「考える技術・書く技術」によるピラミッド構造を開発業務や生活に応用してみる
実用書としてはかなり有名で評判が良い「考える技術・書く技術(バーバラ・ミント著)」だけど、恥ずかしながらこの度初めて読んだ。
実はこの前に日本語作文術という本も読んだのだが、これも併せて表現する技術の大切さというものを身に染みて感じた。この感想も書き始めるとキリがないので、今回はこの「考える技術・書く技術」の骨格となっている「ピラミッド構造」について実際に応用して少しでも自分ごととして身に付けたいと思う。
本書はコンサルティングファーム出身で、その後もコンサルタントにライティングスキルを教えているバーバラ・ミント氏が書いているだけあって、本書に記載の具体例はコンサルティングやビジネスにおける例が多かった。
そのため、自分の今の業務(研究開発)でどう使うかが本書だけではイメージしづらかった。なので、ここで実際に研究開発現場で使用するとどんな感じかを明示してみたいと思う。
注意してほしいのは、私自身これを読んだばかりの素人であり、自分にとってのワークの一環として今回具体例を書いてみるだけだということ。すなわち具体例が適切でなかったり、そもそも間違っている可能性もある。もし心優しい方がいらっしゃれば、それは違うんじゃないか、こうしたら良くなるんじゃないかとかご指摘頂けると大変ありがたい。
ピラミッド構造とは何か
そもそもこの本を読んだこともない人もいるので、ピラミッド構造についてすごく簡単に説明したい。
ピラミッド構造とは、シンプルに言えば主張や考えを相手に分かりやすく伝え納得してもらうための構造で、伝えたい主張から下に枝分かれする形で要約を展開する構造である。
私もまだまだ要約が上手ではないので、ちゃんと知りたい方は本を読むかググって頂くのが良いと思うが、イメージとしては以下の感じである。
あまり細かい説明をすると長くなるので要点を箇条書きで説明する。
・下部メッセージは上部メッセージを要約するもの(帰納法、演繹法)
・下部メッセージは同じレベル、種類のものである
・導入部として状況→複雑化→疑問があり、それに答えるのがトップメッセージ(言いたい結論)となる
自分が受けた印象はこんな感じ。いずれにせよ目的として忘れてはいけないのは、「相手を説得(納得)させるためのツールである」ということ。そのためにどう分かりやすく主張を展開するかということだと思う。
本書にも具体例が多く挙げられていて分かりやすくはなっているが、前述の通り具体例はコンサルティングに関わる内容、すなわちビジネス提案に寄っているように感じた。ピラミッド構造を応用できるよう、ここで自分の業務である研究開発や、生活の場面においてどう使うかを考えてみたい。
例1:(開発編)新しい素材を選定する時のピラミッド構造
S(状況):現在開発中の製品には新しい素材を使用することになっている。
C(複雑化):素材候補はいくつかあり、どれか1つを選ばないといけない。
Q(疑問):どの原料を使うのがよいか?
A(答え、言いたい結論):Pという原料を使えば当社にとって良い。
このピラミッド構造を例として書くと以下のようになる。もちろん、全てイメージなので実際にそういった素材があるわけではないし、実際の理由付けとしては不適切かもしれない。ただ、こういった構造を用いてロジックを組み立てれば、相手を説得しやすいのではないかということ。
他にも良い例はないかと思っていたが、「Aという製法の方が望ましい」など結局例1とほぼ変わらない具体例になりそうだった。そのため、次の例では生活に関わる内容として、冷蔵庫を選定し、妻など家族を説得する際のピラミッド構造を考えてみたいと思う。
例2:冷蔵庫を購入する時のピラミッド構造
S(状況):冷蔵庫がかなり老朽化しており、買い換える必要がある。
C(複雑化):様々なメーカーから冷蔵庫が出ており、選ぶのが難しい。
Q(疑問):どの冷蔵庫が良いか?
A(答え、言いたい結論):Q社のRという冷蔵庫が良い。
このピラミッド構造を書くと以下のようなイメージ。例によって、そんな冷蔵庫があるわけないということには目を向けず、考えを整理するための構造として捉えてほしい。
実際に具体例を作って感じたこと
以上、2つの具体例を自分で作ってみたが、実際にピラミッド構造を作ってみて感じたことがある。
①最初慣れないとピラミッド構造を考え整理すること自体が難しいが、数をこなすことで構造化が上手くなるような気がする。
②何となく考えを文章にするというこれまで自分がやっていたやり方は良くない。ピラミッド構造など構造化し、図表などで見える化することが大事。
これらは読むだけでなく、実際にやってみることで初めて実感できるものであるように感じた。自分もまだまだの身なので、何か考えを表現する場合はピラミッド構造にして考える癖をつけたい。
おまけ:本noteを書くにあたってのメモ書き
なんとなく記念に残しておく。このnoteについても行き当たりばったりではなく、ちょっとでも事前に書く内容を見える化するよう意識してみた。実際に書き出すと書きたい内容は増えてきたが…。
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