ドラえもんでわかる ミャンマーのクーデター問題

 昨今話題になっているミャンマーのクーデター。
 でも正直言って、もともと東南アジアに興味があった人でもなければ、ミャンマーなんてどこにあるか分からないし、どんな歴史がある国かもよくわからないって人が多いと思う。というか筆者もそうだし。

 そこで今回は、wikiを頼りにいろいろ調べてみて、ある程度自分の中で理解できた部分を、当記事にまとめてみたいと思う。
 教える目的ではなくて、自分の中でまとめたものを書き残すことが主な目的なので、わかりにくいところはご容赦ください。
 筆者自身は歴史の専門家ではない、ただの世界史好きなバイク乗りである。細部に関してちょっと違うよっていう部分はあると思うけど、そこはご容赦頂きたい。もし明らかに間違っている部分があったとしたら、それはごめんなさいって感じなので、あくまで素人がwikiを読んで解釈したものだとご理解ください。

 とは言ったものの、長きにわたる歴史をそのまままとめても小難しいし、面白くないし、分かりにくい。
 なので今回は誰でも知っている某有名マンガの登場人物を拝借して説明させて頂く。
 あとパガン朝とかムガル帝国とかコンバウン朝とかの歴史は省き、イギリス統治からとする。そのへんの歴史が好きな人からは突っ込みが入るかもしれないけど、そんなん知ってる人はこんな記事読まないっしょ(慢心)
 なお、歴史の問題は現在の部分だけ切り出しても理解できないので、今回はビルマの成立まで遡ってまとめていきたい。現代の話なのになんでこんな昔から? と思うかもしれないけど、その部分が大事なのだ。

 それでは、はじまりはじまり~……


ドラえもん「ものすごく雑な、ミャンマーの歴史まとめ~~~」

スネ夫=ビルマおよびミャンマー
スネ夫のママ=ビルマおよびミャンマーの国民
ジャイアン=イギリス
出木杉=アメリカ
のび太=日本
先生=国連
しずか=アウンサンスーチーさん

19世紀(1800年代ごろ)

ジャイアン(イギリス)がインドを植民地にする。
インドのお隣さんだったスネ夫(ビルマ)は、急にやってきたジャイアンが気に入らないので何回かケンカするけど結局負けて、家もラジコンも取り上げられてしまった(ビルマはイギリスの植民地になる)。

20世紀

 第二次世界大戦が勃発。
 東アジアでは太平洋戦争がはじまり、のび太(日本)は中国の戦争に力を入れていた。
 ジャイアンは自分に歯向かってきたのび太のことが嫌いなので、中国に援助していた。(ちなみにこの時の中国は、共産党が支配する現在の中華人民共和国ではなく、蒋介石が率いる中華民国。)

ジャイアン「おお中国よ心の友よ、ムカつくのび太と戦争してるらしいな。おれが武器やお金を援助してやるぜ。おいスネ夫!」
スネ夫「なんだいジャイアン」
ジャイアン「中国への支援物資を俺のインド領からお前に送るから、それを中国に渡してやれ。パシリくらいできるよな?」
スネ夫「もちろんだよジャイアン。まかせといてよ!」
(当時イギリス・ソ連・アメリカが、蒋介石政権を軍事援助するための輸送路をもっていた。これを援蔣《えんしょう》ルートという)

 のび太もバカではないので、この援蔣ルートには気づいていた。なのでそれを妨害、遮断しようと様々な活動を行っていた。その一部として、スネ夫経由の援蔣ルートについては、スネ夫を仲間に引き入れることで解決しようとしていた。
のび太「スネ夫、きみはいつまでもジャイアンのパシリでいいのか?」
スネ夫「そりゃあ……ぼくだって本当はジャイアンのことはきらいだよ」
のび太「じゃあ一緒にジャイアンを追い出そうよ! ドラえもんの道具を貸してあげる!」

 こうして、ひみつ道具と未来の知識(資金援助、軍隊の作り方)を手に入れたスネ夫は、のび太と手を組んでジャイアンを追い出すことに成功する。

ビルマ解放

スネ夫「ありがとうのび太、助かったよ」
のび太「色んなことをジャイアンに強制されていたんだってね、ひどいや」
スネ夫「そうなんだ。僕は僕としてのナショナリズムを大事にしていきたい。ビルマ語を公用語にしたりね」
のび太「まあ、いいんじゃないかな?(許すとは言ってない」
スネ夫「これからはぼくひとりで大丈夫さ(独立要求」
のび太「いや、またいつジャイアンが来るか分からない。僕もスネ夫の家でジャイアンを警戒するよ!(迫真)」
スネ夫「う、うん……ありがとう……?」

