子どもたちの明日のために諏訪地域各界に要請書220通提出

😊「子どもたちの健やかな明日を実現するための諏訪地域各界への要請書」😊

面書き
2023.11.01　　　　　　　　　　関　係　　各　位　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
諏訪の地から青い地球を育む会（略称：青い地球）
 
各位におかれましては、日々、市民住民の代表としてご奮闘されておられることと推察いたします。さて、今の社会の中で、借りたものを返すとき、壊したり汚したりしたものは、直し、きれいにして返すことは、当たり前のこと考えられています。そして、「環境は、次世代からの借りもの」とも言われています。ならば、環境も次世代へと返すときには、自分たち世代が、壊したり、汚したりしたところは、直し、元に戻して、返すことが当たり前と考えるべきではないでしょうか。
そんな環境についてのほんの一部について、私たちの会では、添付の提案をまとめました。これを契機に環境問題についてご議論頂ければと考え、僭越ながら、各位にお届けさせていただく次第です。見識の高い皆様にご高覧いただき、これからの諏訪の未来のために、ご考慮、ご配慮頂ければ幸いです（なるべくデータでもお渡ししたいのでお申し付けください）。添付した映像作品は、最近注目されているものでもあり、上映会にご招待させていただきますので、ご覧いただけると幸いです。
 
今回、大変僭越ではございますが、下記の方々にお届けさせていただいております。
 
衆議院議員　後藤茂之様
 
長野県諏訪地域振興局長　宮原渉様、諏訪広域連合長　金子ゆかり様
 
長野県議会議員　共田武史様、毛利栄子様、宮下克彦様、小池久長様、丸茂岳人様
 
岡谷市長　早出一真様、諏訪市長　金子ゆかり様、茅野市長　今井敦様、
下諏訪町長　宮坂徹様、富士見町長　名取重治様、原村村長　牛山貴広様
 
岡谷市議会議員 各位、諏訪市議会議員 各位、茅野市議会議員 各位、
下諏訪町議会議員 各位、富士見町議会議員 各位、原村議会議員 各位
 
岡谷市農業委員　各位、諏訪市農業委員　各位、茅野市農業委員　各位、
下諏訪町農業委員　各位、富士見町農業委員　各位、原村農業委員　各位
 
岡谷市商工会議所会頭　小林睦巳様、諏訪市商工会議所会頭　山谷恭博様、
茅野市商工会議所会頭　金子好成様、下諏訪町商工会議所会頭　小林秀年様、
富士見町商工会会長　名取徹様、原村商工会会長　牛山德康様
 
ほか、信州諏訪農業協同組合組合長　小平淳様 　生活クラブ生活協同組合（長野）理事長　千村康代様　報道機関　など民間団体・個人　各位

😍「子どもたちの健やかな明日を実現するための諏訪地域各界への要請書」

自治体・議員・農業委員・商工会議所・協同組合・報道機関・農業者・事業所・住民　各位

真摯且つ早急なご検討とその進行状況のご連絡を心より期待しております。

 ２０２３年１１月１日　諏訪の地から青い地球を育む会（略称：青い地球）　　　

〒394-0005　岡谷市山下町1-21-24-101　090-4096-7065（毛利）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　mouri-m@joy.ocn.ne.jp

会の趣旨　子どもたちのため、環境危機（地球温暖化と地球環境汚染による二重の危機）を乗り越え、ホタル舞いメダカ泳ぐ青い地球を取り戻すために市民・生活者としてできることに取り組んでいく、2021年４月に発足し、ほぼ毎月学習会や見学会を行っている、主に諏訪地域の老若男女１５名による会

これまでの見学先　　伊那食品工業・諏訪南リサイクルセンター・諏訪湖周クリーンセンター・北澤農場（茅野市）・なないろ畑（辰野町）・光商会（木曽町）・富士見まちづくりラボ協働農園プロジェクト

