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そもそもキャリアとは

前回、自身の今後のキャリアを考える、という書き出しで記事を書きました。でもまだ解像度が足らない、ということも書きました。

そもそもキャリアという言葉の意味は、多義的というか、よくわかっていない自分がいることにも気づきました。

そんな時に、渡辺美枝子さん編著の「キャリアの心理学」を読んでいて参考になる記載がありました。

キャリアの概念には、「人と環境との相互作用の結果」「時間的流れ」「空間的広がり」「個別性」の意味が共通して内包されているとの事です。

●人と環境との相互作用の結果
 キャリアは職業や職務と同義語ではない。これらの概念を排除するものではないが、キャリアは職業や職務への「個人の働きかけ」に焦点をあてている。「時の経過に伴う個人と組織の相互作用(シャイン)」がキャリア発達の視点の本質としても注目されている。

●時間的流れ
 キャリアは、一時点での出来事や行為、現象を指す言葉ではなく、必ず、「時間的流れ」「時の経過」が内包されている言葉である。すなわち、「いま」という一時点を、過去および未来という時間軸のなかの通過時点という側面から捉える必要がある。転機や移行という言葉がよく用いられるのも時間的な経過を背景にもっているためである。

●空間的広がり
 キャリアは、個人の関わる個々の行為一つ一つに焦点を当てているのではなく、個々人の関わる行為、仕事、働き、役割の相互関係性と、それらが繰り広げる空間的(場)関係性と、空間と時間との関係から繰りなされる広がりに焦点を当てている言葉である。

●個別性
 自己決定、自己選択、あるいは、自立性、主体性という概念は、人間の「個別性」を認める姿勢から導き出されるものといえる。この個別性こそキャリアの概念を構成する不可欠で最も重要な要素である。シャインが、個人が「自分自身のキャリアの管理者になること」を重視したのはキャリアの概念に含まれる「個別性」を的確に表現しているといえる、との記載もある。

前回書いた記事では、いまは今で良い(良くなった)のだけれど、ほかにもいろんな視点で考えなくちゃ、みたいなことを書いたのだけど、今思えば、時間的、空間的に、考えないといけない、ということを言いたかったように思います。

そして、個別性の大切さもこのタイミングで知れてよかった気がします。

あまり考えすぎると堂々巡りになってしまうのでほどほどにしつつ、ただ知識として知れたのもよかったと思います。