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労い言葉 御苦労様 お疲れ様 について 日本語は難しいですね

目上の人にお疲れ様・御苦労様は失礼なのでしょうか

かつてタモリさんの発言が話題になっていたことがありました。

会社での実態調査

政府による実態調査がありました。仕事終わりの際の「御苦労様 」「お疲れ様」の使い分けなどの状況がよくわかります。目上には「お疲れ様」がほほ一択、目下には「御苦労様 」「お疲れ様」という結果のようです。

「会社で仕事を一緒にした人たちに対して,仕事が終わったときに何という言葉を掛けるかを,自分より職階が上の人の場合と自分より職階が下の人の場合について尋ねた。

(1)一緒に働いた人が,自分より職階が上の人の場合
〔全体〕
 結果を多い順に示すと,以下のとおり(「その他」「分からない」は省略)。
 「お疲れ様(でした)」が約7割で,「御苦労様(でした)」,「ありがとう(ございました)は,共に1割台にとどまっている。

「お疲れ様(でした)」・・・・・・69.2%
「御苦労様(でした)」・・・・・・15.1%
「ありがとう(ございました)」・・・・・・11.0%
「どうも」・・・・・・0.9%
何も言わない・・・・・・0.6%」

「2)一緒に働いた人が,自分より職階が下の人の場合
〔全体〕
 結果を多い順に示すと,以下のとおり(「その他」「分からない」は省略)。
 「お疲れ様(でした)」が5割強で,「御苦労様(でした)」は3割台半ばとなっている。
 (1)で尋ねた自分より職階が上の人の場合と比べると,「お疲れ様(でした)」の割合が16ポイント,「ありがとう(ございました)」の割合が6ポイント低くなり,「御苦労様(でした)」の割合が21ポイント高くなっている。

「お疲れ様(でした)」・・・・・・53.4%
「御苦労様(でした)」・・・・・・36.1%
「ありがとう(ございました)」・・・・・・5.0%
「どうも」・・・・・・2.8%何も言わない・・・・・・0.5%」

https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h17/


○蒲谷副主査
 参考配布1「平成17年度『国語に関する世論調査』」に関して,申し上げてもよろしいですか。「お疲れ様」と「御苦労様」の問題なんですが,「お疲れ様」と「御苦労様」の使い分けは,上下関係の問題ではないという認識がもともとありましたので,今回の調査にこういう形で入れていただいたんです。その結果は,ほぼ予想したとおりでした。部下に対しても,「お疲れ様」を使うようになったということが言いたかったわけではないのです。要するに,上下関係ではなくて,一緒にみんなで仕事をした後にお互いに声を掛け合うときには「お疲れ様(でした)」が選ばれるであろうという見込みで,入れた問いなんです。結果は,その方向に来ている。「御苦労様」の方は,例えば配達してくれた人にねぎらうような形で声を掛けるときにということで,思ったよりも「ありがとう(ございました)」が多く出ているんですけれども,そういう使い分けがあるだろうということをねらって入れたものです。新聞は,上下関係の問題として,かなり取り上げていますけれども,むしろ,そういう問題ではないということが見えてきたなということです。

○氏原主任国語調査官
 今の件に関連して申し上げると,記者発表の時にも「御苦労様」「お疲れ様」がかなり話題になりました。そこでは,これも予想されたことですけれども,社会人になる時にと言いますか,職場ごとにと言いますか,自分より目上の人に「御苦労様」と言っては失礼なんだ,「お疲れ様」と言いなさいということを,いろいろな形で,先輩から教えられたとか,職場で教育されたとか,そういう意見が複数出ていました。

 それから,今朝,これだけ新聞報道されましたので,一般の方からも電話が随分来ました。やはりその中でも,「お疲れ様」は自分より上の人に,「御苦労様」は自分より下の人に使うのが正しいと思っていたが,そうではないのかといったような問い合わせが多くありました。いわゆるマニュアル本なども,そういう書き方をしているものが多いので,そのような理解が,かなり一般に浸透していることも確認できたと感じています。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/keigo/keigo_08/gijiroku.html

マニュアルやコンサルなどの影響についても調査してくれればよかったのですが。

江戸時代からあった「御苦労」

「御苦労」は江戸時代に町人が、上下関係なく労いの言葉として使われていたそうです。

「御苦労」は本来,目上にも目下にも仲間内にも用いられてきた。武士階級は部下には「大儀」を 用いたが,町人は,目上だけではなく目下へも労いを丁寧さを表す「御」を付けて「御苦労」と言 ってきた

「大正期頃,目上への使用例数と目下(部下)への使用例数が逆転し,その後,時代を経るに従いその差が開き続けている。この目下への使用というタイプのものは,明治時代以前には女性や一般的な町人の使用が多かったのに対し,大正以降では,軍人・警官が増えている。さらに通俗的時代小説にも大いに使われている。このことから,実際の軍隊での労い言葉「御苦労」 が,徴兵男子を通じて国内に広まり,さらにそれが時代小説で多用されたことが,「もともと主君からの労いの言葉」という誤解の原因になったのではないか。最も一般的な労いの言葉は,上下関係の厳しい組織,例えば会社組織の中で,目上には使えないという神話が語り継がれ,現在に至ったのではないだろうか」

「御苦労」系労い言葉の変遷 倉持益子
https://urayasu.meikai.ac.jp/japanese/meikainihongo/16/013kuramochi.pdf

個人的には、「お疲れ様」が、いったいいつから始まって、広まったのかの調査を望みます。

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