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産んだからママになれるわけではない

長男よぉ喋るくんは、生まれた時からよく泣く子でした。言いたいことがたくさんあったのでしょう。そして今も『よぉ喋』ります。
産院では「あれだけ飲んでるのにこれだけ泣かれたらお母さん大変ね…」と言われ、他の赤ちゃんを知らない私は、「??」となっていました。しかしまぁ今思い返してみると、初めての育児であれだけ泣かれたら、そらしんどいわと思います。
それに加えて産後のホルモンバランスがとても不安定で、慣れない寝不足の生活も重なり、かなり精神的に辛い日々だったと思います。
それでもなんとかここまでやってこられたのは、育休中に出会った人や場所のおかげだなぁと感じます。

産院との繋がりは1ヶ月検診を機になくなってしまう

これがかなり堪えました。順調に1ヶ月検診を迎えたと思ったら、「じゃあ母親頑張ってね!」といきなり突き放された感覚でした。心細くて恐かったです。子育ては育児書どおりにはいきません。小さな命をこれからどう守っていけばいいのか。今思えば産後うつに近い状態だったのだと思います。夫や実母も私の様子に戸惑っていました。よぉ喋るくんの泣き声を聞くたびに自信をなくしていきました。

はじめての助産院

そんな状況の中、近くの助産院に伺いました。実母に勧められ、きちんと母乳が出ているか、体重は増えているのかを診てもらいにいきました。助産院に行くのはなかなかハードルが高いです。『どんな場所なのかよく分からない』からです。妊娠出産のプロである助産師さんのお仕事自体あまり理解していませんでした。
受付をすませ、よぉ喋るくんの身長体重を測っていただき、その後よぉ喋るくんと一緒にベッドに横たわると、おっぱいマッサージをしていただきます。寝かされるとたいてい機嫌が悪くなるよぉ喋るくんですが、マッサージで出る母乳のしぶきに大興奮。「おっぱいが大好きなのね」と仰ったとおり、小さい時にはわからなかったぐずぐずは、後によぉ喋るくんがただただおっぱいが大好きだったからと分かります。

初めて伺ったときの印象は、「ホッとした」のひと言でした。出産して2ヶ月以上手探りで頑張っていたので、「とてもよく母乳が出ていますよ」「赤ちゃんの成長も順調!ミルクはあげなくても大丈夫ですよ」「(ぐずぐずが始まり謝ると)泣いてもいいのよ」と言われ安心しました。

赤ちゃんはもうすでに『ひと』なのだ

当たり前のことのように思いますが、産後すぐの私は、産まれたばかりの赤ちゃんに『寂しい』や『嬉しい』などの感情が分かると思いませんでした。なので、助産師さんのおっぱいが大好きという言葉に「そうか!ぐずぐずしていたのは育児書にある『オムツが気持ち悪い、お腹すいた、眠たい』の生理的なもの以外に、彼の気持ちがあったのか!」と驚きました。暖かいお腹の中から、突然寒い外の世界へやってきて、それはそれは心細い思いをしていたのでしょう。「もっとぎゅっと安心感を与えてあげなければ!」母親として大きな一歩を踏み出したのでした。

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