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個別株投資のおすすめ本を厳選紹介!【初心者からのレベルアップ】

個別株投資に挑戦しているけど、何を勉強すれば良いのかイマイチ分からないという人も多いのではないでしょうか?

それもそのはず、投資手法にはたくさんの種類があるため、初心者が何を勉強すれば良いのか判断することは難しいです。

また、嘘とは言わないまでも、有効性が検証されていない方法や危険な投資手法を広めている人が多いのも原因の一つです。(発信者が認識しているかは別として)

実際のところ、私は多くの投資本を読みましたが、振り返れば役に立たない本も多かったです...

そこで、私が読んだ本の中から、

1.説明が分かりやすい
 ⇒分かりにくい本は、そもそも最後まで読めない

2.投資をする上での基本的な知識が得られる
 ⇒他の本の理解度も上がる

3.事実に基づいた内容であること
 ⇒たまたま上手くいっただけの主観的な情報ではなく、再現性の高そうな客観的な情報

4.情報教材やセミナーなどへの誘導がないこと
 ⇒初心者だと騙される可能性がある

の条件をクリアした本を紹介していきます。


個別株投資のおすすめ本

個別株投資の勉強にオススメの本ということで、私が特に重要だと考えている、以下の①~⑤についての理解を深めることができる本を紹介します。

順番通り読んでいくだけで、確実にレベルアップすることが期待できます。

※初心者向けなので、中・長期の保有が前提

①決算書の読み方
②投資指標の使い方
③ファイナンス理論
④合理的な投資手法
⑤投資心理

①決算書の読み方

まずは、「決算書の読めるようになること!」と言いたいところですが、正直なところハードルが高いです。私自身、覚えた会計用語をすぐに忘れてしまうため、決算書を読むのは得意ではありません。

そんな方にもおすすめできるのが、「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」という本です。

財務3表とよばれる

・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書

をビジュアル化して表現されていため、非常に理解しやすいです。

PER、ROE、自己資本比率などの投資指標は、決算書の内容をもとに算出されているため、元の用語を知ることで、理解が深まります。

会計用語を調べるのにも役立つので、初心者の方には圧倒的にオススメです。

さらに理解を深めたい方は、「「専門家」以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書」もオススメです。

投資指標の意味を網羅的に記載されており、それぞれの指標の一般的な水準など参考になる情報も多いです。

また、経営者目線での解説やケーススタディも豊富で、

・投資指標の意味
・投資指標で何が分かるのか?
・企業価値の評価方法

など、分かりやすく書かれています。

ボリュームがあり、少し読むのに苦労する方もいらっしゃると思いますが、流し読みをして、気になるところを詳しく読むだけでも、各投資指標について理解を深めることができるでしょう。



②投資指標の使い方

決算書に出てくる用語の意味が理解できたのなら、投資指標の実践的な使い方を学ぶ必要があります。

そこでオススメなのが、吉野貴晶さんの「No.1アナリストがいつも使っている投資指標の見方」という本です。

・重要な投資指標の使い方
・景気局面ごとの有効な投資指標
・安くて質の高い銘柄の選定方法
・定量的なファンダメンタルズの評価方法

有効な投資指標の使い方を分かりやすく解説しており、その内容を覚えているだけでも、危険な投資方法をしてしまう可能性がぐっと低くなるでしょう。

著者の吉野貴晶さんは、「日経ヴェリタス」人気アナリストランキングで10年以上も1位を獲得しています。

データに基づいた信頼性の高い情報なので、投資初心者にはぜひ読んでほしい一冊です。


③ファイナンス理論の概要

自分の経験というのは、長い歴史の中でほんの少しの出来事に過ぎません。先人たちの研究成果であるファイナンス理論を知っておくと、アクティブ運用の難しさと同時に、超過リターンを得るためのヒントも知ることができます。

ファイナンス理論の概要を知るには、「ファイナンス理論全史」という本がオススメです。

ファイナンスの歴史を紐解きながら、主要なファイナンス理論について説明されています。

・ランダムウォーク理論
・効率的市場仮説
・現代ポートフォリオ
・アノマリー
・ファクターモデル
・行動ファイナンス

ファイナンス系の本は、難解な表現の翻訳本が多いですが、日本人著者がこれだけの内容を簡潔にまとめてくれているのは素晴らしいです。

バフェット、シラー、ファーマ、カーネマンなど、名だたる有名人のエピソードも多数紹介されているので、楽しく読み進めることが出来るはずです。

ファイナンスについて体系的に整理されているので、他の投資本を読むときの理解度がぐんと上がること間違いなしです。


④合理的な投資手法

学術論文に基づいた合理的な投資家を目指す人にオススメなのが、「ファクター投資入門」という本です。

有名な投資手法というのは、その有効性について、経済学者が調査して論文を公開していることが多いです。本書では、論文で発表されている投資手法の中から、特に有効だと考えられる投資手法についてまとめられています。

