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『Web3とDAO』はWeb3的な思考をインストールするための最適な本

結論から言うと、『Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」』は、「Web3って何?」「Web3について調べなくては!」という人に、まず最初におすすめしたい入門書として最適な本だ。

世の中には様々なブロックチェーン関連本が出てきている。また、ここ最近では、Web3やメタバースに焦点を当てた本も増えてきた。そのような中で本書が優れているのは、最初の土台となる「Web3的な思考」を事細かに教えてくれることにあると思う。

例えば、以下の記述は、非常に分かりやすくWeb3の本質を捉えている。

Web3時代では、まさに水道管のように、世界の公共財を作ることが目的となるのだ。(中略)ビットコインを「通貨」と捉えるか、「資産」と捉えるか、「社会のインフラ」と捉えるか、それはあなた次第だ。

Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」 P.208

今、世界中の各Web3プロジェクトが行っていることは、まさに、あらゆる社会システムを、プログラマブルであるコード群に、プロトコル層から置き換え直していっていると言っても過言ではない。

Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」 P.212

「Web3」と言った時に、どうしてもその手段の1つであるトークン及びその価格に目が行きがちではある。ただ、本質はそこではなく、トークンを媒介として、個々人がオーナーシップを持ち、共にコミュニティ・プロトコルを創っていくという構造自体の変化にある。

話を戻すと、Web3という概念は、なかなかこれまでWeb3的なインターネットの世界でビジネス経験を積んできた人からすると、理解しがたいものがあるはずだ。自分も完全に理解し実践できているかというと、100%イエスとは言えない気がする。

Web3的な思考を身につけるためには、著者の言葉を借りると、Web2.0でビジネスをしてきた人たちは、これまでの考え方を「アンラーン」していく必要がある。まさにその用途において、本書は最適である。言い換えると「Web2.0の思考をアンラーンし、Web3の思考をインストールする」という用途において、まさにこの本は最適だと思う。

また、付け加えるならば、「DAO」についてここまで詳しく説明している書籍はおそらくない。Web3については、國光さんの「メタバースとWeb3」も良書だが、「DAO」についてはメインテーマとしては触れていなかったはず(少し前に読んだので記憶は曖昧ですが)。

そのような意味で、「DAOについて詳しく知りたい」という人には、特におすすめしたい。是非お手にとってみてください。

さいごに、本書は、ベイエリア留学時代に出会い、その後シェアハウスで2年間ほど一緒に過ごした10年来の友人 @tolehico の処女作ということで、簡単ではありますが、書評を書いてみました。

Web3領域で事業作りをする一人として、次回作があるのであれば、その時には我々も取り上げて頂けるくらいにグローバルで大きな存在になっていられるよう頑張ってまいります。

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