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Don't be like me. Trouble water...(トイレ修理ボッタクリからお金を取り戻した話)【モリノート】

※タイトルは「like a bridge over troubled water(Simon & Garfunkel)」からインスパイア

みなさま、こんばんわ。都内のIT企業に務める森 元行です。普段はこんな感じで髭も生えており、見た目はいかついです。今回は、こんないかつい僕が11月8日にひっかかってしまった「トイレ修理ボッタクリ」について、筆をしたためようと思います。

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■11月8日(日)
この日は、15時から「PUBG MOBILE 企業対抗戦2020 Powered by RAGE」という大会に会社のメンバーと参加予定でした。試合はオンラインで行われ、各自、家で待機、スタッフの誘導にしたがって試合が進むという形でした。

・14時55分
大会前ということもあったのか、緊張で少しお腹が痛くなってきたので「トイレ行っとこー」のノリで、トイレでもよおしました。いつもどおり、レバーをひねると、なんと便座から水が逆流してくるではないですか…!プチパニックに陥りながらも、5分後には試合が始まるので、一旦トイレは放置をして、大会に挑みました。

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※トイレ逆流時の、チームメンバーの反応

試合もあっさり負けたところで(と言っても溢れてからすでに1時間経過)、トイレの様子を見に行くと、なんと水位がものすごく減っているではないですか!「これは、、、イケる!」とレバーを引いてみた所、先程と同様、水が勢いよく溢れてきてしまい「こりゃ、だめだ。業者呼ぼう」とインターネットで見つけた業者に依頼をしました。

電話口で「単純なトイレのつまりなのですが、見積もり、どれくらいですか?」と伺ったところ「弊社は見積もり無料なのです!なので、今からお宅に伺って、直しますね」と対応してくれました。

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※業者を呼んだ際の、メンバーの反応です。

40分後くらいに、自宅に来てもらって、高圧ポンプを使ってまずはつまりの解消にチャレンジしてもらいました。この作業は8,000円かかります、と事前に口頭で提示されていました。

何分か作業をしたあとに「ちょっとこの方法だとダメかもしれない。便器を着脱しないと分からないから、取り外しますね。取り外すには15,000円かかります」と言われ、しぶしぶ承諾。
当たり前なのですが、便器の着脱をすると中に入っていたものが全部溢れてきます。トイレは汚物まみれになりました…。

そのまま数分間作業をして「これでもだめです。排水口の奥で詰まっていますね。壁排水(?)なので、特殊な機械と特殊な作業が必要です」と言われ、私自身「あれ…これ、どっかで聞いたことあるぞ…」とYouTuber朝倉未来氏のメンバー吉田氏がトイレ修理でぼったくられていたのを思いました。

作業員さんに「いくらですか?」と恐る恐る聞くと「22万円です。どうしますか?やりますか?直しますか?やった作業分は支払ってもらいますよ」と言いくるめられ、且つ汚物でまみれたトイレを見ると「とにかく早く直してほしい…」という気持ちに襲われ「とりあえず、やってください」と作業を続けてもらいました。

余談ですが、「22万円という現金を持ち歩いていないので、クレジットカードの支払いでよいですか?」と確認したところ、返答はNO。現金手渡しか後日銀行振込の2択でした。
「作業している間、コンビニでお金下ろしてきていいですよ」と言われ、コンビニで22万円を下ろし、家に向かう途中でも「怪しいなぁ…」と感じていました。

作業が終わって、最後に工事請負契約書が出てきました。

右上のチェックマークにもチェックを付けたくなかったので「チェックしないとだめですか?」と聞いたところ「チェックしないとだめです」と言うので「チェックしてと言われたので、チェックしますね」と。同様に押印部分も「押印しないとだめですか?」と聞いたところ「押印してないとだめです」と言うので「押印してと言われたから、押印しますね」と進めました。

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また、作業内容についても上からひとつづ再度説明をしてもらい、ひとつだけバカ高い「排水管内通貫作業」について「これは相場なのですか?嘘じゃないですか?」と確認をしたところ「相場です」というので、「相場であるのであれば、合意します」と伝えました。また支払いについては、「今は手持ちが無い」と伝えたところ「分かりました。今日は半分の11万円だけ支払ってくれれば良いです。残りは銀行口座に1週間以内に振り込んでください」と言われて、11万円を渡し、業者の方に帰ってもらいました。

