TRPG ダブルクロス The 3rd Edition「陰日向」その11
この小説は、掲載不許可が発行した「初海乃書」に掲載されている「TRPG ダブルクロス The 3rd Edeition 陰日向」を、以前プレイさせていただいた経験を元に製作されています。
「陰日向」というシナリオ作者のきなり様には許可をいただいきました。
また、掲載不許可所属、サリ様にも協力していただきました。
とても感謝しております。
つたない文章力ではありますが、お楽しみいただきましたら、とても嬉しいです。
尚、ダブルクロスというTRPGを知っているという上で書かせていただきますので、わからない用語などあるかもしれません。少しは説明を入れる予定ですが、進行上省かせていただくこともございますので、ご了承くださいませ。
それでは、前回の続きから。
「着いたよー!」
私は一番に店内に入り、4人席を確保した。
お店の名前は「行け!行け!カレー」結構おいしい有名なカレー屋さん。
檜山さんは「先に何か頼んで、食べてていいからね。」と言い残し、トイレへと向かい、私たちは、何がいいかなー?とメニューを開く。
「あ、僕、バターチキンカレー!」はしゃぐように佐野さんが注文。
「私は、キーマカレー!」と私が注文。
朝比奈さんは、ほうれん草カレーを注文した。
檜山さんが戻ってこないうちに、3人のカレーが届いた。
「ここのカレーおいしい!ちょっと辛いけど。汗でちゃう。はむはむ。」私、カレーの中で一番キーマカレーが好きなんだ。
「あ、ほんとだ、バターチキンおいしい。」佐野さんが無邪気に食べている。
「ほんとですね、ほうれん草カレーもなかなかですよ。」朝比奈さんは、おしとやかな感じで食べている。
「今日ね、今日ね、技の練習したんだよー!」佐野さんと訓練所に行ったことを話した。
「でね、うちのお兄ちゃんがさー、アニメ好きで、よく訓練のシーン見てた。お父さんのお仕事で殺陣のシーンとか見たことあって、それをイメージしたら、うまくいったんだよー。」なんだか嬉しかったんだよね、うまくいって。
「じゃあ、日本刀で戦うってことかな?」朝比奈さんの感が冴える。
「うん!そう!」この時、よくわかったなぁ、凄いな朝比奈さんって思った。
「初めてできてさ、ちゃんと名前もあるんだよー。」
「凄い!教えて?」
「えっとねー。慙四季菫って言うのー。えへへー。」
「はあぁ。やっぱネーミングセンスがあるのっていいなぁ。」朝比奈さんはちょっと上のほうを見て、考え事をしたみたい。
「そういえば、朝比奈さん。さっきのノートなんだけど・・・。」
「うっ!げほっごほっ!」
「どうしたの?」
「カ、カレーがね、喉に・・・詰まったの。」
「大変!お水!」
「んっ、んっ、はぁ。」
「落ち着いた?」
「うん、ありがとう。あれはね、ただ単に・・・。私、ノイマンっていう能力を持っているんだけど、ちょー頭が良すぎて、たまにテトリスのソースコードをノートに書きたくなったりするの。」
「そーすこーど?私、カレーにはソース入れない派だよ!」
「ちがーう!」
「んーと、ソースコードっていうのはね、こーであーで。」
「わかんない、難しい、あたまいたい。うふふ。」
そんなやりとりの中、
「おまたせ」
ようやく檜山さんが戻ってきた。
「檜山さんは、何食べるの?」と私が問いかける。
「僕は、甘口で。」
「みんなはね、キーマカレーと、バターチキンと、ほうれん草だよ。」
「んー、じゃあ僕は、シーフードカレー甘口で。」檜山さんが注文する。
私はラッシーも追加で注文した。
「僕はマンゴーラッシーを。」檜山さんも追加注文。
「あ、それ私も。」朝比奈さんが注文。
「あと、そうですね、このタンドリーチキンとサグチキンと・・・あ。いいや、ここセットでください。あとー、こっちカレーも。」
「え?檜山さん、そんなに食べるの!?」私は驚いた。
普通に「え?食べるよ。」と返されたので、感心してしまった。
「そんなに食べるのに、その体型・・・。」朝比奈さんが小さな声でつぶやく。
キョトンとしている檜山さん。
「あ!そうだ!これ、ナナちゃんに渡しておくね!」話をそらすために、朝比奈さんが私に、何かをくれた。
「それ解毒剤!これから先、もしも毒を使う敵に会って、ナナちゃんが苦しくなったら、それ使ってね。」
「今、飲むの?」
「今はダメ!毒になっちゃったら、使ってね。」
「喉かわいちゃって・・・。」
「おまたせしましたー。」
ラッシーと檜山さんの注文が届く。
私たちのテーブルは、ほとんどを檜山さんの注文で埋め尽くされた。
店員さんも、ちょっと重たかったみたい。
「いただきます。」檜山さんの一言で、私たちも「いただきーます」とユニ損をする。
ピンポーン!おもむろに檜山さんが店員さんを呼び「あ、もう一つカレーください。」
「まだ食べるの!?」私は、ビックリした!
次回へ続く。