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映画「House of GUCCI」感想

どうも、P子です。
始めたばかりなのでこまめに投稿していきます!
本日取り上げるのは、巨匠リドリー・スコット監督の「House of GUCCI」です。かなり公開前から話題とあって朝一の回でも満員でした。


(あらすじ)
1995年3月27日、イタリア・ミラノの街で銃声が響き渡る。
殺害されたのは、世界的トップブランドの元祖と呼ばれるGUCCI創業者グッチオ・グッチの孫マウリツィオ・グッチ。実行犯の黒幕はマウリツィオの妻であった、パトリツィア・レッジャーニだった、、、、
1970年代からパトリツィアとマウリツィオの出会いから約30年、一族の確執とマウリツィオ殺害事件の全貌を描く。


富・スタイル・権力をもったグッチ一家の光と闇。
愛情、不倫、犯罪、家族の中の関係性、復讐、裏切りといった人間の業が描かれていて、160分と長めの作品ですが時間を感じさせないほど。
私的な見所ポイントを書き出してみました。
1.話題性ある豪華キャスト
2.衣装・ヘアメイク
3.ロケーションの華やかさ
4.音楽
5.圧倒される映像美
6.癖ある明確なキャラクター設定、
実話もののアプローチの仕方

まずはやっぱりこれだけの話題になったキャスト。
主演パトリツィア役レディー・ガガ、
パトリツィアの夫マウリツィオ役にアダム・ドライバー、
グッチ家のアルド役アル・パチーノ、
アルドの息子パオロ役ジャレッド・レト、
アルドの弟でマウリツィオの父ロドルフォ役ジェレミー・アイアンズ、
パトリツィアの占い師役サルマ・ハエック、、、といった豪華キャスト陣。
ガガは「アリー/スター誕生」以来の2作目ですが、「ジャーナリストのようにパトリツィアを掘り下げた」と自分を精神的に追い込んで深く向き合って熱演。大胆で迫力ある演技に圧倒され、クリエイターとして本当に一流だなと感じました。
元々は内気なタイプながらも企業のトップになるパトリツィアの夫マウリツィオ役のアダム・ドライバーもすごい良かったです。
一人一人語り出すと止まらないんですが、言っておきたいのは、ジャレッド・レトの変身ぶり!美しいお顔のジャレッドですが、毎日6時間かけての特殊メイクだったそうです。マジで最初わからなかったです。
本人たっての希望でマウリツィオのいとこのパオロ役、夢見がちで、父のアルドに反発し自分のデザインを描きまくるけど認められないというキャラクターを演じています。天才的で本当に大好き!

そしてファッション業界を描いているのでショーさながらの衣装やメイク。
とくにガガは22歳から40代までを演じているので、時代ごとに変わるので見ていて楽しいです。ウィッグはパトリツィア本人のヘアを再現しているとか。かなりボディライン強調した服多いんですが、着こなしはさすが。

イタリアのロケーションが豪華で、音楽も聴いたことある曲がかかったと思えばオペラがかかったりするんですが、それがとにかく絶妙。
サントラ聴くと「全然ジャンル違う!」って思うんですが、シーンにマッチしていて、「ここでブロンディなのかー!」とか、観客を楽しませてくれます。

そしてなんといっても監督作品でいつも思う映像美。
オープニングから引き込まれていきます。
1970年代、家業の運送会社で経理として勤務するパトリツィアの出勤シーンのクレーンカメラワーク、歩くガガはまだ22歳くらいの可愛らしいパトリツィアを演じているんですが、プリプリお尻を振り高いヒールでカツカツ歩く姿から、開始数分で、彼女の自信家で野心家であるキャラクターが垣間見えます。構図といい、すごく勉強になります。

キャラクター設定がとにかくみんな濃い。
パトリツィア、野心家でブランドを海外進出させていく大胆さを持つ兄アルドと冷静な弟ロドルフォ(マウリツィオの父)のキャラクターの対比も面白いです。監督の前作「最後の決闘裁判」でも感じましたが、すごく観る側がわかりやすいキャラクター描写になっているので
「どうでるんだ?」とワクワクさせてくれます。


実話の映像化は難しいと思います。
とくに、今回は関係者が生きていて、わりと最近起こった出来事ですし、
しかも世界的ブランドであるGUCCIにまつわる話。
上記のストーリー追うだけ、映像でもう十分にエンターテイメントとして楽しめるんですが、この映画は、いろいろ感じるものがあり。
パトリツィアがマウリツィオに出会って恋をして、結婚して、「もっと愛されたい」という思いから徐々に支配し始めるという『愛』を軸にも見れるし、でも彼女がこだわったのは本当に愛なのか?とか、グッチ一族による家族経営やゴタゴタを濃いキャラクターゆえに滑稽さを描いていて、、、、原作未読なので切り口はいろいろあったと思いますが、
基本はわかりやすい構成ながら、随所にブラックな感じというかシニカルな部分が散りばめられていて、なかなか見応えがありました。
次々とジャンルの異なる作品をつくるリドリー・スコット、84歳と聞いてそのエネルギーに感服です。やっぱすごーーーー!
ノンストップで楽しめると思うので、みなさん是非劇場で!

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