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2000年2月29日に秘められた、うるう年の規則

元塾講師がお送りする「大人の雑学シリーズ」

今回は暦の美しい規則についてお送りいたします。

うるう年といえば、4年に一度(オリンピックイヤーですね)、2月29日がある年のことですが、2000年(シドニーオリンピックの年ですね)はちょっと特殊なうるう年であったことをご存知でしょうか。

2000年(平成12年)2月29日(火)といえば、いつも通り4年に一度のうるう年なので他の年よりも1日多い日ね、と普通に思いますよね。カレンダーを見ても、確かに29日があります。

↓ 2000年カレンダー 出典:便利.com

2000年カレンダー

しかし、実はこの日・・・

【400年に一度しか来ないとんでもない日だった】

と知っていた方はどれだけいるでしょうか。

・・・

では、この日に秘められた、うるう年の規則についてお伝えしていきたいと思います。

グレゴリオ暦とは

現在日本で使われているのは「グレゴリオ暦」という暦です。うるう年のルールはこの「グレゴリオ暦」によって定められています。

日本を含め、世界のほとんどの国で使われている「グレゴリオ暦」は、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって制定された暦です。日本では1872年から1873年に変わるときに導入されました。

私たちは普段なにげなく「1日は24時間」とか「1年は365日」などと言いますが、実は1年はピッタリ365日ではありません。

1年の長さと、時間の「ズレ」

1年の長さは・・・

365.2422日(365日5時間48分46秒)(出典:セイコーミュージアム銀座

であると言われています。

つまり単純に1年を365日とすると、1年に「0.2422日」ずつズレてしまうので、どこかでそのズレを調整する必要があるわけです。

この「0.2422日」を4回分集めると約1日になるので、4年に一度、1日増やすことでズレを解消することを考えました。

それが、うるう年です。

うるう年のルール

【ルール1】西暦が4の倍数の年をうるう年として1日増やす。

これを4年に1回を続けていくと、100年で25回になります。そうすると、100年で25日増やすことになるわけですが、実際にズレるのは

0.2422×100=24.22(日)

25日増やしたら増やし過ぎになってしまいます。

なので、とりあえず100年で24回うるう年があればよいことにして、

100年に一度、うるう年がない年を作ることにしました。

【ルール2】西暦が100の倍数の年を平年(うるう年でない)とする。

100年で24日増やしたら「0.22日」のズレになるので、

同じルールを400年続けると上の数の4倍で「0.88日」ズレることになります。

こうやってまたちょっとずつズレてきてしまうので、0.88日を約1日と考えて、

400年に一度うるう年を復活させ、1日増やすことにしました。

【ルール3】西暦が400の倍数の年を改めてうるう年として1日増やす。

このようにすると、400年間に起こる時間のズレは、0.12日(2時間52分48秒)なので、私たちが生きている間は、ほとんど気にしなくていいレベルになります。

これがグレゴリオ暦で定められた、うるう年のルールです。

まとめると、400年のうちに97回うるう年を作ればいいという計算になります。回数を計算する式は以下の通りです。

24×4+1=97

2000年2月29日とは・・・

このルールに従うと2000年は、

①西暦が4の倍数の年なので、普通に考えればうるう年ですが・・・

②西暦が100の倍数の年なので、うるう年にするのをやっぱりやめようと思うのですが・・・

③西暦が400の倍数の年なので、やっぱりうるう年にする!

という、400年に一度の「うるう年が復活した年」ということになります。

つまり、2000年2月29日に生まれた方がいれば、400年に一度の「超激レアさん」ということになります。

ちなみに、以上のルールで考えると、

2100年、2200年、2300年はうるう年ではありません。カレンダーを見ると、確かに29日がありません。

↓ (例)2100年カレンダー 出典:便利.com

2100年カレンダー

そして、2400年はうるう年になります。

↓ 2400年カレンダー 出典:ちょっと便利帳

2400年カレンダー

次の超激レアさんに出会うためには、あと三百何十年も待たないといけません。

あっ、2400年2月29日は、また火曜日ですね!


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