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ピンクハウスを試着した話(後編)

先日のぽたまるさん、アヅマさんともかわいい試着旅を経て、
明らかに自分の中で何かが変わった。
言うなればピンクハウス前(BP)、ピンクハウス後(AP)である。

最近、自問自答を通して母と向き合っているな、と明確に感じている。

義実家に敷地内同居し、それまでしていた仕事を辞め、義実家の店を手伝いながら3人の子供を育てた母。
怒ってばかりで、けれどもいつもどこか自信がなさそうな母。
家事は母、宿題を見てくれるのも母、学校行事に出るのも母。
店に出れば商品の案内も母の方が上手。
なのに周りは商店街の皆はいつも父、父、という。
町内会ごとのムラ意識なのか?
母だって数百メートル先の実家(これまた店)の出なのに。

裕福な家庭で育ち、父と遜色のない教育を受け、しっかり職を得たのに、結婚したらこの仕打ち。
しかも義実家は四六時中訪ねてくるし生活音はほぼ突き抜け(だって一緒にお店やってるし敷地内同居だし)。

私だったら絶対無理。

母は私達を産んで幸せだったのだろうか。
私のこと、ちゃんと可愛いと思ってた?

そんなことを時々ふと思いながら過ごしてきたけど。
ピンクハウスを試着して気づいてしまった。

母に着せてもらった、近所の洋裁屋で仕立ててもらったピンクハウスのような可愛い服たちは
あなたは最高に可愛いんだよ。
あなたはその服を着てこの世界から羽ばたいていきなさい。

の表れだったんじゃないか。

ヨウジヤマモトもコムデギャルソンも、
エンフォルドもUN3Dも、
マルジェラだってCFCLだって、
今までで着た幾枚のモードブランドの服の中で、
ピンクハウスのお洋服が一番、私にとっては反骨だった。

私のことを見て!
私、とってもかわいいんだよ!
私、本当はなんだってできるんだよ!
辛く苦しくどうにもならない毎日だけど、
このお洋服を着て、強く、かわいく、ご機嫌に、
前を向いて生きていく。

そうかそうか。
あのお洋服は、母から受けた愛とエールと、
そして反骨心だったんだ。


ピンクハウス、本当に試着してみてよかった。
自分の中の何かをやっと見つけることができた。

現時点でピンクハウスを日常的に着るようになるかと聞かれると答えはNOだ。
けど、一つだけ言えることとしては
私、かわいくなりたい

今まで心の中にずっとあった”かわいくなりたい”気持ち。
自分とは一番かけ離れていると思っていた”かわいい”要素。
そんなことを思っては恥ずかしい、
”かっこいい”要素の強い私には触ることすら許されないと思っていた”かわいい”概念。
けどそんな私でも、思っていいんだよね。かわいくなりたいって。
そしてそれを持ったままで、過ごしていいんだね。

少しずつ何かが変わっていく予感。
春が楽しみです。


(後日談というどうでもいい話)
最近実家に帰り、母と歩いていたところ、
「駅前にできたマンションを一人で見に行ったのよ。」と言っていて笑った。母もあの家から離れたいと少しでも思うのだなぁ(そりゃそうだ)。一番小さい部屋でも3000万したというから驚き。

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