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Fスコア戦略で質の高い銘柄を探せ!~バリュー投資と相性抜群~【株式投資戦略】

どうも、この記事を書いているmotoといいます。

みなさんは、Fスコア戦略というものをご存じでしょうか?

ファンダメンタルズの情報を定量評価する方法で、バリュー投資と組み合わせが有効なことが分かっています。

世界各地で「バリュー投資のリターン改善に有効だぞ!」という結果が出ているので、紹介したいと思います。


Fスコア戦略とは?

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Fスコア戦略とは、Piotroskiの論文で紹介されている、9つの単純なファンダメンタルズ分析を使って、バリュー投資のリターンを向上させようとする戦略です。

2000年には公開されている分析手法ですが、ここ10年ぐらいでも機能することが確認されています。

具体的な評価方法は、以下の①~⑨の基準を満たしているか点数をつけ、その合計値が高いものをクオリティの高い企業と判断します。

①ROA
⇒プラスの場合1点、マイナスの場合0点

②ROA改善
⇒ROAが前期のROAを上回った場合1点、下回った場合0点

③MARGIN改善
⇒売上総利益率が前期の売上総利益率を上回った場合1点、下回った場合0点
 ※営業利益などを使用してもOK

④CFO
⇒CFO(営業キャッシュフロー/総資産)がプラスの場合1点、マイナスの場合0点

⑤LQUID改善
⇒流動比率が前期の流動比率を上回った場合1点、下回った場合0点

⑥LEVER改善
⇒負債比率が前期の負債比率を下回った場合1点、上回った場合0点

⑦TURN改善
⇒資産回転率が前年の資産回転率を上回った場合1点、下回った場合0点

⑧ACCRUAL
⇒営業CFが営業利益を上回った場合1点、下回った場合0点

⑨EQ_OFFER
⇒前年度に公募増資をしていなければ1点、していれば0点


Fスコアが高い会社は、ファンダメンタルズが良いまたは改善傾向にあると判断できるため、バリューと組み合わせると、割安で高品質の会社を見つけられる可能性が高くなります。

また、中・小型株に対しての分析が特に有効だとされています。


Fスコア戦略の有効性を検証

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日本株での検証

正直なところ、Fスコア単体ではあまり機能しなくなっているので、有効性が高くなるといわれている

・小型株(時価総額が低い)
・割安株(PBRが低い)

と組み合わせて、直近の成績を調べてみたいと思います。

単純に「時価総額」、「PBR」、「F-Score」の3指標のみで、スクリーニングを行います。


【Fスコア戦略】
・時価総額が低い:上位30%
・PBRが低い:上位20%
・F-Scoreが高い:上位20%
 ⇒上記検索結果から、F-Scoreが高い15銘柄のリターンを確認
 ⇒1年に1回だけ、再スクリーニングして銘柄入れ替え

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日本株では、2016年~2019年の間では、有効な投資方法だったことが分かります。

一年に一回スクリーニングして放置するだけの戦略なのに、この成績は素晴らしいですね。

・日本株ではバリュー投資が有効な傾向がある
・日本株では割安で高品質な会社が見つかりやすい

などが考えられますが、あくまで予測にすぎません。

ちなみに、Nomaの研究では、

・ROA改善
・MARGIN改善
・CFO

の3指標を確認するだけでも、有効性が確認できたそうなので、簡易的なチェックをするだけでも十分効果はあると思います。


まとめ

バリュー投資の成績を改善できる可能性があるFスコア戦略というものをご紹介しました。

割安な株を買い付けるバリュー投資でも、将来の利益が減ると企業価値が下がっていきます。その対策として、ファンダメンタルズが悪化しそうな銘柄を排除することができれば、バリュー投資のリターンを改善できる可能性があるということですね。

以下の9つの評価項目をチェックするだけで、投資成績を改善できる可能性があります。

①ROA
②ROA改善
③MARGIN改善
④CFO
⑤LQUID改善
⑥LEVER改善
⑦TURN改善
⑧ACCRUAL
⑨EQ_OFFER

特に日本株で有効だと考えられるので、ぜひ投資判断の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか?

Fスコアについては、以下の本で分かりやすく解説されるので、読んでおくと理解が深まると思います。


他の記事でも、有効性のある投資戦略を公開していますので、是非チェックしてみてください!

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●参考文献

Joseph D. Piotroski(2000)「Value Investing: The Use of Historical Financial Statement Information to Separate Winners from Losers」

Noma, Mikiharu(2010)「Value Investing and Financial Statement Analysis」


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