2018/09/28 03:52(途中)

  僕を歌にする


先輩とご飯を食べていた時ふと思い出した童貞臭い昔話でも書こうかなと思う
僕がまだ中学生の頃、当時の自分は例にもれなく音楽にはまっていた、形容詞の意味さえも分からなかった自分が人生で初めて触れた文学であり、とても感動したのを覚えている。「強くなれたってその姿を見せたいのはあなただから」などと言った安っぽいメロディーと歌詞で形容しがたい気持ちをメロディーに乗せ歌として世の中に語りかける姿に中学生の私は惚れこんだ。


学生時代の僕は初恋の相手ゆきちゃんに恋をしていた。僕自身を見て貰う為一歩間違えば犯罪になりかねないストーキングまがいの様な行為を働いており当時”いじられ役”として人気を博していた俺は権力・知識・人脈すべてを総動員し塾や学校の課外活動をゆきちゃんと同じものにするという中学生ながらとんでもない悪行を働いていた。(よく犯罪を起こさないでいてくれたな、、、ありがとう中学生の自分)
当時の僕にとってはあの子がすべてでありあの子が正義であった。
優しさで溢れるあの子のようになりたかったし、途方もない「信じる」ということを誰にでもしてしまうようなあの子になりたかったのだ。これは一種の宗教であり憧れで僕はこれに陶酔してしまった。
僕は言葉や行動を改善しあの子になろうと勤しんでいた。童貞で奥手であった僕は自分がゆきちゃんになりきることでゆきちゃんの存在の一部になろうとしたのである、つまりは究極の存在になろうとしていたのだ!!!!!
文章を書きながら我ながらこの事実にドン引いてしまっている、本当に危険思想杉~~☆彡
さあここまで童貞の底力と社会制裁を受ける一歩手前の犯罪者心理を見せつけている僕なのだが煙草を吸うようになった今では当時の面影が一切なく執着できるものや憧れはだいぶ前から見失ってしまい、



成長できたってその姿を見せたいのはあの子なのになと感じた話だった


勉強もスポーツも塾も課外活動もあの子と仲良くなりたく努力したし僕の好きな映画も好きな漫画も趣味もあの子と似ていてとても気分が高ぶって鼻歌を歌いながら、話す話題を作るため一生懸命漫画やドラマなどを読み漁っていたことを今でも鮮明に思い出せることができる。

今もあの子は魅力的で自分の時間を生きていているし飾らない自分をいつまでも持ち合わせている。とても優しく、美しくあり続けていて本当に感服している、凄いよ本当。

自分は彼女の飾らない優しさや柔らかい言葉遣い、愛にあふれた考え方、途方もない「信じる」ということを誰にでもしてしまうような、そんな周りに本気でい続けた彼女がとても魅力的に思えてしまったのだ。この魅力を同級生の誰よりも世界中の誰よりも知っているとも思っていた。

僕はたくさんの素敵な人に出会ってきたけれど未だにあの子のように他人に対して真摯に向き合い相手を心から信じることのできる素敵な人に地元を出てから出会っていないと思っている。(出会っていないだけなんだろうけど)
大学生になり少しは格好よくなれるよう努力はしてきたつもりだ。何人かの女の子には告白もされデートにいくつか誘われたりするまでにはなった

モテるように努力はしたがただ今の僕はあの頃よりも少しは成長出来ただろうか少し不安だ、あの子に胸を張れるような自分になれる事がある意味僕の生きる意味でもあったからだ。

今考えると僕が求めていたのは
あの人の様に自分自身がただ魅力的になりたかっただけであって、自分に素直でいたかっただけであって。好きな人に振り向いてもらう事やちやほやされる事では無かったのだと感じる。

初めて好きになった人が見せてくれた世界が僕を形作り僕の輪郭をなぞってくれた。今の僕はあの子の様に真摯に何事にも向き合えているのだろうか、

明日は今日よりもう少し本気になってみようと思う、もう少し嘘を辞めようと思う、もう少し好きなことは好きって大声で言おうと思う、もう少し今あるものに目を向けてみようと思う、もう少し自分を愛して素敵になれるようになろうと思う

これからは
あの子が教えてくれた歌い方で
僕の歌を歌えたらなとおもう。

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