代表　毛利正道（岡谷市）　共同代表　黒澤玲子（下諏訪町）・宮坂平馬（諏訪市）・北澤久恵（茅野市）

💖本「要請書」の ポイント💖

Ａ　諏訪地域６市町村が一体になって、農水省戦略「オーガニックビレッジ」に取り組み、安全でおいしい学校給食を２０３０年までに実現する

 １　無償・有機・主として地産地消の学校給食を諏訪地域の全ての小中学校で実施する

２　これを実現するために、諏訪地域に、学校給食食材・堆肥集配機構を設ける

３　食の安全をめざす、補助金制度もある農水省戦略「オーガニックビレッジ」に、「学校給食での利用」のために「諏訪地域６市町村協議会」として取り組む

４　森永卓郎氏による本年8月信濃毎日新聞「少子化対策と給食を考える」を添付した。

 B　地域循環型社会、生ごみゼロ、プラスチックごみゼロの、大人も子どもも健やかに暮らせる諏訪地域を２０５０年までに実現する

 ◆夢かもしれませんがあきらめたくないのです◆…　どこでもイナゴ・カエルに遇えてホタル舞いメダカ泳ぐ、子どもたちの笑い声が聞こえる地域を再生したい

１　ひとの生存を支える基幹である農産物を、主として地域の住民の手によって化学農薬・化学肥料に頼らないオーガニック農法で生産・自給する体制を確立する

２　地球温暖化ガスの大きな割合を占めている「食品ロス」削減に、子どもたちを含む全住民で取り組み、特に全生ごみの堆肥化を目指す

３　プラスチックの有害性を学び、諏訪地域の家庭・事業所・来訪者から環境に排出するプラスチックごみ（分解性については詳述を避ける）をゼロに近づける

４　２・３に限らず、衣料品・生活資材・車両・廃材を含むごみ・廃棄物を極力出さない、古来からの循環型社会の実現を目指す

５　市民にごみの減量化と分別の必要性を強く意識してもらうために、「燃やすごみ」袋の名称を、「燃やすしかないごみ」に変える

 😊「子どもたちの健やかな明日を実現するための諏訪地域各界への要請書」全文😊

 

Ａ　諏訪地域６市町村が一体になって、農水省戦略「オーガニックビレッジ」に取り組み、安全でおいしい学校給食を2030年までに実現する。

　未来に生きる子どもたちのいのちと健康、その基盤となる環境を守り育てるため、諏訪地域６市町村が一体になって、2030年までに次の諸点を実現しませんか。

 

１　無償・有機・主として地産地消の学校給食を、諏訪地域の全ての小中学校で実施すること

「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何より も「食」が重要である。（食育基本法前文）」

ａ　無償であること

⓵　憲法２６条「義務教育はこれを無償とする」からみれば当然のこと。
　　学校給食法11条「学校給食費は保護者の負担とする」の規定は、学校が食材費を全額補助することを否定しないとの国会答弁により、本要請実施の妨げにならないことは確定している。

⓶　義務教育完全無償給食が、全国2６０、県内１６自治体で実現　（青森市・市川市・都内８区でも）。

⓷　一人年間5-6万円の給食費（3人なら１５万円超）は、保護者や子どもたちにとって大きな負担。

⓸　無償化まず実現で、「行政が責任を持つべき給食」との自覚が高まり、有機化への誘因にもなる。

⓹　他方、無償化は実現しても経費圧縮による質の低下が起こらないよう、有機化を求める意義がある。

⓺　国・長野県においても、少子化対策の趣旨も含め、一概に否定的ではなくなってきている。

ｂ　有機食材であること

⓵　「安全性が確保され安心して消費できることが健全な食生活の基礎であること（食育基本法8条）」であるにも拘わらず、ＥＵで予防原則に基づき使用禁止となっているネオニコチノイド系殺虫剤など子どもたちへの安全性未確認農薬が多く使用されている実態（全国的には、除草剤であるグリホサート含有輸入小麦による学校給食パン問題も未解決）。

