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DAY2-2 共分散と相関係数

この記事は、DAY2の続きになります。より内容の理解がしやすくなると思いますのでDAY2をご覧いただいた後こちらの記事をご覧いただけると幸いです。

DAY2では景気の動向に対して逆に動く株式、企業A(好景気)企業B(不景気)に投資した場合のリスク低減効果について説明し、景気の動向に対して逆に動く株式の場合はリスク低減効果が多くなることがわかりました。

では、もし企業A、Bが共に好景気に対して動く株式だった場合リスク低減効果はどうなるでしょうか。
好景気の時は収益率は高くなるかもしれませんが、不景気になった途端に収益率が一気に悪化してしまいます。このことからわかる通り景気動向に対して同じ方向に動く株式の組み合わせはリスク低減効果は少なくなります

この考えを説明するためには、共分散と相関係数という考え方が必要になります。

共分散とは
2つの株式がどれくらい一緒に動くかを表す数値
共分散の値の大きさは、動きの大きさを表す
公式:Σ(企業Aの偏差×企業Bの偏差×確率)※偏差=値ー期待値
(各景気毎に求め、さらにそれを合計する)
共分散の値が+の場合:2つの株式は景気の動向に対し同じ方向に動く
共分散の値がーの場合:2つの株式は景気の動向に対し逆の方向に動く

相関係数とは
2つの株式がどれくらい連動しているかを表す数値(-1〜1の間で表す)
公式:相関係数=共分散/企業A標準偏差×企業B標準偏差
相関係数では、以下のように符号と絶対値で2つの相関性を判断できます。
相関係数=1  ➡︎全く同じ報告に動く
0<相関係数<1 ➡︎同じ方向に動く
相関係数=0  ➡︎相関性はない
-1<相関係数<0 ➡︎逆の方向に動く
-1<相関係数  ➡︎全く逆の方向に動く

共分散と相関係数について理解したところで、実際に求めてみましょう。

DAY2で取り上げた企業A、Bは反対の動きをする株式だったが、今回は企業Bも企業A同様に好景気の時に収益率が高くなる株式だったとする。
※以下表は企業Bも好景気時に高収益率になるよう数値を変更しています。
企業Aは黄色、企業Bは緑色です。

画像1

まず、共分散を求めます。
【好景気】14.4×9.2×0.2=26.496
【普通】 -2.6×-0.8×0.4=0.832
【不景気】-4.6×(-3.8)×0.4=6.992
これらを合計すると34.32(=企業A、Bの共分散)
共分散の値が+なので2つの株式A、Bは景気の動向に対し同じ方向に動くということがわかります。

次に相関係数を求めます。
相関係数
=共分散/企業A標準偏差×企業B標準偏差
=34.32/7.26×4.79
=0.9869...
0<相関係数<1なので、2つの株式A、Bは同じ方向に動きます。

この記事のはじめの方でも述べましたが、上記の結果からも2つの株式は同じ方向に動く、つまりリスク低減効果が少なくなることがわかります。

いかがでしたでしょうか?
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