大変だったなぁ、と家の近くにあるルノアールでさっきまで大会にでていた仲間たちに報告。

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うすうす自分でも感じていましたが、優秀なブレーンがいて助かった…。これはぼったくりだと確信をして、次の日最寄りの区役所の消費者センターに駆け込みました。

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ものすごくよく話を聞いてくれたものの「まずはクーリングオフ制度を利用してみましょう。ハガキで簡易書留で送付する形で大丈夫ですよ」とアドバイスを頂きました。また、幸運なことに同日に「区の何でも相談センター」が開催されていて、無料で行政書士・弁護士の方とお話することもできました。ただ、「まずはクーリングオフ制度利用してみてください」とのことだったので、早速帰って文書を作成して、簡易書留で送付。

しかし、1点だけ不安な部分があり、担当業者の住所が港区南青山だったのですが、調べてみるとどうやらバーチャルオフィス。クーリングオフの送付をしても、返ってきそうだなー…と思ったら、1週間後に自宅に返送されてきました(相手方が不在のため)。

またもや消費者センターに伺い、状況説明をしたところ「とりあえず、クーリングオフの通知を再度しましょう。それでもだめなら、簡易裁判所ですかね…」と言われてしまいました。念の為、前回相談に乗ってくれた弁護士さんにも状況を伝えた所「特定記録郵便(ポストに入る)/レターパックライト(ポストに入る)/簡易書留(相手が不在だと届かない)の3つの郵便方法で送付してください。」とアドバイスをされ、書類を作成し、郵便局で上記3パターンの送付方法で送付をしました。

ここで「というか、南青山なら近いし、直接行けばいいじゃん」という発想になり、そのまま南青山の記載の住所へ。案の定、ビルの表札には社名はなく、部屋まで行ってチャイムを鳴らしても誰もいませんでした。

そこで、いままで一切連絡を無視していたわけですが、こちらから業者・サイトウさんに電話をします。

向こうは繋がって一安心という感じで「残りの11万円、まだ振り込まれていないのですが、いつ頃になりますかー?」と聞かれたので、「いまちょうど御社の目の前にいるので、直接会ってお話しましょうよ!あと、クーリングオフの送付を何度も送っているので、一旦全金返金してください」「あと施行してもらった「排水管内通貫作業:20万円」。あれ、正規・相場の金額じゃないですよね?そもそも集合住宅であの作業いりましたか?区の指定の排水業者50社に電話して聞いて回ったのですが、どこもやらないと言っていたし、やったとしてもせいぜい4,5万円と言っていましたよ」「また、施工終了後の工事請負契約書は、無効。契約とは、作業を実施する前に結ぶものです」と法学部時代の記憶&自分なりに調べた情報&弁護士さんからアドバイスされたことを電話口で伝えました。今現場にいて忙しいらしく、あとで折り返すということで、電話は切れました。そして、

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なんと、向こうから減額交渉をしていきました。

しかしながら、こちらとしてはクーリングオフをしているので、全金を返済してほしいのです。

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相手が悪いと思ったのか、「今もらっている11万円で良い」と言ってきました。22万円が半額の11万円に!しかし、こちらとしては、すでに渡してしまっている11万円も取り返さないと気が済みません…。

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猶予を渡すので、1週間以内に全額返金してくださいね、と連絡をしました。

この連絡をしたあと、1日経っても2日経っても連絡がなく…。どうしようかなーと考えながら、ふと、簡易裁判所の住所を調べていたら「霞ヶ関」にあることを知り「めっちゃ近いじゃん!今すぐ行こう」と身支度をして霞が関に向かいました。

とりあえず、仁義は切ろうということでサイトウさんに電話をして「連絡無いようなので、返金してもらえないということですよね?なので、今から裁判所に行ってきますね!」と言って、電話を切りました。途中、電話が何回も鳴っていましたがスルーです。

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裁判所は撮影禁止ということで、拾ってきた画像を掲載しておりますが、平日ということもあってか、結構空いていました。

僕もすっかり忘れていたのですが、簡易裁判所は個人で訴訟を起こすことが可能です。「調停」や「少額訴訟」などいくつか種類があるのですが、今回は「少額訴訟」にて進めました。※簡易裁判の場合でも、証拠を提出する必要があります。