⓶　既に、千葉県2、福島・東京・石川・愛媛・高知・長野県各１の学校において、韓国では国全体の５５％の学校において（うちソウル市では全学校で）実施されている。

⓷　2023年6月に、政権党も含む超党派38名の国会議員による「オーガニック給食を全国に実現する議員連盟」が発足し、有機食材採用推進法制化などを提案している。

⓸　有力な女性団体では、給食の無償化・地場産化・有機食材化を求めており、埼玉県内でも「安全な地元農産物の活用と学校給食の無償化をめざす埼玉連絡会」、新座市の「学校給食無償化とオーガニック給食をめざす会」など、無償化・有機化・地産地消化を一体として求める運動が行われている。

ｃ　主として地産地消であること

⓵　有機食材需要を賄うため、農業者・家庭・事業所を募集し、生産・規模拡張や家庭農園等への支援などもする。

⓶　各学校単位で、農地を確保し、農業者と手を組み、全校児童生徒が9年間継続して有機農産物生産に携われる体制を確立する。このことにより、農産物を給食に生かすとともに、将来、有機農に自然に携われる世代を生み出していく。このようなことは、高齢であっても農業生産者が元気でいる現代しか出来なくなる。

⓷　有機農業に不可欠な堆肥は、諏訪地域の家庭・学校・事業所から排出される生ごみから、堆肥化事業者との提携により堆肥化することにより賄う。

⓸　食料の域内運搬により温暖化ガスの排出抑制にも貢献できる。

２　学校給食の主たる食材を地域内生産者（農業者・家庭・学校・事業所）が作る有機食材で賄い、そのための堆肥を分配することも含む諏訪地域学校給食食材集配機構を設けること
　諏訪地域は、湖周3市町と八ヶ岳３市町村とでは農生産の比重が異なること、他方で、諏訪全域からの廃棄物が諏訪湖に集中する構造であること、これまで諏訪広域連合として各種取り組みを連携して行ってきている流れがあることを踏まえ、6市町村で学校給食の有機化・地産地消化を実現するためには、このような統一した機構が必要と思われる。

 

３　農水省戦略「オーガニックビレッジ」に、「学校給食での利用」のために「諏訪地域６市町村協議会」として申請して取り組む

 ⓵　既に政府方針に採用されている農水省２０２１年５月「みどりの食料システム戦略」は、「化学農薬の５０％低減」「化学肥料の３０％削減」「有機農業面積を現行の５０倍、２５％（100万ｈａ）に拡大」を政策の柱として掲げている。この「戦略」は、地球温暖化ガス排出量を５０年までに実質ゼロにするという国策目標を農水分野で実現するため、化石燃料を使わずに有機農業で食料を生産した場合はＣＯ２排出量が大幅に減少することを踏まえて打ち出されたものである。戦後、１９５０年頃から猛烈に上昇していた化学肥料・化学農薬の使用は、気候温暖化危機対策の面からも大きな転換を強いられることになった。

⓶　その「戦略」の一環として農水省が取組むことを決めた構想である「オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のことをいい」、農水省としては、このような先進的なモデル地区を順次創出し、横展開を図っていく構想であり、令和3年度補正予算のみどりの食料システム戦略推進交付金を用いて支援を開始し、当初目標「2025年までに100地域」に対して本年８月現在で既に取組みが９０地域に達したため、「２０30年までに200地域」と付加された（農水省ＨＰより要約）。

⓷　202３年８月現在、県内の辰野町・松川町、隣県の北杜市など全国９１自治体で取り組んでおり「有機農業実施計画」の検討・試行、「オーガニックビレッジ宣言」と進むと構想されている。「学校給食での利用」も例示されている。１協議会あたり1８00万円の交付金制度もある。

⓸　この制度は、「諏訪地域6市町村、民間、各種団体を含む協議会」が１実施主体になることもできる制度である。実現すれば、辰野町・諏訪地域・北杜市を結ぶ大規模「オーガニックビレッジ」地帯となり、相互の連携や発展も視野に入れることができる。

