見出し画像

「木を植えた男」を読んでみた

MJrさんが紹介してくださったジャン・ジオノ作「木を植えた男」を買ったので、読んでみた。

その文章の中の言葉がひとつひとつ輝き、とても素晴らしいので紹介したい。


“男はほとんど口をきかなかった。ー孤独な人とはそうしたもの。それでかえって、その存在を、つよく人々に植えつけるものだ”


女達はお互いへの恨みのスープを、ぐっつぐっつと煮えたぎらせて、どんな事にもめらめらと競争心の火を燃やす“


“彼はカシワの木を植えていた。「あなたの土地ですか?」と聞くと、「いいや、違う」と彼は答えた。「誰のものだか知らないが、そんなことはどうでもいいさ」”


“戦争という、とほうもない破壊をもたらす人間が、ほかの場所ではこんなにも、神のみわざにも等しい偉業を成し遂げることができるとは”


“どんな大成功のかげにも、逆境にうちかつ苦労があり、どんなに激しい情熱を傾けようと、勝利を確実にするためにはときに、絶望と戦わなくてはならぬことを”


“この類まれな不屈の精神を思うとき、それがまったくの孤独のなかできたえられたのだということを、けっして忘れてはならない”


“かつての村人達に比べたら、見違えるほど和やかな心で人々は生活を楽しんでいる”


“たった一人の男が、その肉体と精神をぎりぎりに切り詰め、荒れ果てた地を、幸いの地としてよみがえらせたことを思うとき、わたしはやはり、人間の素晴らしさをたたえずにはいられない”


MJrさん、素晴らしい書籍を紹介してくださり、ありがとうございます。胸に響きました。