小指の麺は誰と結ばれてるの?

大阪NSC43期の一週間に一度ラーメンを食べないとメンタルがやられる人、あんらくちから。
彼の趣味は当然ラーメン屋巡りだ。
同期との草野球を終えて、同期におすすめのラーメン屋を聞かれ、あんらくは同期を連れラーメン屋へ向かった。すでに食べたいラーメンが決まっていたあんらくはいの1番に食券を購入し、皆の席を確保した。
頭にタオルを巻いた男性店員が食券を取りに来た。あんらくの性格上、食券を店員に取らせるのは悪いと思い、食券を手渡しすると、店員はあんらくの手を包み込むように食券を受け取った。
あんらくの心拍数は上がっていた。周りの音が聞こえなくなるくらいに。
頭の中がラーメンと店員でいっぱいになった。
「…さん!おにいさん!」
店員の声でハッとなったあんらく。
「なんですか?」
「スープの濃さと麺の硬さはどういたしますか?」
その質問であんらくの頭の中は、その店員のことでいっぱいになった。
また鼓動が早まっていくのがわかった。呼吸も荒くなっていった。その荒い呼吸で、
「硬め、濃いめで!」
無意識だった。頭の中にラーメンのことなどなかったが何故か硬め、濃いめと答えていた。
店員は注文内容を大きな声で厨房に伝えた。
それから同期と会話らしい会話をせず、ラーメンを啜り、スープを飲み干し、完食。
いつもならそのあと近辺の銭湯に行くはずだが、その日は真っ直ぐ家に帰った。
家に着いて、悶々とした気持ちを抑えられずあの店員のように頭にタオルを巻き、その格好で5km走った。
走り終え、汗でびしょびしょになったタオルをあの店員のタオルだと思い、そのタオルを嗅ぎながら自慰行為に及んだ。
次の日の朝、あの店員への気持ちが何か分からないあんらくは、テキサスマウンテンローレルの牧野を銭湯に誘い、そのことを相談した。
牧野が相談に対し、アドバイスをしていると突然あんらくは、入っていた風呂から出ていった。呆気に取られた牧野は、変なやつだと思うだけで済ませた。
銭湯の中を徘徊するあんらくを見て、何をしているんだと言う気持ちになりながらも牧野は湯に浸かっていた。
あんらくが元いた風呂に戻ってきて、
「ここにおったんか。」
と言い、それを聞いた牧野はこいつには敵わないと思いそのままあんらくを抱き寄せた。
あんらくの心拍数は上がっていた。周りの音が聞こえなくなるくらいに。
咄嗟にあんらくは叫んだ。
「硬め、濃いめで!」
牧野は頭に乗せていた。ハンドタオルを頭に巻きなおし、あんらくの要求を快く引き受けた。
硬めで濃いめな牧野の愛情をあんらくは、身体の持つ限り受け止めた。
銭湯を出た二人は、目の前にあるコンビニでカップ麺を一つ購入し、二人で食べた。
二人で食べるラーメンにはどんなラーメンも敵わないと二人で笑い合った。
Forever love…

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