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上井草「カリーナ」のサンドイッチ

かつてはどこの町にもあった、アンパンやカレーパン、サンドイッチが並んでいる町のパン屋さんの魅力に、ある日、突然ハマってしまった。

きっかけはコロナだ。もともとは立ち食いそばの記事を書いていて、そばばかり食べ歩いていたのだが、コロナのせいで取材がストップ。本業がリモートワークでも支障がないニュースサイトの編集ということもあり、家に引きこもるようになってしまった。

しばらくは家でそばを作って食べていたのだが、たまには違うものをと考えて思いついたのが、自宅近く、上井草にある「カリーナ」というサンドイッチの店。自分が高校の頃からあったからかなり古い店なんだけど、昼過ぎに前を通ると、たいてい売り切れじまいになっている。どうやら人気の店なのだ。

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自宅で仕事をしているんだから、好きなときに買いに行ける。近所だし、たまにはサンドイッチでも食べるかと思い、買ってきて食べたところ、これがうまいのだ。

たまごサンドのたまごはフワフワでボリューミー。しっとりしたパンと、めちゃくちゃ合う。「おいしいたまごサンド」をしっかりイメージして作られたのが、はっきりと分かる。

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メニューは豊富で、ハムカツサンドなんて、オヤジ殺しなのがあれば、あんことカスタードのダブルがあったり。なんだかどれも、うまさに気が利いているのだ。調べてみると、店の創業は1986年。朝から学生や勤め人や近隣の人たちが次々に訪れる、上井草が誇る名店だった。不勉強を恥じた。こんないいものが、こんな近くにあったなんて……。

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すっかりうれしくなって自宅昼飯のサンドイッチ率が高くなったのだが、そんなときに知り合いの編集者から、メールが届いた。なんと、立ち食いそばの記事ばかり書いている自分に、パンのコラムを書いてほしいというのだ。

だいぶ戸惑ったのだが、聞けばそのコラムはパンの専門家ではない人が書くリレー連載で、立ち食いそばとパンを絡めてもかまわない、むしろ、そういう内容のほうがいいと言う。それならばと、「カリーナ」のサンドイッチと立ち食いそばを少々、強引に絡めて書いたところ、これがまた次のアクションを生んだ。私が書いた雑誌は『B&C』という製パン製菓の業界誌だったのだが、外部からの目線が気に入っていただけたようで、「なにか書きませんか」と言ってもらえたのだ!

「カリーナ」から始まった、町パンの旅。なんとなく次に続きます

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