パパ、マスクつけるのやめて!

我が子がこの頃本当に、本当にマスクを嫌がっている。保育園のお友達や先生がマスクをつけてるのをやめるようにくってかかるし、そのせいで1人のお友達に、おまえだけ家に遊びに来るなと言われたらしい。

子は、今のおかしな状況を飲み込めないのだ。私がノーマスクであちこち行くのに(重症なコロナ脳な保育園と小児科以外)、旦那はマスクを外さない。そんな、足並みバラバラな両親に挟まれていたら、疑問に思うのも当然だろう。

「パパ、マスクつけるのやめて!」
今日、とある飲食店で食事が終わったとき、子が大声で言った。
「ねえ、ママも言って!マスクなんて必要ないよ」
私はもう旦那に今更言う必要もないと思っているので言いたくない。けど、まだ未就学児の、純粋無垢な子の氣持ちを思うと言わないわけにはいかなかった。
「マスクなんか必要ないよ」
私は旦那の顔をまっすぐ見て、静かに言った。
「必要です」
旦那は目を伏せて、事務的な声で言った。完全に平行線である。
「あのね、ママもね、マスクなんか要らないと思ってるよ。でもねえ、パパは要るんだって。コロナのどこが怖いのかなあ。もう、ほっとこうよ」
私は捨て鉢になって、子に言った。

嗚呼、こんな会話したくないなあ。旦那は、私よりテレビの方を信じると言い切った男なんだから、私なんか捨てて、テレビと結婚すればいいのになあ。

そう心の中で呟きながら、私は悲しくなって、小さく傷ついた。テレビより私のことを信じてくれたら、まだ旦那ことを愛せるのに、なんで愛し続けようとする意志を削いでくるんだろう。なんで失望させようとするんだろう。なんで私は、世の中のおかしさを訴える未就学児を力強く応援してやれず、「ほっとこうよ」としか言えないんだろう。

「昨日、わんこさん達に会った時は、みんなマスクつけてなかったよ!」
子はさらに旦那に向かってはっきり言った。オフ会ではわんこ番長をはじめ、あきぼう姉やんも、のとにゃんも、誰もマスクしていなかったのが子は嬉しかったのだ。おそらく、ホッとするんだと思う。一方で、往復の電車の中で誰もがマスクをつけていることを、心から嫌がっていた。

旦那はきっとこう思ったんだろう。私がこの一年間、かつての友達と付き合わず、反コロ反ワクチンの連中と付き合いだしたんだな、って。そこに我が子を巻き込んでるんだな、って。そう、顔に書いてある。

子よ、どうかあなたがこの先、必要以上に傷つきませんように。悲しみませんように。落胆しても、失望しても、ママが護ってあげるからね。いつだって、あなたの矢面に立つからね。抱きしめてあげるし、手を握っててあげるからね。本当はパパも一緒に護る側に入って欲しいんだけど、それはママの能力では無理だったんだ。力及ばずでごめんね。時々、腕が痒くなったり、頭が痛くなったりする環境で、ごめんね。

でもね、ママは粘り強いから、諦めないよ。こんな世界に、こんな時代なんかに、負けないよ。あなたという宝物が笑顔で暮らせる時間を1秒でも増やせるように、命を燃やすよ。だから、ママを信じてください。そして、自分のことを信じてください。胸に手を当てて、愛で満たしてあげてください。あなたはママに似て根性あるよ。

パパのことは、どうか嫌いにはならないであげてください。パパはパパなりに、声を荒げたいのを必死で抑えて、あたおかなママと、そのママに洗脳された哀れなあなたと、平和に、無難に暮らしたいって願ってるんだから。悪意は、ないんだよ。

パパとの寝る前のキスと、いってらっしゃいのキスはやめないでください。パパはあなたを愛しているし、あなたもパパを愛しているんだから。