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高リスクな株は低リターン!?【高ボラティリティ・高ベータ銘柄は損をしやすい】

リスクが高いものは、それに見合うだけのリターンがないとわりに合いません。高リスク、低リターンなものを欲しがるという人はいないと思います。

ただ、個別株に限定すると、なぜか高リスクなのに低リターンという現象が確認されているので、そちらについて紹介します。


1.高リスクな株は低リターン!?

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金融の世界では、

・高リスク=高リターン
・低リスク=低リターン

というのは常識です。

100万円を投資する場合、100万円~110万円の幅で変動して平均的に105万円になるのと、50万円~160万円の幅で変動して平均的に105万円になるのとでは、リスクが低い前者の方が良いということですね。

ただし、個別株に限って言えば正しくないようです。


2.高ボラティリティ銘柄は損をしやすい

(1)ボラティリティとは?

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まず、ボラティリティという言葉になじみが無い人のために説明をしておくと、ボラティリティとは価格変動がどれだけあるのかを表す指標です。

値動きのばらつきの大きさを数値ではかることができ、

・値動きが激しい⇒ボラティリティが高い
・値動きが緩やか⇒ボラティリティが低い

と表現をします。

ボラティリティは2種類あり、

・ヒストリカル・ボラティリティ(HV)
 ⇒過去の値動きのばらつきから数値を算出する

・インプライド・ボラティリティ(IV)
 ⇒オプション価格から算出される(市場参加者の予測が反映される)

がありますが、今回の記事では、「ヒストリカル・ボラティリティ」の方を指しています。


(2)高ボラティリティ銘柄は損をしやすい

「高リスク≒値動きの激しい銘柄」と定義した場合、ボラティリティの高い(値動きの激しい)銘柄のリターンが低くなりやすいことが分かっています。

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出典:株マップ

上記のグラフは過去15年間の高ボラティリティ銘柄とTOPIXを比較していますが、高ボラティリティ銘柄のパフォーマンス異常と言っていいほど低いです。また、年数を直近の3年、5年、10年と変えてみても、同様の結果となりました。

これは、宝くじのように当たれば大きいという理由で、値動きの激しい銘柄を好む人が一定数いて、株価が割高になりやすいことが原因と考えられています。

・値動が大きい銘柄は損をしやすい
 ⇒高リスク、低リターン

・値動きが緩やかな銘柄は利益を出しやすい
 ⇒低リスク、中リターン

となるので、値動きが激しい銘柄をさけることが、損失を回避することにつながるかと思います。(高リスク、低リターンな株を買う意味もないですし)


3.高ベータ銘柄は損をしやすい

(1)ベータとは?

ベータとは、市場反応度を表す指標です。

日経平均が1%と動くと1.5%動くなど過剰な値動きをする場合、ベータ値が高くなり、逆に0.5%しか動かないような値動きをする場合、ベータ値が低くなります。

・反応が大きい⇒高ベータ
・反応が小さい⇒低ベータ


(2)高ベータ銘柄は損をしやすい

このベータ値が高い銘柄も、リターンが低い傾向が確認されています。

つまり、過剰な値動きをする銘柄も、損をしやすいということですね。

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出典:『株マップ』

高ベータ銘柄の成績も、日経平均を大幅に下回っていることが分かります。

こちらも、直近の3年、5年、10年と変えて確認してみましたが、全ての期間でTOIXを下回っていました。

高ベータ銘柄は上昇相場の時は市場を上回る傾向がありますが、それ以上に下落相場で大きく損をしやすいことも、理解しておくと良いかと思います。


まとめ

個別株投資においては、高リスク=高リターンの関係は成り立っておらず、

・高ボラティリティ銘柄
・高ベータ銘柄

など、値動きが激しい銘柄を買うと損をしやすいことを紹介しました。

これらの銘柄を避けるようにするだけでも、投資成績は向上すると思います。

特に、「小型株+割高+高ボラティリティ+逆張り」を全て満たすような投資手法を使うと、大きく損をしやすいので気を付けてください。

小資金だからどうしても値動きの幅が欲しいということであれば、信用取引を少しだけ使って低ベータ銘柄の投資額を増やす方が結果的には良いかもしれません。


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有効性の高い投資手法については、以下のマガジンにまとめています。


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