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マドンナさんと無口君

中西アルノ第1部『監視する者』

8話「亀裂」

冨里奈央と五百城茉央

私は不思議と2人を目で追っていた

監視の対象ではないはずなのに

相変わらず、冨里奈央が五百城茉央を彼に近付けさせまいとしている

授業終わりや昼休み
五百城茉央が1人でいる時間はほとんどない

冨里奈央に自由を奪われているという見方も出来る

冨里奈央に話を聞くか・・・
いや、恐らく彼女を彼から守る為だと言うだろう
正直話にならない

なら、聞くなら五百城茉央か・・・

少し、束縛から解放してあげるか・・・

アルノ「五百城さんだっけ、ちょっといいかな」
茉央「あ、うん・・・」
奈央「茉央に何のよう?」
アルノ「冨里さん、悪いけどあなたに用は無いの
私が話したいのは五百城さんだから」


私は五百城さんを連れ、中庭にやってきた

アルノ「呼び出してごめんね」

茉央「うん、大丈夫やけど・・・」

アルノ「話というか、聞きたいことがあって」

茉央「聞きたいこと?」

アルノ「単刀直入に聞く・・・
五百城さん、今学校楽しい?」

茉央「え・・・」

アルノ「正直に答えて?」

茉央「・・・」

首を横に振った・・・やっぱり・・・

アルノ「分かった・・・
なんとなく、原因は見てて予測はついてるから敢えて聞かない・・・
私が助けてあげる・・・」

茉央「あの・・・中西さん」

アルノ「うん?」

茉央「・・・助けて」

アルノ「・・・うん」

本当に大切な友達だと思うなら・・・
冨里奈央を庇うはず

でも庇わなかった、むしろ頼ってきた・・・

私が2人の友情に亀裂いれてやろうと思ったけど

なんだ・・・

もう、亀裂入ってたんだ・・・

続く

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