入り口で手荷物検査を行い、1回の奥にある「簡易裁判所」に出向き「訴状」と「当事者の表示」、「請求の趣旨」等々を記載します。

そこで、ある問題に直面します。被告を会社(法人)で訴えようとしていのたですが、よくよく調べると、なんと法人ではなく、ただの屋号でした。屋号は法人ではないので、法人として訴えられません。社長の名前もわかりません。うーんうーんと悩んでいたら、係の人が「実際に作業された方に訴状を送ることもできますよ」と教えてくれたので、当日に作業をしたサイトウさんを被告として訴える方向で決めました。

1階で書類に記載をして、地下1階で関係者に書類を送るための郵便代金や裁判を行うための費用などを支払う場所があり、そこでお金を収めれば訴訟スタートです。

さすがに個人で訴えることになるのは、かわいそうだな…と思い、サイトウさんに電話をしてあげようと携帯を見ると、めっちゃ電話かかってきていました(裁判所の中は電波が悪くて、着信が鳴らなかった)。

「どうですか?対応してもらえそうですか?」と聞いたところ、「自分も現場に出てしまっており、社長も忙しいと言われてしまい、すぐの対応は難しそうです」と言われました。

「忙しいなら、仕方ないですよね。では、裁判、進ませてもらいますね。ちなみに、御社、会社じゃなくて屋号ですよね?なので、今回はサイトウさんを被告として訴えることにしました」と伝えました。

「え?」と混乱した様子のサイトウさんでしたが「それは困ります」と。
そりゃ、困るだろう…しかし、僕も困っています。

僕「本日中に全額返金してもらえますかね?」
サイトウさん「社長に再度、確認します」
折返しの電話がありました。
サイトウさん「今日すぐの対応は、やはり難しいとのことです。今週中なら…」
僕「そうですか。では、地下1階に行って、手続き進めてきます。おそらくサイトウさん宛に訴状が届くので、日時決まったら裁判所にきてくださいね」と言って、電話を切りました。

するとすぐ折返しがあり「社長に確認したところ、本日中に入金対応するとのことです」。なんと、本日中に対応ができるとのこと!さっきまで忙しい忙しいと言っていたのに、急に対応してもらえることになりました。

「本日中って、何時ですか?今時間が16時で、裁判所って17時までしか空いてないんですよね。どちらにせよ、僕は今日中に前に進めたいのでどっちでもいいのですが。17時までに入金可能ですか?」
サイトウさん「17時までは難しいと思います。」
僕「分かりました。では、手続き進めてきます」電話切る。

と、再度サイトウさんからすぐに着信が。

サイトウさん「本日17時までに送金作業致します」
僕「今、できますよね」
サイトウさん「今、やります…送金しました」
僕「送金日付はいつにしましたか?」
サイトウさん「本日です。今日は15時を過ぎてしまっているので入金はおそらく明日の午前になるかと思います。」
僕「今どきの銀行って、24時間で着金可能なんですよね。本当に振り込みましたか?キャプチャーを送ってください」

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というようなやりとりをしている間に、なんと11万円が振り込まれました!
なかなか時間がかかりましたが、なんとか全額返金してもらうことに成功です。

区の消費者センターの担当の人に相談をしていたので「全額返してもらいました!」と報告をしたところ「どうやって、返金対応してもらったの?!」「簡易裁判所まで行ったのですか?!普通そこまで行く人いないですよ!?」ととても驚かれていた様子でした。

長々と起きたことを書いてしまいましたが、年末年始に限らずこういったトラブルは人生で何度も起こるわけでもなく、また相場観が分からない領域であるため、ボッタクリに合う可能性は高くなります。

僕自身もテレビやYouTubeでこういったボッタクリの映像を見て「なんで引っかかるのかなー」と思っていたのですが、まさか自分がかかるとは…。

周りから見ると「断れそう」とよく言われますし、自分自身もそう思っていたのですが、あれよあれよとこんなことになってしまいました…。

みなさま、トイレトラブルに合った際にはまずはマンション・アパートの管理会社に電話をしましょう。

日曜日や夜遅くで管理会社に繋がらないときは、最近東京ガスがトイレトラブルサポート事業を始めたようで、こちらも安全だと思われます。また、東京都であれば、区の指定の排水業者の連絡先がホームーページに掲載されていますので、そちらに連絡するのも安全です。間違っても、ネット広告やポストに張ってあるマグネット広告の業者には依頼をしないよう、ご注意を。

2020年もあと僅か。大掃除をやられる方も多いと思いますが、捨てるだけでなく資源の最適化の意味も含めて、越境ECにチャレンジしてお年玉を狙うのもいいと思いますっ!


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