自◯を避けたければ友人なんか作ろうとするな
男性は友人を作ろうとしないから自殺するという話がツイッタランドでまことしやかに流れている。
元はこちらのツイートからだろうが、「甘やかされた」という主観的な表現は置いとくとして、男性は友人を持たないから自殺をするのだという説をまことしやかに語る人は多い。
実際にはそんなことはないと、小山氏はこちらの連ツイで反論を行っているが、私としてはこちらの考えの方が正しいと考えている。
自殺の動機に関して一次情報を確認すると、男性が友人を持つ努力をしないから自殺をするのだという解釈はいかにも現実を捻じ曲げているように思われる。
今のところ自殺しそうにもない人達が「もし自殺をするとしたら」と仮定して自分自身の悩みを掘り下げていった結果が家族以外の対人関係になるんだろうと私は推測をしている。
そういった要素が自殺の原因となりうるのは確かだろうが、それをもってして自殺全体を語るのはあまりに偏っている。
こちらのnoteでは一次情報を確認して、そこから自殺をしないためにどうすれば良いのかという内容で、身も蓋もない結論となっている。
日本における自殺の動機
https://www.mhlw.go.jp/content/r3h-1-1-06.pdf
こちらが厚生労働省から出されている令和2年の自殺に関する資料である。
インターネット軍師様が展開する持論よりよっぽどあてになる一次情報かと思われるのでぜひ確認していただきたい。
第1-23表に自殺の動機が載っているが、圧倒的1位は健康問題であり、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題がそれに続いていく。
健康と金の2つが大問題となっているが、勤務問題も後述するように仕事を辞めると生活費がなくなるとか家族を養えないとか結局は金に起因する。
勤務問題に関して男女比を見ると圧倒的に男性のほうが多く、ここ数年前から話題にされがちな女性の働きにくさは自殺にまで至るほどの問題ではない。
男性については働きにくさというよりは働いて稼がなければならないという圧力、つまり結局は金が問題となっているが、ここが自殺に繋がりうる問題なのである。
家庭問題については、働き盛りの世代がピークとなっており、ネットでよく語られる「仕事ばかり打ち込んで仕事以外の人間関係をおろそかにした高齢男性の悲惨な末路」みたいなことは少なくとも自殺の文脈においてはあまり重要ではない。
というわけで、孤独がどうこうとか友人がどうこうとか全く関係がないことがおわかりいただけただろうか。
自殺の動機はおおまかには健康と金に還元できるが、健康も金と密接に結びついている。
健康問題で自殺をするのは19歳までほとんどいなかったのに、20代から徐々に増え始めて働き盛りの世代が高齢者の世代と比べても遜色ないくらいの自殺数となっている。
一方、下にリンクを張った資料(令和元年度の厚生労働省からのもの)では高齢者のほうが医療費としては圧倒的に多い。
https://www.mhlw.go.jp/content/nenrei_r01.pdf
現役世代は基本的に病気や怪我をしにくいが、なる場合は自殺にまで至るようなものの割合が高いということになる。
冒頭の小山氏の連ツイでも心疾患について触れられているが、過労と心疾患の関連は大きい。
私自身も過労により心臓の具合が悪くなって薬を使ったこともあるし、知り合いでも過労により心疾患を患う人はチラホラいる。
幸いにも自分の直接の知人はまだ亡くなっていないが、心臓をやられてそのまま天に召されてしまう人も噂に聞く。
https://www.mhlw.go.jp/content/000833808.pdf
こちらは2021年9月に改正された脳・心臓疾患の労災認定基準の厚生労働省発表の資料だが、長時間労働と心疾患の関連が指摘されている。
労働時間と急性心筋梗塞・脳卒中発症リスクとの関連 | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)
また、こちらのページでは、1日あたり11時間をオーバーして働くと7-9時間の労働者と比較して急性心筋梗塞のリスクが1.63倍になっていることが示されている。
ともかく労働は体に悪いのだ。
自殺を避けるための対策
結論から言うと、お金の問題を解決して仕事を辞めるか仕事量を減らすのが最優先となる。
友人なんか作っている場合じゃない。
現在の日本においては、セーフティネットが充実しているので、なんならお金や仕事がなくても暮らしていける。
そうなるといかに生活費を下げるかが肝要になる。
固定費をバンバン下げて見栄を張るための消費をやめてしまえば今の日本で餓死することはまずない。
冷静に家計を見直してみればほとんどが無駄な支出であることがわかるだろう。
別になくても良いことに多くの人はお金を費やしている。
水が飲みたければ水道水を飲めば良いし、暇なら図書館で時間を潰せば良い。
家族がいたらそうもいかないだろうが、独身男性なら見栄やプライドを捨ててしまえばどんどん切り詰められる。
そうすると、自殺の原因として最も危険な仕事による害を抑えられる。
まして友人を作ろうなんてとんでもない。
そんなことをしてしまえばどんどん出費が増えていって労働強度を上げていかなければならないではないか。
人付き合いをしないのであれば見栄を張る必要なんてない。
誰とも関わらずに一人で引きこもっている限りは、青山に住もうが青梅に住もうが関係ない。
友人がいるのといないのとではもちろんいるほうが健全ではあるだろう。
しかし、それはあくまで健康とお金が盤石になった状態で人生を彩るものであって、追求する順序を間違えると本末転倒である。
また、引きこもりは健全ではないと一般に言われがちだが、そもそも引きこもったほうが楽な人間を外に引きずり出して問題が解決するわけではない。
籠城戦は後詰めの当てがなければ無意味と言われるが、日本のセーフティネットは充実しているので、一人で引きこもって何もしないだけで後詰めは勝手にやって来る。
生活費を削ればまず飢えないし、タダ同然で医療を受けられ一線を超えてしまわなければ自然治癒力により健康は取り戻せる可能性は高い。
自殺を避けるために友人を作るというのはむしろ逆効果であり、本当にヤバい場合は引きこもって健康とお金の問題を解決するようにしていただきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?