その名言は誰の視点であるか?を意識したことがあるだろうか

プロジェクトマネジメントやチーム・組織づくりを生業にしていることもあり、どうやったらより良く働く環境を作ることができるか?に非常に大きな興味がある。

そんな興味を持っている私に引っかかるタイトルの本が、とある早稲田の本屋で入り口の良い場所にドカッと平積みにされていた。川崎昌平著「労働者のための漫画の描き方教室」である。超分厚い本だが手に取って読み始めてしまうとグイグイと読めてしまっている。
そのなかで人生のおもしろさをあげる秘訣が以下のように書いてあった。

おもしろさとは純然とそこにあるのではなく、読書であるあなたや私が、個々の内部でおもしろさを上昇させる思考力を育てることで手に入るもの

これは現代アート関係者や、編集者などと会話していると、よく気づかされることである。これが嫌い、このひと好きじゃない、とか言っている自分の目線の狭さに辟易する瞬間である。何でもよいところを見つけられる人間になりたい。

とはおもうものの、改めてこの文章を読み返してみると、読み手としては重要な目線ではあるが、これを書き手が言っちゃったらよくないことだなと感じた。

「お客様は神様です」と売り手がいうことは姿勢としてよいが、これを言う買い手にはならないようにしよう、と常々おもっていたこともあり、世の中の名言というものが【誰の視点で書かれているものか】を意識することが重要であることに気づかされた。

このエントリーを書きながら、舘鼻則孝「Beyond the Vanishing Point」の展示が、世界中の絵画における消失点はそもそも誰の目線なのか?という疑問から始まっていることは非常に興味深いものだったことを思い出した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?