 B　地域循環型社会、生ごみゼロ、プラスチックごみゼロの、大人も子どもも健やかに暮らせる諏訪地域を２０５０年までに実現する

 日々の暮らしの面から環境危機（地球温暖化と地球環境汚染による二重の危機）を克服するため、諏訪地域として、遅くとも２０５０年までに次の諸点を実現しませんか

　　参考値　
長野県２０１７年実績値から見た２０５０年目標比率（長野県ゼロカーボン戦略）
・ＣＯ２排出量を1450万tから67万tへ（実質ゼロ）　
・最終エネルギー消費量を７割削減、再生エネ量を3倍以上にする

◆夢かもしれませんがあきらめたくないのです◆どこでもイナゴ・カエルに遭えてホタル舞いメダカ泳ぎ、諏訪湖で泳ぎ近所で遊ぶ子どもらの笑い声が聞こえる地域であること

１　農産物がひとの生存を支える社会基盤（インフラ）であることを踏まえ、諏訪地域の住民に必要な農産物を、基本的に諏訪地域の住民によって化学農薬・化学肥料に頼らない農法で生産・自給する体制を確立すること

　　⓵　日本は、高温多湿・高齢化・担い手不足などにより、世界第３位の農薬（殺虫剤）使用量（単位面積当たり）を「誇って」いるが、うち出荷量年間４３０トンを占めるネオニコチノイド系農薬については、２０１８年にＥＵにおいて子どもらへの有害可能性を否定できないとして３成分の屋外全面使用禁止となっていること、輸入小麦を使用したすべてのパンから発がん性・環境ホルモン作用リスクがあると言われているグリホサート（除草剤）が検出されたことを重く受け止めるべきである。

　　⓶　有機農法については、収量が減少するとの不安もあるが、有機米100％学校給食を実現している千葉県いすみ市や、徳島県小松島市を中核とする生協・農協連携の有機米など、有機米を多収量生産するに至っている地域に学ぶ時代に入りつつある。

　　⓷　諏訪地域においてもどんどん増えている休耕地や耕作放棄地を有効活用することは急務である（長野県では、１０年間に農家の３分の１が消滅、耕作放棄地が全国第３位の高率になっており、カロリーベースの食料自給率は53％で農業県といわれる割には全国19位と低迷している）。

⓸　肥料・種（たね）も含めた日本の食料自給率が実質１割程度にまで落ち込んでいて近い将来に著しい食料不足になる危険が高いなか、行政・農業者・消費者たる住民・農業以外の事業者や協同組合などの各種団体も「垣根をなくして」（鈴木宣弘東大大学院教授）共に手を携えて、おいしく安全安心な食料を地域で生産・消費していく視点を、2050年カーボンニュートラル実現目標のなかに生かしていく。

そのためにも、まず、現在の農業担い手がこの方向に進めるよう行政としても援助すべきは当然であり、生産者価格保障制度の確立はもちろん、希望者を身分保障が確立した公務員にすることも一案であろう。水田活用交付金削減の如き、農業者の生活を破壊する施策など論外である。

　　⓹　農地法改正により、2023年4月から農地を取得する際に必要とされていた下限耕作面積（50ａ）の要件が新たに撤廃されたため、今後は、非農業者が農業に挑戦しやすくなったと評されている。この点も有効に活用した施策が求められる。

⓺　ウクライナに旧ソ連時代から定着している「ダーチャ制」（希望する全ての家庭に、自家用耕作地を長期間貸与）があることによって国民の食料が確保出来ていることを参考にした制度も検討に値する（そのダーチャ制が定着しているロシアでは、国内３４００万世帯のうちの８割が平均６ａの家庭菜園を持ち、主食のジャガイモはなんと国内生産量の９２％をここで生産しているとのこと）。

⓻　有機栽培のための肥料としては、地域から排出される生ごみ堆肥のほか、伊那食品工業を代表的な成功例とする寒天製造工程残渣からの有機肥料企業化や、味噌・おから・ジュース搾りかすなど多種多様な残渣から肥料を生産して、農業生産に資する。

⓼　参考事例として、神戸市の下水処理場では、下水に多く含まれているリンを回収して「こうべ再生リン」と名付けて野菜や米の肥料として活用している。リンは肥料の3大要素の1つと言われる食糧生産に不可欠な資源であるところ、現在、日本ではほぼ全量を輸入に頼っており、この神戸市の先例は、諏訪地域一帯をカバーする諏訪湖流域下水道処理場を有する当地で参考になりうる。