近年、経済学者の研究により、パフォーマンスの高い株の特徴(ファクター)が分かっており、

○サイズ
 ⇒時価総額の小さい銘柄のリターンが高い傾向

○バリュー
 ⇒企業価値に対して割安な銘柄のリターンが高い傾向

○モメンタム
 ⇒半年~1年でリターンが高い銘柄が続伸しやすい傾向

○収益性・クオリティ
 ⇒収益性が高いなどの財務が良い銘柄のリターンが高い傾向

など、統計的に有効性の高かった投資手法が紹介されています。

十分に分散されたポートフォリオであれば、そのリターンの90%以上をファクターによって説明できるといわれています。

このファクターについての理解は、市場平均以上を目指すアクティブ運用における基本ルールの理解といっても過言ではありません。(バフェット、グレアムもファクターを利用している)

これまで読んだ本の中でも、ダントツで実用的な内容であり、「基本ルールも理解せずに投資をしてしまっていたのか…」と衝撃を受けました。

私はこの本をきっかけに、個別株運用を始めたほどなので、ぜひ読んでみることオススメします。


⑤投資心理

投資で重要なのは、意思決定であることは間違いありませんが、私たち人間は物事を合理的に判断できず、考え方に偏り(バイアス)を持っていることが判明しています。

そのバイアスと投資の関係について体系的にまとめられているのが、「行動科学と投資 その努力がパフォーマンスを下げる」という本です。

○損失回避
得をする喜びよりも、損を嫌がる傾向の方が強い。
⇒損切りできずに塩漬け状態にしやすい

○アンカリング
何らかの数値を参照点として物事を判断してしまう。
⇒買値を気にして損切りができない
⇒参照点を下げるためにナンピン買いをしてしまう

○プロジェクションバイアス
現在の状況を将来にまで過度に投影してしまう。
⇒成長企業は今後も同じように成長し続けると考え、競合参入などによる成長鈍化リスクを考えない
⇒過去の成功体験を環境が変わっても通用すると信じ続ける

○ディスポジション効果
上昇した株をすぐに利益確定したくなるのに対し、下落した株は保有し続けてしまう。
⇒大きな利益を取り逃したり、損失をさらに拡大してしまう。

○自信過剰バイアス
自分の知識や能力を過大評価してしまう。
⇒自分の企業分析を過信し、過剰なリスクを取りやすくなる

○サンクコスト効果
取り返すことのできない費用(お金、時間など)をもったいないと考え、取り返そうとしてしまう。
⇒株で損をした分を取り返すために、さらに資金を投入する
⇒業績悪化で値下がりした株をナンピン買いする

など、挙げればきりがないほど、人間の認知機能には問題があります。そのため、何らかのバイアスにかかっていないか意識的に確認することが重要になります。

バイアスにとらわれたまま本能的に行動をすると、逆にパフォーマンスを下げる要因にもなりますので、投資と行動心理の関係についは、理解しておくと役に立つことでしょう。

バイアスについては、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」という圧倒的名著で詳しく説明されています。興味を持った方は、そちらも読むと理解が深まります。


まとめ

個人的に重要だと考えている

①決算書の読み方
②投資指標の使い方
③ファイナンス理論
④合理的な投資手法
⑤投資心理

を勉強できる投資本についてご紹介しました。定量的な情報が主なので、再現性の高い投資手法について理解を深めることができると思います。

投資の知識が豊富な方であれば、テクニカル分析(チャート系)を解説する本がないことに、不満があるかもしれません。

テクニカル分析については、一部有効なものも存在するのは事実ですが、

・長期的に有効性が実証されているものがほとんどない
・見る人や期間によって判断が変わるものが多い
 (ダブルボトムやカップウィズハンドルなど)

という点から、経験や判断力が重要となるため、初心者向が扱うには難しい方法だと考えているからです。

ただし、チャートの見方自体は覚えてて損はないので、気になる方は「株価チャートの教科書」を読んでおくと良いかと思います。


長期で有効性が確認されているテクニカル分析としては、

○モメンタム効果
⇒パフォーマンスの高い銘柄のリターンが高くなりやすい傾向
⇒直近の半年~1年の期間のトレンドが持続しやすい

○リバーサル効果
⇒パフォーマンスの低い銘柄のリターンが高くなりやすい傾向
⇒直近の1ヵ月以内の短期や3年以上の長期では平均回帰しやすい

などがありますが、一定の期間でどれぐらい値上がりや値下がりをしているかというものを確認しているだけなので、チャートパターンの深い知識までは必要ありません。

投資指標を使った分析と、モメンタム効果、リバーサル効果ぐらいを覚えておけば、投資する上での基礎としては十分です。


有効性の高い投資戦略は、以下のマガジンに情報をまとめています。
具体的な投資手法が知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。


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