【シンパシー・ホワット・スラム・ヒム・トゥ・ヘル】
(27940字)
(この小説は「ニンジャスレイヤー」の二次創作物です)
#1華美な刺繍のされたカーテンは、家の恥を傍目に晒さぬように固く閉ざされていた。広いリビングには3人の家族。音楽ディスクを威圧的に持ち、床に正座させた子供を見下ろす父親。それを遠目に見守り、さめざめと泣いている母親。そして、18歳の頃の自分。
(夢だ)
アミタ・クマミチは直感した。よくよく見ると観葉植物の形はぼやけ、母親の顔も霞んでいる。ハッキリしているのはディスクと父親だけだ。
「それは……」