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そだてくエッセイ13//早い・便利のカラクリ。そこに「人」がいること。

早い・便利のカラクリ

いつもたくさんお話をさせてもらっていて、たくさんのことを気づかせてくれるMさん。またハッとさせられました。

「最近、早い・便利でとても暮らしやすくなったけれど、その早い・便利になるまでに必ず人がいる。そのことを忘れている気がするんです。もしかしたら一人ではないかもしれない。早く便利になるために、たくさんの人が介在していて、その人それぞれの気持ちがあって、人それぞれの背景(人生)があるということも。」

確かに。

ワンクリックでものが買える。翌日には物が家まで届く。あたかも物だけがワープするように。そして翌日手元にあるのが当たり前と思うようになっている。

そのカラクリは、「人」だ。

そこには必ず人がいる。『期日までに届けてあげたい』と一生懸命夜道を車で走り、何回も家のチャイムをならしている人が。

それを忘れてしまって、翌日届かないことに腹を立ててしまっていたり。深く反省します。こんなにもインターネットやスマホが普及しているのに、やはりそこに人はいるんだ。

もちろん、パソコンやスマホの進化と普及もカラクリの一つではあるけれど、その進化にも「人」がいる。発明する人、日々便利になるよう研究している人、部品を丁寧に作っている人。たくさんの「人」がいるからこそ、ワンクリックの翌日に欲しいものが手元にあることを忘れてはいけない。

切手一枚でどこにでも届く手紙のこと

それからこんなことも話してくれました。

『こないだ四国のすごく地方の町にいったとき、そこは何にもない、本当にタイムスリップしたかのようだったんよ。だけど、赤い郵便バイクがその坂道を一生懸命走っているのをみて、切手だけでここまで手紙を届けてくれる人がいるんだと驚いたんよ。』

最近は、手紙を出す機会は減っています。これもまた、人差し指でぽちっとすると相手にメールが届きます。本当に便利な機能ばかりです。でも手紙となると切手を貼ってポストに出したら、回収にきてくれて、郵便局に集められると仕分けされ、県をまたぐのであればトラックやコンテナで運ばれ、また郵便局に一旦預けられ、配達される。思ったよりたくさんの「人」がそこにいます。

たった63円ではがき1枚がたくさんの人の手により届くことに、改めて心が温かくなります。

時代は変化し続け、文明は進化し続けます。それは悪ではないけれど、得てしてそこには「人」が必ずいるということを私たち大人も忘れがちになる。だからこそ今を生きる子どもたちにもわかっておいてもらいたいなと思います。今の時代を生きる子どもたちに、押し付けがましくではなく、当たり前なこととして伝えていきたいなと思います。

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