 しかしのび太はどうやらドラえもんとケンカをして、ドラえもんのひみつ道具ももうもらえないみたいだ。こうなってしまうと、スネ夫はのび太の言うことを聞いてやる必要性がなくなってしまう。
(東南アジア方面での戦争において、日本が負け始める。バターン半島などでの日本の無残な大敗を見て、日本の利用価値を疑うようになった)
 さらに、ビルマは日本に独立を求めたものの、日本からは中途半端な独立しか与えられず、とても主権国家といえるものではなかった。日本としても戦争を戦うための要所であり、おいそれと独立させてしまうわけにはいかなかった。さらに、無理のある戦争協力(詳しくは泰緬鉄道でググってみよう)などもあり、次第にビルマ国内では日本を排除しようという動きが起こり始めていた。しかしビルマ独力ではとても日本を追い出すことはできない。

スネ夫「おいのび太、もうぼくのうちから出ていけよ」
のび太「ジャイアンを追い出す手伝いをしてあげたじゃないか」
スネ夫「それはそうだけど、ぼくがのび太のいうことを聞いていたのは、のび太が強かったからだ。ひみつ道具のないのび太なんてなんの価値もない」
のび太「ジャイアンはどうするの! いつまた来るか分からないんだよ!」
ジャイアン「話は聞かせてもらったぜ、のび太」
スネ夫「ジャジャーン! バカだなのび太! もうジャイアンとは仲直りしたのさ、アハハ! さあジャイアン、一緒にのび太を追い出そうよ」
ジャイアン「死ねのび太!」
のび太「ギャー! 助けてドラえも~ん!」

 こうしてまたジャイアンの子分(イギリスの植民地)に戻ったスネ夫。

スネ夫「やっぱりぼくにはジャイアンが一番さ。ずっと友達だよ」
ジャイアン「何言ってるんだ? お前はもう心の友じゃない」
スネ夫「えっ?」
ジャイアン「お前はひとりで生きていけるだろう。じゃあな」
スネ夫「ま、まってよ。ぼくの家の修理は誰がするのさ。ジャイアンだって暴れて壊したじゃないか。あとで直すのを手伝ってくれるって約束だよ!」
ジャイアン「俺の家は俺のもの。お前の家も俺のもの。でもお前はもう1人前だから、お前の家はお前のものだ。直すのはもちろんお前だ」
スネ夫「何言ってるの、わかんないよジャイアン!」

ミャンマー独立

 戦争が終わってスネ夫の面倒を見るのが面倒になったジャイアンに、スネ夫は捨てられてしまう。(ビルマがミャンマーとして独立)

スネ夫のママ(ミャンマー国民)「スネちゃま偉いざます、一人前になったざますね。家はぼろぼろになってしまったけど……これはゆっくり直していけばいいざますよ。だからもう暴力は必要ないざます。これからは家のことに専念するざます」
スネ夫「なんだってママ、聞き捨てならないね。僕がジャイアンやのび太と戦えたのはケンカで勝ったからだよ。僕はもう誰かにいじめられるのはこわいんだ。そのためにはもっと強くならなきゃ。家の修理はその後さ」
ママ「スネちゃま、ダメざます。まずは家の修理を」
山岳民族のママ「ママは好きにさせてもらうざます。家出するざます」
仏教徒のママ「イスラム教徒のママが気に入らないざます」
イスラム教徒のママ「仏教徒のママが気に入らないざます」
スネ夫「うるせえんだよババアども! こうしてやる!(ポカポカ!」
いろんなママ達「ぎゃあ痛いざます!」

 一応の独立は果たしたので、ミャンマー国民から民主化を求める声が上がったものの、その他にもイデオロギーの違いや宗教対立など様々な問題を抱えたまま無理に独立してしまったため、国民の意思が全く統一されないまま各々が好き勝手なことを言い始めてしまう。そんな中でもミャンマーは民主化せず、軍隊が政府を握る軍事政権になる。その結果、軍事政権に反発する国民と、政権の間で家庭内暴力(内戦)が起きてしまう。それに対して、しずかちゃん(アウンサンスーチー)がスネ夫に抗議する。

