ありがとうを言わないと後悔する話
「君の膵臓を食べたい」若者の恋愛話だと思っていたから読むつもりも無かったが、時間があるので読む事にした。予想以上に良かったので読んでみて良かった。
昔から
病気とか事故とか この手の小説を読むのは嫌いだった。
昔を思い出すから…
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小学4年生
グループを作り『親友』などに憧れる年頃だった。
私は唯一きらいな娘がいた。
隣に住む幼馴染のKちゃんと仲良くしだしたBちゃんだ。Kちゃんとは登下校も一緒、休みの日も遊んでいたから私の1番の親友だと思ってたのに… Bちゃんと仲良くしだしたからだ。
親友は1人だと思い込んでいたから、BちゃんにKちゃんを取られたと感じたから…運動神経もよくお金持ちのBちゃんが嫌いだった。
嫌いだったけど皆でBちゃんの家に行き遊んだりした。
でも、クラスメイトくらいの距離感を持ち接した……ただのつまらないヤキモチ。私は仲良くならないオーラを出していた…
そんなある日
Kちゃんと遊ぶ約束をしていたから家に行く時、Kちゃん家からBちゃんが走って出てきた。「 あ…」といやな顔でBちゃんを見た。Bちゃんとすれ違う時、一瞬目が合った。Bちゃんは少し罰が悪そうな横顔で何も言わず走り去って行った。
Kちゃんの家に入ると、小さな紙袋を渡された。Bちゃんからだった。明日はバレンタイン、友チョコだった… 。何で私にくれるんだろうと不思議だった。わたしはきらいなのに… 明後日、学校でお礼言えばいいか…と思ってた。
月曜日…Kちゃんは休んでいた
学校へ行くと全校集会で校長先生が言った。
「 残念なお知らせがあります… Bさんが昨日、交通事故で亡くなりました」
「………ぇ??」
校長先生の声が遠くから聞こえた。
全校生徒に1ダース鉛筆を配られた… 孫の為にと貯めていたお金で買った鉛筆だった。祖母からだったと…後から聞いた。
私が後から知ったのは… KちゃんとBちゃんが2人で校区外の文具店に行った帰りに事故にあったと。文具店…心臓がドクンと鳴った。来週、私は仲良しの友達と誕生日会をする予定だった。Bちゃんは呼んでない。その頃の誕生日のプレゼントは決まって文具品だった。
もしかして…
私に内緒でKちゃんはBちゃんと出掛けたのは私の誕生日プレゼントを買うためだったと思う。その帰りに事故にあったんだと思う。
私はBちゃんが亡くなったと知っても泣かなかった。
だって友達じゃないもん… と心の奥で思ってたから。
でも…
もし最後に会った時、すぐにお礼言えば…何か変わっていたかもしれない。もし、私が誕生日会をしなかったら…あの日2人は文具店に行かなかったかもしれない。事故にも合わなかった…かもしれない。もし…
小学生の私が経験するには余りにも重すぎた。
が…一緒にいたKちゃんの方がもっと… と思うと誰にも言えなかった。Kちゃんと中学卒業まで一緒だったけど、1度もBちゃんの話はしていない。
卒業写真に笑顔で写っていたBちゃんを見て、一生言えない想いを抱えながら数十年経っているが 小学生の女の子が走る足音を聞くと今でも思い出す、Bちゃんの走り去る姿と足音と、ありがとうを言えなかった後悔を。
それから… 人を嫌いだと思わない様にした。苦手…というグレーゾーンを広げた。つまらない嫉妬心や親友、好き嫌いそんな感情は要らないと小学生の時に思ってしまった。曖昧がいい、嫌いな人はいないとこたえる、偽善者だと思われても、、、
ありがとうの言葉は その日、その時に言った方がいい
誰もに 明日が必ず来る訳じゃないんだから。
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ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