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第17作目「オクジャokja」

【たかはC】

鑑賞作品
オクジャokja(2017)
監督:ポン・ジュノ

<あらすじ>
多国籍企業ミランド社は、スーパーピッグと呼ばれる新種の豚を発見する。そして、そのスーパピッグに26匹の子どもを生ませることに成功した。ミランド社は、世界中の農家にスーパーピッグを育てさせ、どの農家が最も美しく育てることができるのか、プロモーションを兼ねたコンペを開催していた。――10年後。韓国のとある農家に預けられたスーパーピッグはオクジャと名付けられ、農家の娘ミジャと仲良く暮らしていた。大きく健康に育ったオクジャは”ベスト・スーパーピッグ”に選ばれる。ミジャはオクジャが連れていかれることを知らなかった。オクジャを救うため、ミジャの冒険が始まるのだが・・・


観ていて苦しくなる映画だった。

少女と動物の友情に感情移入していくのだが、この映画はただの少女と動物の友情物語では観ていられない。

なぜなら映画の中のオクジャは殺さないでほしいと思いつつも、我々は今日も生きていくために動物の命を奪ってるからだ。

ミランダ社もそうだが、ミジャと一緒にオクジャを助けようとする動物愛護団体ALFもクローズアップする被写体が変わればやっている事は大人のエゴ。

しかし、大人のエゴではあるが、観ている自分も大人なので、どちらの思想も理解できてしまうのだ。

そんな中、ただオクジャと“今まで通り仲良く暮らしたいだけ”という純粋な少女の思いが突き刺さってくる。

その純粋さが観ていて苦しめられた。

この監督、このオクジャの後に『パラサイト 半地下の家族』を撮ることになるのだが、鬼才と呼ばれる意味が少しわかったような気がする。

CG映像も良かったし、アクションも前半に描かれている少女とオクジャの暮らしぶりからの映像との振り幅があって見入ってしまった。

しかし、何度も言うが、鑑賞後の気持ちは複雑。

という事で・・・

オクジャokja(2017)
オススメ度
★★★★★★★★☆☆


次回予告
透明人間(2020)
監督:リー・ワネル