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ボイスレコーダーの活用アプローチ: 思考発話法とプレゼン稽古

こんにちは、キン担ラボの本橋です。

このnoteもボイスレコーダーで下書きしました

ここ最近のnoteでは、ボイスレコーダーを使ってあれこれ考えをまとめて、その音声文字起こしをChatGPTに読み込ませる使い方を紹介してきました。

そんな折に「ボイスレコーダーを前にしても一人でそんなに喋って吹き込むことができない」とチームメンバーに言われました。

言われてみれば練習が必要かも知れないと思い、僕なりの練習方法を書いてみたいと思います。

トピックは『思考発話法』と『プレゼン練習』です。

思考発話法で声に出す練習

23歳くらいのときのお話です。認知科学の研究室に所属していた僕は、被験者実験をするぞ、ということになって実験協力ボランティアを募集して、実験を設計する段階で思考発話法のことを知りました。

思考発話法は頭の中で考えていることを口に出す技術です。例えばアプリのユーザーテストなんかで、操作中に直面した問題点を口に出してもらって、ユーザーの直感的な反応や改善点を特定していきます。

この思考発話法がボイスレコーダーに吹き込むヒントになりそうです。

口に出す技術と言ったように、「では考えていることを話しながら操作してください」とお願いすればできるといった類の行動では無いですね。被験者にも練習していただく必要がありました。

思考発話法の練習とボイスレコーダー

練習では用意したシナリオ通りに操作しながら口に出すとか、ビデオカメラなどの機械を操作しながら手順を一つ一つ口に出してもらうなど、実験と関連した行動をしながら声に出す何かしらの練習が必要でした。実験本番では、その行動をビデオカメラで録画したり、ボイスレコーダーで録音したりして収録しました。

今回は思考発話法まで行かなくともボイスレコーダーに吹き込むことが目的です。ましてやあとからChatGPTに整形させる前提です。練習方法もだいぶシンプルで良いと思います。例えば本を音読するだけでもよいでしょう。

小学校の国語の授業以外では音読なんてあんまりやりませんよね。文章を声に出す練習をして、「黙読」と「音読」の体験の違いを意識しながら発声に慣れてみてください。

余談:おれは鉄平

完全に余談なんですが、ちばてつやの「おれは鉄平」にこんな大ゴマがありました。(最近Twitterで流れてきて思い出しました)

黙読のできない鉄平が、静かにしていないといけない試験会場で問題を理解するために道具を自作したシーンです。

こちらで読めます。

余談でした。

プレゼンの極意

続いて「頭にある考えを声に出す」練習についてです。

先程の思考発話法の話から少し遡って、二十歳のときのことです。このときは光化学の研究室に所属していました。

初めての学会発表に挑むことになり、人前で発表することなんて未経験だった僕は想像しただけでガチゴチに緊張してしまいそうで、研究室のボスに『人前で緊張しないで話すコツはありますか?』と質問したところ返ってきた答えがこちら。

簡単だよ、500回練習すればいい

効果絶大!五百稽古!!

そういうもんかと素直に受け取って100回くらい練習してみたらこれが効果絶大、200回も練習するうちにすべてのシナリオは頭の中に入り、300回ほど繰り返したあとでは緊張なんて全く感じずに発表をこなせるようになっていました。

学会発表でしたので、与えられた時間は確か1回7分とか8分とか、もっと短かったかな、今で言うとライトニングトークみたいなものかと思います。そういう短いプレゼンの練習を何回も繰り返していました。

繰り返すうちに自分にとっての「話す」行動が変化していきました。

頭の中の文章を読む練習

プレゼン練習をしているときの自分の状態と、ボイスレコーダーに声を吹き込んでいる自分の状態が似ているな、という感覚があります。ということで僕のプレゼン練習方法について書いてみます。

プレゼンの練習では、無人の部屋で壁に向かって話す練習法を僕は採用しています。

スライドを1枚1枚めくりながら壁に向かって声に出していると、不思議なもので黙読よりも客観的に理解できます。

自分で出した声を自分でも聞くことになるためか、「今のセリフは飛躍が大きいぞ」とか「言っていることがチグハグだぞ」とか、黙読していたときには気づかなかったアラが気になり始めます。

真っ暗な部屋で喋り続ける練習

余談ですが当時のプレゼンはOHP(Over Head Projector)と言って、コピー機を使って透明なシートにスライドを印刷して、そこに光を透過させて壁に映し出すスタイルが一般的でした。

いまでもプロジェクターを使用する際は部屋の電気を消しますが、OHPを使っていたときはお互いの顔も見えない暗さが求められました。遮光カーテンを使って映画館のように真っ暗にしていた覚えがあります。

真っ暗な部屋で何回も何回も繰り返して練習しているとすぐに丸暗記してしまいます。するとスライドを見ずとも話せるようになります。頭の中に台本が全て入ってしまっている状態です。

まさに「体で覚えて」いるので、文字を読まず、スライドも見ることなく、頭を使わずに声に出すことができます。こうなるとさらなる客観視ができるようになり、プレゼンがどんどん洗練されていき自分でも楽しくなっていきます。ハイになってます。

行動と思考の分離

やがて行動と思考が自分の中で別れていきます。身振り手振りをあわせてペラペラ喋りながら、頭の中では他のことを考えていられます。

ここまで来ると頭の中にある本を音読している自分が別にいて、それを客観的に眺めているような感覚になっています。

話が長くなりましたが、ボイスレコーダーに吹き込んでいるときの自分の状態はこのプレゼン練習をしているときに似ています。特に後半、頭の中にある台本を読んでいる感覚が、自分の思考をボイスレコーダーに向かって読み上げる感覚と同じです。

まとめ

以下の2つの練習でボイスレコーダーが活用できるようになるかも、というお話でした。

  • 声に出す練習

  • 頭の中を読む練習

最後にこういう事言うのもあれですが、練習なんかしなくともボイスレコーダーに吹き込んでいればできるようになっていく気もしますね。

それでは、良いボイスレコーダーライフを!

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