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10/29(金)千葉旅行前日

旦那がワクチン2回目を接種する。それは予め分かっていたことだから、私は予定していたことを実行した。

この日はいつもより早く、保育園へ子を迎えに行き、夕食も入浴も前倒しにした。なのに、旦那は予想以上に早く帰るコール(メール)してきた。慌ててドライヤーをかけ、歯磨きをして、子を2階の寝室に連れて行った。

いつもより2時間も早く寝室に閉じ込められて、子はなかなか寝ない。やがて旦那が帰宅した。即死は免れたらしく、階下で物音がする。子は旦那に会いたがったけど、早く布団に入ってネンネしないと明日、旅行にいけないよと言った。寝つくまで絵本を読んだり子守唄を歌ったり、結局は2時間半はかかったが、初日のシェディングは回避できた。

私は翌朝5時半に起きてトイレを済まし、洗面所で化粧した。それからまた2階に上がる。旦那は自室でいびきをかいて寝ている。まだ生きているようだ。私は子の寝てる寝室に行く。寝室には旅行用のバッグとリュック、ウエストポーチ、さらに着る服を準備していた。さあ、旦那が起きる前に出かけよう。

静かに子を起こした。大声で喋り出したので、シーッと人差し指を立てて黙らせた。静かに用意して出かけるよ、そうすれば早くわんこさんに会えるよと言うと、素直な我が子はにっこりして、黙って服を着替える。すべて身支度が終わり、ダイニングテーブルに置き手紙をして、玄関を閉めた。

大荷物をしょって、子の手を引いて、バス停まで歩く。まるで夜逃げだ。旦那への手紙の内容は大体こんな感じだ。

『口論になりたくないから手紙を書いた。私達は月曜に帰る。発熱した時のための薬は買ってある。お粥とスポーツドリンクは食料庫にある。現金も置いていく。』

・・・

ワクチンを打つなら、わんこ番長と旅行に行くと、私が旦那に言ったのは、10/8(金)の夜のことだった。旦那は反対した。なぜ反対するのか、熱が出たら看病してもらいたいのかと聞いたら、そうじゃないと怒る。さらに、それまで全く言わなかったのに、副反応で(俺は)熱が出るだろう、寝込むだろうなどと言い出した。そして、そんなこと(旅行)に金を使うな、俺に部屋に引きこもってて欲しいならそうすると言った。なので私は、散財しない、わんこ番長の計らいで安く泊まれるからお金なら大丈夫だと言ったが、旦那は聞く耳をもたない。なら、私の貯金で行くなら文句はないだろうと言うと、今度は「子どもを巻き込むな」と言い出した。巻き込む原因をつくったのは旦那なのに、コロナ脳だから理解できないらしい。さらに、怒ってる時点で議論にならないが、敢えて私は静かな声で言ってみた。

「ワクチン打つのやめるなら、旅行もキャンセルするよ」

旦那はそれには答えない。それだけは譲れないらしい。とにかくワクチン様は救世主である。さらに先日までは3回目は打たない、と言っていたのに、3回目も打つ、打たないなんて言ってないと意見を翻した。もう失笑するしかない。

それから数日間、何回か旦那の肋間にシール鍼を貼り替えてやった。しかし、旦那は自分から貼り替えたいとも言わないし、私が貼り替えようとすると煩わしそうに「明日でいい」などと言い出すようになった。体のあちこちに疾患があろうが、今は重症ではないからいいらしい。ワクチンよりコロナが怖いのがコロナ脳だ。私の「出来ることをしてやりたい」氣持ちは削がれた。旦那が自ら、私の思いを踏みにじった。私はシール鍼を貼り替えることをやめた。旦那からは何も言ってこなかった。

旅行予定日の2日前、10/27(水)の朝だった。旦那に最終的な意思確認をした。旦那は事もなげに「打つよ」と言った。「打つよ」が、「さよなら」に聞こえた。

・・・

バス停に着いた。これからバスに乗るよと言うと子は嬉しそうだった。パパは?とも聞いてきたので、パパは具合悪いのと嘘をついたら、ふうんと不思議そうな顔で言った。

バスに乗り、近隣の駅に到着した。コンビニでパンを買い、ベンチで食べた。外で食べるの美味しいね、と言って子は嬉しそうに笑う。私も笑い返した。

それから電車に乗る。土曜の朝は混雑していない。子は靴を脱いで、車窓から見える景色を延々と伺っていた。普段から車ばかりで、電車移動は滅多にしないから、新鮮なのだろう。パパも来ればよかったのに、と子は言った。

心が痛んだ。今この瞬間、旦那は生き絶えているかもしれない。