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映画「#ボーはおそれている」はドグラ・マグラの味がする
エンタメを食って生きてるライターのモトタキです。
『#ボーはおそれている 』のキャッチコピー「ママ、きがへんになりそうです。」に惹かれた。
『ジョーカー』のホアキンは好きだし、アリ・アスター監督の『ミッドサマー』や『へレディタリー/継承』もイケる口だ。
なので映画『#ボーはおそれている 』鑑賞してきた。味わいは『ドグラ・マグラ』を読んだ時のあれだった。
面白いかどうかでいえば、まあ面白かった。けど、他人に勧めたくなるタイプでは決してない。イケるタイプ同士で行って、あとで感想戦したら楽しいタイプだ。
ドグラ・マグラって何
夢野久作が書き上げた日本三大奇書のひとつ。ジャンルはミステリー。なぜ自分が今居る施設に入ることになったかわからない男が、そこにいる理由を知っていく物語。
「読めば気が狂う」がキャッチコピー。そこも「ボーはおそれている」に近いね。
実際ヤバい展開の連続だよ「ボーはおそれている」
初手から「これはありえないだろ」ラインの出来事が起き続けて、どこまでが妄想でどこからが現実なのかさっぱりわからない。
面白いが謎しか残らない。どう解釈すべき。B映画を本格的に作ったようにも見える。
ここからネタバレあり感想
『ボーはおそれている』は言ってしまえばアリ・アスター監督がバッドエンドかつぶん投げエンドをまたやってきた感じだった。
それでも『ミッドサマー』や『へレディタリー/継承』はリアリティラインが徐々に破壊されていったが、『ボーはおそれている』は違う。ほぼ初手から狂ってように見えるのだ。
本当にこんなことあるのか。これはボーの妄想なのか。そんなレベルで狂人が駆け巡るスラム街に暮らしている。そこの住人がもはやおかしい。
母の死を知り、医者に処方された薬を飲もうとして水が止まっていることに気づき、ネット検索で水無しで飲んだ副作用は病院送りか死亡としり、焦ってコンビニに向かうもカードが止まっており、支払いに手間取ると狂人たちに家を乗っ取られ……。
いや悪夢でしかない。このレベルは序の口で、徐々に悪夢度は加速していくのだ。なんなんだよそれは。
物語は実家にたどり着いてから、妄想かどうかを疑いながらではあるが真相が明かされていく。
ボーは「女とセックスすると死ぬ」「父は初夜に死んだ」と教え込まれている。結局、ボーは女とセックスをするのだが、すると相手が死んでしまう。
どういうことか。その謎の答えとして、ボーの父親がチンコの化け物であり、ボーは化け物とのハーフだと知る。化け物のハーフなのでセックスすると相手が死ぬとなぜか知っている母は、父の正体を隠して死んだことにして、セックスすることを封印させたのだ。
他にも今まで会ったヒトの顔写真が並べられていたり、心療内科のかかりつけ医が母のグルだったり、そして謎のラストも合わせて全て母の仕組みごとのような演出だと明かされるのだ。だとしても、ボーが車に轢かれた後に助けられた家で見た未来まで撮影された映像の意味がわからない。
そんなわけあるかの連続。口は開きっぱなし。なんなら初っ端でボーは毒蜘蛛に寝てる間に噛まれてずっとヤバい夢を見てるから、最悪に歪められた走馬灯でも見てるとしたほうがスッキリするほどだ。
『ブラックミラー』の「シロクマ」を雑にしたかのような感じもして、これ全部妄想であるほうがしっくりくるなと思わされるのだが。
実際,答えはヒトの数だけありそうなもんだな。これ。
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