四人四色のメアリー・グリーン

「さよなら、オリジナル。今日からは僕が、本物のメアリーだ…!」

BLAM!

枯れ木のような老婆…メアリーの脳天を、銃弾が貫いた。彼女は血だまりに突っ伏し、動かなくなった。

「はぁー…!」

ぺたん。僕のお尻が、研究所の床についた音だった。

メアリー・グリーンが人生をやり直すための、若い肉体。それが僕だ。そのためだけに20年、義理の両親の元で育てられた。

事実を知った僕は、自由になるために彼女を殺そう、と決意した。そして今、戦いが終わったのだ。

安堵したその時、何者かがドアを蹴り開けた。僕は目を疑った。それは…

「メアリー! 覚悟…は…?」

婦警の僕。

「オウ本物ォ! タマ取…っ…?」

白スーツの僕。

「この悪魔! 絶対に許さ…な…?」

ゴスロリの僕。

計3人。死んだ本物に困惑している。僕は直感で分かった。つまりクローンは僕一人ではなく…

「「「「…あの(オウ)、これは?」」」」

これが僕たち4人の、奇妙な同居生活の始まりだった。

【続く】

それは誇りとなり、乾いた大地に穴を穿ち、泉に創作エネルギーとかが湧く……そんな言い伝えがあります。