しずか「スネ夫さん、気持ちは分かるけど、家庭内暴力(内戦)で家族をこわがらせるのはよくないわ。まずは民主的な話し合いが大事よ」
スネ夫「うるさい!! 僕だってやるときはやるぞ! レイプしてやる!」
先生(国際世論)「こらこら、レイプはよくないぞ骨皮」
のび太「ボクモソウオモウヨ」
ジャイアン「ドン引きだぜスネ夫、お前みたいな奴、もう心の友じゃないぜ! 俺はお前を信じてたのに!」
スネ夫「ジャイアン、いまさら何を言ってるんだ、ジャイアンはぼくを見捨てたじゃないか!」
先生「見苦しいいいわけはよすんだ骨皮! 剛田、お前は優しい子だな。骨皮も剛田を見習いなさい」
出木杉(アメリカ)「スネ夫くん、そういうのはよくないよ。もっとイマジンしようよ。人類はみんな今日を生きているんだよ。ユッフーフウウ」
のび太「ボクモソウオモウヨ」
しずか「出木杉さんすてきだわ」
(民主化を拒む政府へ世界からの非難)

スネ夫「くそっ……なんだいみんなしてぼくを邪魔して! ぼくがジャイアンにいじめられてた時には誰も助けてくれなかったくせに……! わかったよ、レイプはしない。でも口うるさいしずかちゃんは家に閉じ込めておくからね!」
(アウンサンスーチーの自宅軟禁)

スネ夫「ママも口うるさいし、先生が家におしかけてきて説教をしてくる。うるさくて仕方がない。しずかちゃんは表彰状(ノーベル平和賞)をもらったらしい。なんだよ、ぼくがあの時ケンカに負けてたら、ぼくもママも殺されてたんだぞ。そんなこともわかってないやつらが、うわべだけ見てしずかちゃんに表彰状を送ったり、ぼくを批判ばかりしてくる。なんでサッカー選手や映画俳優がテレビでぼくのことを批判するんだ? 流行にのっかってるだけじゃないか!」

アウンサンスーチー解放

 とはいえ、1989年から2010年まで、何度もしずかちゃんを自宅に軟禁してきたスネ夫も、ご近所さんからの圧力が強すぎてさすがに言い訳ができなくなってきた。

2010年
スネ夫「わかったよしょうがないな……しずかちゃんの言うとおりにするよ。民主的な話し合いをしよう」
しずか「わかってくれたのねスネ夫さん!」
スネ夫「でも家族会議には僕も意見する(議会には軍関係者の議席が保証される)し、決定権はぼくにある(国の重要なポストは軍関係者が占める)んだからね」
しずか「今はそれでいいわ、ありがとうスネ夫さん」
ママ「スネちゃま……大人になったのね……(涙)」
しずか「お金の使い方やご近所つきあい(政策や外交)は、みんなの話し合いで決めましょう」

のび太「やあしずかちゃん! 話は聞いたよ!」
しずか「あら、軍事政権にお金じゃぶじゃぶ渡してたのび太さんじゃないの~、何の用?」
のび太「えっ、あっ、そんなこともあったかな?(すっとぼけ)そんなことより……しずかちゃんとはこれからも仲良くしたいんだ」
しずか「じゃあ今月からお友達料払ってね♡ 大好きよのび太さん♡」
のび太「イヒヒ~♡ 払う払うよ~♡」
しずか「金を出すだけの俗物は黙ってなさいよ」
のび太「なにかいった?」
しずか「ううんなんにも♡」

ロヒンギャ虐殺

喪黒(イスラム系難民)「オーッホッホッホ、しずかちゃん、私も仲良くさせてください。でもお金は一円も払いませんし、スネ夫さんの家に勝手に居座りますよ」
しずか「出ていきなさいよ! 藤子A世界に帰りなさい!」
スネ夫「こんな奴はぶん殴って追い出せばいいんだ。文句はないよねしずかちゃん」
しずか「ええ、そうね。スネ夫さんやっちゃいましょう」
(イスラム系難民「ロヒンギャ」の虐殺)

先生「源くん、なにをしているんだ! 君がそんなことをするなんて、信じられない!」
出木杉「イマジンが足らないよしずかちゃん」
ジャイアン「しずかちゃんドン引きだぜ……なあ! しずかちゃんは最低だよな!!」
(ロヒンギャ虐殺に対する国際批判。ノーベル平和賞もはく奪される)
のび太(日本)「しずかちゃんそういうのよくないと思うよ……(小声)」
しずか「何か言った? ところで今月のお友達料がまだよ?」
のび太「あう、ご、ごめん」