⓽　より具体的には

・２０年前頃に比べ停滞気味となってはいるものの希望者が増えつつある、市民農園・家庭菜園に関わる農業者・消費者が飛躍的に拡大するよう、行政として積極的に推進する。
日本の大人１億人が１００㎡（１ａ）ずつ耕作すると、現在の農地総面積４００万ｈａの４分の１にもなる。その際、区画毎に借り受けて自主的に栽培する「区画型」だけでなく、農園主の指導の下に共同で作業を行う、初心者が参加しやすい「協働型」についても、開設指導の対象とする。岡谷市で行っている、年間を通じて初心者が農耕を学べる研修農園（サポートファーム事業）も広めていく価値がある。

・街なかに目立つ無住地を近隣住民が耕作できる制度（宅地の農地並み課税等）を創設する。本年10月1日のＮＨＫテレビで、アメリカで同様の実践がなされていることを紹介していた。

・小中学校給食に限らず全ての公的・半公的食事提供施設（保育園・病院・介護施設・事業所）で有機食材化を実施する。

・農業以外の多種多様な事業所でも事業用地・借用地を活用して、従業員組合などの手で農産物生産に取り組む（就業時間内に従事できるようにならないものか）。

・人口密集都会地における農産物自給率の低さを踏まえるとき、諏訪地域の自給率が100％を超過するように目標を一層上方に引き上げることも必要であろう。

 ２　　世界の食料品の３分の1が「食品ロス」になって廃棄されている一方で、そこから全地球温暖化ガスの8.2％が発生している現状を踏まえ、食料品は、途上国や真にこれを必要としている人々に届くように生産・流通される地球規模や国内での体制を確立すること、特に地域では生ごみの減少と総堆肥化が急がれること。

⓵　全地球温暖化ガスに占める割合が、ロスとなっている食品の製造・運搬・調理・廃棄の全過程で8.2％を占めており、これは、自動車関連で排出されている温暖化ガスの割合10％に匹敵するほど大量なものであることに着目し、食品ロスの削減に真剣に取り組む必要がある。日本国民一人当たり毎日ご飯茶わん１杯分（約124ｇ 事業系・家庭系合せて）捨てている計算になる。

⓶　日本はごみ総量に占める焼却炉での焼却率が約８０％であって世界でも飛びぬけて高い。その焼却炉で焼却するごみの主要部分を占めるのが家庭から出る可燃ごみであるが、「生ごみ」がその家庭可燃ごみの約４０％を占めている。ところが、「生ごみ」は重量の約８０％が水分であるため、焼却炉で燃やすために大量のエネルギーが必要となり、温暖化ガスが一層発生する。（以上、この⓵⓶で指摘している内容は、「食べものが足りない」井出留美著に詳しい）

⓷　岡谷市などが現在委託している事業者（木曽町「光商会」）によると、望ましい生ごみ回収・活用過程は、家庭や学校・事業所などの拠点からの回収、その発酵による堆肥化、並びにその堆肥を農産物生産者たる農家・家庭・その他の生産拠点への供給体制によって完成されるものである。しかるに、諏訪地域では、岡谷市で家庭からの回収が開始されているものの、この３行程すべてを完備している自治体はなく、全域でその完備をめざすことが望ましい。

３　プラスチックの有害性（マイクロプラスチックの魚類等の水生動物及び人体内侵入、燃焼による温暖化ガスや有害物質排出、風化による拡散、有害物質の運び屋役など）に鑑み、諏訪地域の家庭・事業所・来訪者から環境に排出するプラスチックごみ（分解性については詳述を避ける）をゼロに近づけること

参考値　日本の2019年での一人当たり一般ゴミ排出量は338㎏（世界第４位）、同プラごみ排出量はその20％にあたる68㎏（「図解でわかる14歳から知るごみゼロ社会」より算出）。

