討ち入りパレード・ザ・リアル
『速報です。来日中のアメリカ大統領のご令嬢が、織田信長の生まれ変わりを自称する男に誘拐されました。信長はご令嬢を人質にネオ安土城天守閣に立てこもり…』
「イカれ野郎が!」
テーマパーク『ネオ安土城』の護衛チーム控え室。俺はラジオに怒鳴った。
『しかし護衛チームは何を…国際問題ですよ』
ラジオを殴り壊す。状況は最悪だ。自称信長の要求は天下。犯人グループには歴史上の偉人がズラリ。無論全員が前世野郎で、しかも武術の達人だ。
その時、署長から着信!
「君の責任だ! 状況は大統領が爆発寸前だ! 君の責任だぞ!」
パニクる署長。当然だ。こんな事件が起きればクビどころか…
ん? 起きれば?
「…署長、大統領に。これはショーの演出です」
「は?」
通話終了。起きたのが問題なら簡単だ。起きなければいいのだ。俺は部下にパーク内の衣装をかき集めさせた。
「主任。これは…」「見りゃわかんだろ!」
俺は怒鳴りつけた。
「討ち入りパレードだよ!」
【続く】
それは誇りとなり、乾いた大地に穴を穿ち、泉に創作エネルギーとかが湧く……そんな言い伝えがあります。