モーションの初動について①

今日から何回かに分けて、初動、動き始めのモーションについて書かせていただこうと思います。

シチュエーションによって色々なパターンに分けられると思いますが、何事も最初と最後は印象を大きく左右する大事な要素になってくると思います。
理解しておくと、シチュエーションやキャラクターによって、狙って演じる事が出来ると私は考えております。

自分にとって初動のシチュエーションは、大きく分けると

・びっくりさせる
・準備させる

の二つに分かれると思ってます。

まず我々のような激しいアクションを演じる機会がある場合には、一つ目の「ビックリさせる」が大事です。

どういうことかというと、戦ってる相手や観ているお客様、ゲームユーザーさまなど、対象となる第三者の予想を裏切らなけらばならいということです。


例えば「気をつけ」の状態から前に歩き出そうとすると、

①足を前に踏み出す。

これをしなけばなりません。
その為には、

②体を前傾させる。(重心を移動させる)

という事が必要になってきます。重心移動しないまま踏み出そうとしてもバランスよく足をあげて立ってるだけですからね。
さらに重心を移動させる為には

③支点を作る。(支点を移動させる)

はい。これが我々が体を移動させようとするときに、最初に行っている事です。


試しにみなさん、気をつけをした状態から前に進もうとしてみてください。
必ずカカトに力が入って(支点を移動させて)からになると思います。つま先を浮かせる感じです。

逆に、後ろに後退しようとするときに足のはふくらはぎに力を込め、つま先に力が入るはずです。

左に移動したいときには右足に力が、右に移動したいときには左足に力が入ると思います。


足の裏はわずか20〜30cmくらいの振り幅です。
ですが我々はその中で進みたい方向と逆の位置に支点を作って体を傾け、バランスを崩した方に足を踏み出すことによって、ようやく移動が叶っております。


逆にこれ以外で移動を成立させられている方がいれば是非ご一報ください。
物理法則を超え、空を飛べる才能をもった方かもしれません。弟子にしてください。
(現場でよく、「杉口さんて空飛べましたよね??」とイジってもらえるのですが未だ実現出来ておらず…ww ニーズに応えられないダメなアクターで申し訳ありません!!🙏🙏🙏)

※補足
腰を折る、膝を折ることで前進が起こせるというご意見もあるとは思いますが、その間に支点移動が起こっていると思います。
最初から爪先立ち状態を作ったままで、素早く移動しようとすると時間がかかってしまう事ががお分かりいただるのではないかと思います。


ちなみに武道や格闘技の達人たちは、こんなわずかな支点移動を察知して「後の先」を取ってくる変態さん達です。まったく、どれだけ人間観察が好きなのでしょう。

逆に己の方は察知されない為に、足元の見えないゆったりしてる服装などをしてます。ずるいですねww  

(日本の武道も、袴の中はそれはもうファンタジーな世界ですww)


自分はもう仕事としてやっているので動きは丸裸ですが、長年その道でやられてきた達人の方々はそうやすやすとモーション撮らせてはもらえないでしょうね。未来に繋がる財産になるとは思いますが。

なかなか本題に届きませんww
これは私にとってのモーションアクター道の中でも、とてもナイーブなテーマなので、前置きなども含め慎重になってしまいます。

ではこれを前提に、どうすれば裏切り、ビックリを作り上げていけるかというところで、本業の撮影に向かわなければならない時間になりました。

続きは明日にさせていただきます〜
引き続きお付き合いいただると嬉しいです。

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