 ⓵　日本人は、産業用も含めプラごみを一人当たり毎年４５リットル袋６０個分を排出し、一生では5000個排出している計算になる（2019年年間廃プラ量850万tを踏まえた、独自推計）。

⓶　日本で多用されている大型ごみ焼却炉からは多くの温暖化ガス並びに無害とは言いきれない有害物質が連日屋外に排気・水分として排出されている（環境基準はクリアしているものの諏訪湖周クリーンセンターからダイオキシンも排出されている）。焼却せずに埋め立てている最終処分場からも、ビスフェノールＡ（ポリカーボネート樹脂原料由来で、胎児への影響が心配な環境ホルモン）などが外部に滲出して河川に流入している可能性もある。特に、諏訪地域の場合は、各種廃棄物が諏訪湖に溜まっていく可能性がある。

農薬を含む環境への排出廃棄物が世界のなかでも多い日本で、子どもたちの発達障害や高齢者の癌を含む生活習慣病の発生に影響を及ぼしている可能性を否定するまでの根拠はない。

　⓷　各家庭から排出されるプラ類を大きく減少させるためにできることは

（１）  　各事業者が、プラ類を用いる製品・商品を極力製造・販売しないよう、政策誘導する。

（２）  　消費者としては、極力、プラ類が使われている商品を買ったり家庭に持ち込んだりせず、プラ類を使わない方法での食品購入（ガラス製容器・量り売りなど）を推進する。

（３）  　各家庭から排出されるプラごみは、①大型のものの他に、②プラごみとして分別回収されるものと⓷「燃やす袋」に入れて収集されているものとがあるが、プラごみを少なくするには、この３者いずれも大きく減量させていく必要がある。ところが、湖周３市町の燃やすゴミ一人当たり年間排出量は、2013年から2020年迄の７年間に248㎏から246㎏に1％↓のみであり、殆ど減っていない　（岡谷市・諏訪市における2回の有料化によるごみ減少分は、一時的なものであって将来の減少幅を推計するための資料には適さないため、比較年度に、その減少した年度を含ませずに算出した）。

そのため、今後、プラごみを大きく減少させるためには、消費者から自身が排出しているごみの量の多さを自覚してもらうことから始める必要があるのではないか。

（４）　消費者が、プラごみを減少させる意欲を持つとともに出来るだけ上記（３）②の分別回収に委ねるように誘導するため、同⓷のゴミ袋の名称を、「燃やすしか行き場がない、かわいそうなごみを入れる袋」（略称例「燃やすしかないごみ」）に変更する。

（５）　行政としては、農用マルチを含むプラ製品製造事業者に製品回収義務を課したり、分別されたプラごみが回収事業者によって有効活用されているのか監視する必要もある。

 

４　生ごみ・プラごみに限らず、ゴミ・廃棄物を出さない、古来からの循環型・環境保全型・地産地消型社会の実現を目指すこと

 ⓵　半分が買ってから１年以内に捨てられているファストファッションを始め、日本で年間５１万tの衣類が再利用されることなく廃棄されている、水分が多く燃えにくい大量の紙おむつを焼却している、生活用品・建築・車両など大型廃材も埋め立てや単なる廃棄など、再利用の手立てもないままに処理されている、大量の使用済み化学農薬・化学肥料が自然界に流出しているなど、いずれも地球温暖化ガスの発生源であったり、生態系のバランスを崩す原因であったりする。

　⓶　日本には、2000はある世界の焼却炉の約半数1,067の焼却炉があるが（「図解でわかる14歳から知るごみゼロ社会」）、ＣＯ２や有害物質排出、燃焼費用増大、老朽化による改築に１基300億円もかかることなど、問題が多く、且つ、焼却できない廃棄物を受け入れている全国1620の最終処分場があと２０年で満杯になる（上記「図解でわかる・・・」）など問題が山積している。

⓷　リサイクル率が生ゴミ95％・一般ゴミ60％の韓国、家庭ごみの50％以上回収を義務付けているＥＵ、そしてし尿を含む100万人リサイクル社会であった江戸などに学び、循環型廃棄物ゼロ社会に大きく踏み出すことが重要である。