ハロウィン効果(季節性アノマリー)は日本株で有効!【株式投資戦略】
どうも、この記事を書いているmotoといいます。
今回の記事は、ハロウィン効果という季節性のアノマリーを使った戦略について紹介します。
ハロウィン効果は、数十年以上にもわたって様々な国での有効性が確認されています。
ハロウィン効果とは?
ハロウィン効果とは、株式市場のアノマリーで11月~4月までの間のリターンが高くなりやすい現象のことです。逆に、5月~10月の間はリターンが低くなりやすいため、セルインメイという格言が生まれています。
なぜそのような事象が発生するかは分かっておらず、
・日照時間の変化が人間心理に影響を及ぼしている
・夏は長期休暇などで消費活動が抑えられるためリターンが低い
など様々な仮説があります。
ハロウィン効果を使った戦略は非常に簡単で、11月~4月までのリターンが高い時期だけ株を保有するというもになります。
出典:Ben Jacobsen、Cherry Yi Zhang(2018)「The Halloween Indicator, 'Sell in May and Go Away': Everywhere and All the Time」
ハロウィン効果は、世界各地で発生していることが確認されており、1915年1月~2017年4月の日本株においても、5月~10月よりも11月~4月のリターンが高い結果となっています。他の国のリターンと比べても日本株の有効性は高そうです。
ハロウィン効果の検証
ハロウィン効果の検証(米国株)
まずは、直近の米国株で効果があるのかを確認してみました。
確認条件は以下の通りです。
・対象:米国株(VTSMX)
・検証期間:2000年~2019年まで
・11月~4月は株を保有
・5月~10月は現金を保有
・バイ&ホールドと比較
出典:「Portfolio Visualizer」
Seasonal Model:ハロウィン効果
Buy & Hold:バイ&ホールド
2000年~2019年の期間では、ややハロウィン効果のリターンが高かったという結果になりました。また、リスク・リターンを表すシャープレシオが高く、最大ドローダウンも低いので、小さいリスクで高い収益をあげられた戦略ということになります。
株の保有期間が半分でこのリターンは素晴らしいですね。
期間を少し変えて、2010年~2019年の期間でも検証してみました。
出典:「Portfolio Visualizer」
2010年~2019年の期間では、バイ&ホールドの方が高いリターンとなりました。これは、タイミング戦略の有効性は、主に下げ相場の時に発揮されることが理由だと考えられます。
2010年以降は相場環境が良かったので、株を保有していない期間で、バイ&ホールドに劣ったということですね。相場環境によっては長期的にアンダーパフォームすることもあることは理解しておくと良いでしょう。
ハロウィン効果の検証(日本株)
次に、日本株でもハロウィン効果は有効なのか確認してみました。
確認条件は以下の通りです。
・対象:日本株(EWJ)
・検証期間:2000年~2019年まで
・11月~4月は株を保有
・5月~10月は現金を保有
・バイ&ホールドと比較
出典:「Portfolio Visualizer」
Seasonal Model:ハロウィン効果
Buy & Hold:バイ&ホールド
ハロウィン効果を使用した戦略の方が圧倒的に成績が良く、米国株よりも日本株の方が効果的に機能しているように見えます。
俊野雅司(2017)では、1950年~2016年までの日本株において、1950年代以外のすべての年代(10年単位)で、ハロウィン効果が確認されているので、日本株においても有効性があることに間違いはなさそうです。
まとめ
ハロウィン効果についての情報をまとめると、
・世界中で長期的に有効性が確認されている
・2000年~2019年の米国株、日本株でも有効性が確認できた
・日本株の方がより有効性が高い傾向があった
・リスクを減らす効果が大きかった(ドローダウンも低い)
という感じになります。
検証した結果から、アノマリーなどを利用してタイミングを見計らうのは、リターンを向上させるのではなく、リスクを下げるという意味合いが強くなるようです。(半分の期間リスク資産を保有しないので当たり前ですが)
タイミング戦略は、バイ&ホールドを下回る期間が長くなることもあり、暴落などが起きた際に追いついている傾向が読み取れました。
上昇相場などでは周りが利益を上げる中、自分だけが機会損失をする状況も珍しくありません。ハロウィン効果を利用したい方は、そのことだけは頭に入れておくと良いと思います。
さらにアノマリーを利用した戦略が知りたい方は、以下の本がオススメです。ハロウィン効果以外にも、使えそうなアノマリーが多数紹介されています。
この記事を読んで、「面白かった!」、「勉強になった!」と少しでも思った方は、Twitterまたはnoteでフォローして頂けると嬉しいです!(記事の更新情報が分かります)
●参考文献
Ben Jacobsen、Cherry Yi Zhang(2018)「The Halloween Indicator, 'Sell in May and Go Away': Everywhere and All the Time」
俊野雅司(2017)「株式リターンの規則性」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?