見出し画像

サバイバル・ウィズアウト・インテリジェンス

「ファッキン・シット!」

手にしたキューブ型パズルを、俺は勢いよく壁に叩きつけた。途端に警報ブザーが鳴りはじめ、壁がゆっくりと左右に開いていく。隙間からサバンナみたいな景色が見える。

同じ境遇のやつらから身を守り、24時間生き残る。それが時間内にパズルを解く代わりに10万ドルを手に入れる条件だ。

俺は用意されたスナイパーライフルを手に取り、一気に駆け出した。手近な木に登り、幹に腰掛ける。生い茂った葉が俺の姿を隠す。

「完璧だな」

俺は茂みの隙間から標的を探し始めた。すぐに獲物は見つかった。

(プッ!)

俺は吹き出すのを堪えた。何せそいつは木の影に背をつけ、隠れたつもりでいたからだ。腹に照準を合わせる。

(なんて馬鹿なやつだ。俺を恨むなよ)

そして、撃った。BLAMN!

「アーッ!」

絶叫! 命中!

「やったぜ!」

俺は思わずガッツポーズした。茂みがガサガサと震えた。その10秒後だ。敵の銃弾が右腕をぶち抜いたのは。

【続く】

それは誇りとなり、乾いた大地に穴を穿ち、泉に創作エネルギーとかが湧く……そんな言い伝えがあります。