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福島民友新聞社による土湯温泉観光協会「ジェンダーレス温泉」報道とその後

 2/26(金)、福島県内の土湯温泉観光協会が「ジェンダーレス温泉」に向けて環境整備を行う、と福島民友新聞社が報じました。

●2021年2月26日 福島民友新聞社

 生物学的な性差にとらわれず、その人が望む温泉の入り方、泊まり方ができるよう、環境を整備する。具体的には、貸し切り風呂や、障害者用など男女以外のトイレの入り口に「ALL GENDER(オール・ジェンダー)」と書かれた土湯温泉独自のピクトグラムを掲げる。また宿帳の性別の欄に「LGBTQ+」の項目を追加する。

 「ジェンダーレス温泉に」と言われると「全面混浴化」と誤解されかねないし、「生物学的な性差にとらわれず、その人が望む温泉の入り方、泊まり方ができるよう、環境を整備する」と聞くと「身体が男性のままでも性自認が女性なら女湯に入れてしまうの…?」と思ってしまいますが…

 具体的な取り組みは「貸し切り風呂や、障害者用など男女以外のトイレの入り口に『ALL GENDER(オール・ジェンダー)」と書かれた土湯温泉独自のピクトグラムを掲げる」というだけのものでした。記事の内容とタイトルが一致していない気がしますね…

 その後に続く「宿帳の性別の欄に『LGBTQ+』の項目を追加する」に至っては目的も何もかもよく分かりません…LGBは「性的指向」であって「性別」ではないでしょうに…

 この記事を読んで疑問に思った方は私以外にも多数いたようで、土湯温泉観光協会宛に意見や問い合わせが寄せられたそうです。

 その結果、報道から3日後の本日3/1(月)、土湯温泉観光協会はFacebookにて2/26付報道に対するお詫びと「ジェンダーレス温泉」自体の白紙撤回を行いました。

●2021年3月1日 土湯温泉観光協会Facebook

【お詫び】
 この度、弊会による「ジェンダーレス温泉」の取組にかかる一部報道に関しまして、弊会の理解不足と認識の甘さから、多くの皆様に疑念と不快感を与えてしまう結果となり、謹んで心よりお詫び申し上げます。

 「ジェンダーレス温泉」の表現をはじめ、報道のなされた具体的な施策につきましても白紙に戻させていただき、今後は、皆様から賜りましたご意見や専門家の指導も頂きながら、これまで温泉における様々な場面で、一部の方々が使いづらい環境となってしまっていたのではないかとの反省に基づき、引き続き「誰にでも心から楽しんで頂ける温泉地」を目指してまいる所存でございます。
 今後とも、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 今回の報道内容は残念なものでしたが、結果的に、土湯温泉観光協会が考えを改め、「引き続き『誰にでも心から楽しんで頂ける温泉地』を目指してまいる所存でございます。」と表明してくれたことは良かったと思います。

 私は温泉が大好きですし、日本全国の温泉地が末永くいつまでも繁栄し続けてほしいと思っています。そして、そのためには「女性が安心して利用できる温泉」でなければならないと思います。

 女性が温泉を利用しづらい理由…例えば「混浴だけで女性専用時間がない(混浴は実質的には「男湯」)」「混浴で女性を待ち伏せする男性(ワニ)がいる」「女装して女湯に侵入する男性がいる」などなど…。

 日本全国の温泉地の観光協会や旅館の皆様には、このような問題の解消に取り組んでいただき、「誰にでも心から楽しめる温泉地」そして「女性が安心して利用できる温泉地」にしていってほしいと思います。今回の土湯温泉観光協会の件をきっかけに、日本全国の温泉地でも女湯の安全性向上や女性専用時間の拡充が進むことを願います。

 私もこの機会に、温泉での不都合・トラブル(ワニ男性や女装男性など)について調べてまとめたいと思います。

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