第3回 NFT総合シンポジウム考察<NFTの未来はDAOにあり>
7月に第2回NFT総合シンポジウムが実施されました。その際「3か月前に実施された第1回から、更にNFT市況は悪化し、氷河期突入の様相を呈している中での開催となりました」という書き出しで記事を書きました。
第3回が実施された今回、状況は変わっていません。NFTの市場からはどんどん人が去り、取引もまばら。市況が活況な頃は「ガチホ推奨」と言われ、リスト率が低い(2%以下)プロジェクトが有望と言われていました。現在は、ほぼすべてのプロジェクトが2%以下を実現。なぜならリストしても需要が弱く売れないから、それすら諦めているという皮肉な状況。
そんな中でもNFTシンポジウムは活況を呈しています。こんさんを筆頭とした主催者の皆様、本当にお疲れ様です。
全体的な傾向として、NFT販売プロジェクトの紹介が減り、コミュニティーに集まったメンバーで新たな事業にピボットするという話が目立ちました。前回から、その傾向は見られましたが、今回はさらにその印象を強く感じました。
座長であるこんさんの発表は「デジタルとリアルをつなぐ Web3コミュニティの新しい形」。Web3と共に誕生したデジタルコミュニティーはヒエラルキーや国境を取り払い、新しい社会の形を実現しつつあるという内容。
りこさん(LLAC)は「自分の強みをDAOで活かす3つのS」と題し、新しい分散型コミュニティー時代における活躍の仕方を提示くださいました。
3つのSとは、
Skill
Support
Satisfaction
スキルのパートで「必ずしも誰もが認める突出したスキルが必要な訳ではない。あなたの当たり前が他人にとってかけがえのないものになる」というメッセージが心に響きました。
従来の会社組織の中では自己肯定感が低く、くすぶっていた人が、一転、Web3コミュニティーで大活躍。という事例を私自身、多数、目にして来ました。
一方、こうしたフラットな分散型コミュニティーならではのお作法があり、これができないとうまく行かないという話。様々な人から似た内容が発信されていますが、りこさんが最もシャープに言語化されていたと感じました。
■信頼を得るには時間とギブの気持ちが必要
コミュニティーの役に立つことを率先してやる
報酬ありきで考えない、信頼ありき
嘘をつかない、人を傷つけない、リスペクトの気持ちを忘れない
DAO活の具体的な実践事例を紹介くださったのが、はなみ子さん。ひと妻DAOメンバー有志でチームを結成し、営業・広報・マーケティング・収支計画等、未経験の分野に挑んでいったという物語。
やる気と行動力があれば、コミュニティーメンバーの支援を受けつつ、未経験の分野にも挑戦ができるという、希望に満ちた内容。
がらしゃちゃんのイラストは本当にかわいらしく、私も個人的に応援しています。特にLINEスタンプはお薦めです。
ひと妻DAO代表のこばやしさんからは「DAO活の未来と、社会実装までの道のり」。DAOを母体とした企業との共創事業の取り組み紹介。現在、住友商事もサポートしているナミエシンカのインキュベーションプログラムに採択され、絶賛、事業計画をブラッシュアップ中。
本件、私もプロデューサーとしてがっつり関わっていますが、日々、インキュベーションプログラムのメンター陣から厳しい指摘を受け、生みの苦しみを味わっています。今回のプレゼンは、あくまで途中経過なので、乞うご期待ください。
ナミエシンカのインキュベーションプログラムについては、こちらをご参照ください。
メタグリ研究所の農情人さんからは、「コミュニティで育てるweb3人財」と題して、トレーニー受け入れの実例のご紹介がありました。これも、ひとつの対企業マネタイズ案件として可能性を感じています。
メタグリ研究所の活動概要は、こちらにまとめていますので、ご興味のある方はご覧ください。
最後にご紹介したいのが、たーなーさん(あるやうむ)の発表。「Web3で働くとは?NFTスタートアップで学んだ仕事のDX化」と題して、ディスコードとNotionを基盤に完全フルリモートを実現している同社の働き方を紹介。
当たり前ですが、分散型組織でフルリモート勤務を実現するにはテクノロジーやインフラの発展が欠かせません。
以上、私の興味関心を中心にレビューさせて頂きました。
<追記>
今朝、私の大好きなPajiさんのポエムシリーズで、「まさに、そうだよね~」という考察が流れてきたのでご紹介します。
いつもお読み頂きありがとうございます。サポート励みになります。皆さまとの交流をどんどん広げていければと思います。