スネ夫「勝手に表彰状を渡したりやっぱり取り上げたり、部外者はお気楽なもんだね。あれだけしずかちゃんのことを聖人のように持ち上げてたくせに。やっぱりしずかちゃんにも任せておけないよ、やっぱりここは僕がしっかりと家をまとめなきゃ」
ママ「いーーーえ! しずかちゃんに任せておけば間違いないざます! スネ夫ちゃまに任せるわけにはいきません!」
ジャイアン「そうだそうだ! スネ夫は最低だよな!!」
のび太「僕もそう思うよ!」
スネ夫「なんだって!? くそ~怒ったぞ、どうせしずかちゃんがズルをしたに決まってる! みんなグルになって僕を陥れようとしてるんだ!! 僕のいう事をきかないしずかちゃんなんて、また家に閉じ込めてやる!」ママ「スネちゃま! 落ち着くざます、そんなことはないざます!」
スネ夫「うるさい!! ママだってどうせ僕が嫌いなんだ!」
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)

クーデター

2020年に行われた総選挙で、アウンサンスーチー率いる政党が圧勝したことを、ミャンマー軍部は何の根拠もなしに「選挙違反」だと一方的に否定。
アウンサンスーチーを再度自宅軟禁状態にして、クーデターを起こす。

ママ「ママだってやる時はやるざますよ! さあ殴ってごらんなさい!」
スネ夫「いいぜ、殺してやるよママ!!」
ママ「銃はよくないざます! 銃は!!」

ジャイアン「たいへんなことがおきてるなあ(棒」
のび太「そうだねえジャイアン。まことにいかんだよ(棒」
先生「骨皮くん、おちつきたまえ(棒」
出木杉(アメリカ)「人種差別ってよくないよね!! 黒人だって生きてるんだよ!(棒」
小泉進次郎「知ってますか? ビニール袋って石油からできてるんですよ」

スネ夫「ふふふ、もうぼくを誰も止められないよ。ぼくの暴力を世界に誇示するために軍事パレードをやるぞ!」
パーマン1号「応援しに来たアルよ!」
スネ夫「来てくれたのか中国マン!」
パーマン2号「俺もいるぞ!」
スネ夫「ロシアマンも……!」
ママ「クーデターなんてやめるざます! 軍事パレードやってる場合じゃないざます!」
スネ夫「うるさいなあ、ママは(物理的に)黙っててよ。ぼくにはもうパーマンという心の友がいるんだ」
ママ「ちーん(笑)」

スネ夫のパレードに反対したママ91人がスネ夫に射殺されて、日本やジャイアンや出木杉はパレードを欠席したんだけど、パーマン達はしっかり出席してて、スネ夫はパーマンたちを「心の友よ!」と絶賛した。

ママ「先生! なんとかしてほしいざます! 介入してほしいざます!」
先生(国連)「おい、誰か、骨皮を止めるんだ。出木杉はどうだ」
出木杉「これは本当によくないことですよ。イマジンが足りませんよね」
先生「じゃあ動いてくれるか」
出木杉「いや~~~~いまちょっと人種差別問題とかが忙しくて!!」
先生「……剛田は?」
ジャイアン「いまちょっとEU脱退とかで国内が分裂してて!」
先生「誰か調停してくれるやつはおらんのか!」
パーマン1号「何を話し合ってるアルか? ミャンマーへの経済制裁とかはやめてもらいたいアルね~~~~~!!」
パーマン2号「右に同じ」
小泉進次郎「次はストローを紙製にしましょう」
先生「お前は廊下に立っとれ!」

 国連は、世界のいろんなところに口出しをして介入できる存在のように思われがちだが、常任理事国である英米中ロ仏の5か国が賛同しないと動けないため、今回のように常任理事国によって利害が合わない場合は役に立たないのが実態。特に中国ともめてるアメリカは、中国をあまり刺激したくないので直接介入したくないが本音だと思われる。
 バイデンがアメリカ製のコロナワクチンの特許を一時的に放棄すると発表したのも、中国製ワクチンが発展途上国に出回ってしまうと、中国が途上国へ影響力を強めてしまうことを懸念してだと思われる。
 世界は、正義や理想では動かないのだ。

ASEAN「しゃーないっすね……じゃあうちで動きますんで……」

 ということでASEANが仲裁に入ることを決め、スネ夫もそれを受け入れたが、スネ夫は「ASEANの仲介案なんてただの紙切れでしかない。我々は中国へ恩がある」とはっきり言ってしまっているので、これもうわかんねえな……という状況なのだ。
 そもそもミャンマーがASEANの会議に参加すること自体が、軍事政権をミャンマーの政府として認めてしまうことになると反発している国もある。

 ここからどうなるのかが、さらに見ものだなあ。


 とまあこんなところで、この記事は終わりとします。
 今後の動き次第では追記するかも。

 以上! 閉廷! 解散!

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