤石” の井戸候補に挑みます。


◆POINT① 町議補選は無投票当選

画像6

 同日告示の町議会議員補欠選挙(定数2)は、

市川 裕隆 (45) 中麻生
上野 和義 (76) 神渕

 の2名が無投票で当選しました。 上野候補は町議当選→任期途中で町長選出馬→落選を繰り返していましたが今回は町議補選に目標を変えて町議返り咲きを果たしています。


ここから先は

4,685字 / 15画像
この記事のみ ¥ 140
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

もし宜しければサポートをいただけると大変嬉しいです! いただいたサポートは今後の取材費として使わせていただきます。