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甲子園中止で思うこと

今日、一斉に夏の甲子園大会中止のニュースが届きました。多感なこの時期に、いろんなものを制限し、目指してきた甲子園。甲子園にかけてきた選手、指導者、保護者、家族など多くの方の複雑な想いはどこに向けていくと良いのだろうか。

私自身、高校野球の外部コーチとして指導している選手たちがいる。指導者の一人として、選手たちにどんな言葉をかけてあげることが一番良いのか。まだ答えは見つからない。

高校野球の甲子園への挑戦、3年間でチャンスは5回しかない。宝くじはお金さえあれば死ぬまで買えるが、高校生活の中で甲子園を目指せるのは3年間しかない。
やり直したくても一生やり直せないことに、ただただ悔しくて、ただただ悲しくて、何も言葉が出ないかもしれない。

センバツ高校野球が中止になった時は、「まだ次は夏がある」と切り替えられたかもしれないが、結局練習が再開できないまま最後の目標を奪われてしまった。地方大会の開催も中止という報道に更に追い討ちをかける。

そして、保護者の方も多くのことを犠牲に、いろいろことに我慢し、やっと迎えた息子の晴れ舞台を見れない悲しみは球児と同じ悲しみを感じていらっしゃるかもしれません。

多くの涙が今日本中で流れているのかなと思うと、心が痛みます。

皆さんは、そんな選手、保護者の皆さんにどんな声をかけますか?どう接してあげますか?

寄り添う

いろんな関わり方があると思います。より近くでその姿を見てきた皆さんだからこそ、かける言葉と寄り添い方があるのではないでしょうか。

私が、メンタルコーチとしての立場から、皆さんに何か届けられるとしたら、まずはまずは「ただただ寄り添ってあげて欲しい」ということです。

大きな声で泣いているなら、一緒に泣いてあげてください。
言葉が出ずに俯いているなら、ただただ同じように横にいてあげてください。

それだけでも、あなたの思いは届くはずです。

努力と今までの過程を労う

時には、ハメを外したり、迷惑をかけたり、サボることもあったかもしれません。それでも、一つのことをやり通したこと、最後まで可能性を信じて練習し続けてきたことを、心を込めて「本校によくがんばってきたな」と労ってあげてください。

いままで、一番辛かったことはなんだった?
野球やってて良かったことってなんだった?

大会がないことで、3年間の思い出をネガティブに残さないように、良かったこと、その中でも最高の瞬間があったはずで、そんな瞬間を聞いてあげてください。

存在価値を認めてあげる言葉をかける

本人が努力し、挑戦してきたこと
心身ともに成長してきたこと
信念をもって最後まで自分と向き合いながら野球に向き合ってきたこと
野球を通じて他者のために行動したこと

そして、
あなたがいたから私が勇気をもらえたこと、嬉しかったこと、家族がまとまったこと、夢を一緒に追えたこと……あなたという存在が私たちにとって、勇気と生きがいを伝えてくれていたことを素直に伝えてあげてください。

「自分」という存在が、他者のために、そして社会に貢献していたこと

選手にとっても、何にも変えがたい大切な言葉になっていくでしょう。

前を向けたら、長期ビジョンに目を向ける

人間は強いです。いつか必ず、前を向いて歩き出します。その時、少し彼らの長い人生の少し先を見せてあげて欲しいと思います。

もっと大きな次の目標が見つかるかもしれません。もしかしたら、高校野球後は野球をしない選手もいるかもしれませんが、これまでのプロセスと野球で得た信念を仕事で活かすことができるかもしれません。

この悔しい気持ちが、次のステップで力に変わるはずです。まだまだ長い人生の中で、可能性の溢れる未来に目を向けていけたらいいですね!

そして、私たち大人は彼らの一歩を、可能性を信じて全力で「応援・激励」していくことが何よりも高校球児の支えになっていくだろうと思います。

悔しい思いをした2020世代の球児たちが、次のステップでさらなる成長を遂げ甲子園に帰ってくる日を楽しみしたいと思います。

3年生の最後の花道

最後に指導者の立場として、公式大会の開催は、私たち指導者には難しいこと。ですが、交流のある学校とも連携して、何とか試合をさせて終わらせてあげることはできるはず。指導者としてやれることを、しっかりやっていく。









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