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ニンジャの二次創作

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「ニンジャスレイヤー」(ブラッドレー・ボンド&フィリップ・N・モーゼズ著)の二次創作作品群です。面白いと思ったらぜひ原作ニンジャスレイヤーもどうぞ。
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#ニンジャスレイヤー222

【リモート・ボンド、リライアブル・ボット】

【この作品は『ニンジャスレイヤー』の二次創作小説です/約42000文字】 #1 『ナボタタ・リゾートへようこそ!』 『そこは地上の楽園! 晴れ渡る空! 青い海! 忙しい日常を離れ、雄大な自然でリフレッシュしよう! 飛行機? ポータル? 一切不要! UNIXデッキの前から本物の南国体験! バーチャルではありえない感動をあなたに! エメツ・テックが叶えます!』 『ナボタタ・リゾート! ナボタタ・リゾート! そこは地上の』  ――ブツン!  ウノエ・ヒロカワがモニタの電

【ミステイク・フェイド・オーヴァー・タイム】

この小説は『ニンジャスレイヤー』の二次創作です。(12573文字) 「看板メニューを作りましょう!」 客が去り、無人となったピザ・タキ店内。テーブルを拭き終えたコトブキが出し抜けに言った。タキはポルノ新聞から顔を上げ、問い返す。 「アア? 何がだ?」 「だから、看板メニューです」 「どこの?」 「もちろんピザ・タキのですよ!」 「アア?」 タキは耳を疑った。コトブキは大げさに腕を広げて言った。 「革新的な看板メニューで集客! 企業努力ですよ!」 「そりゃ結

【シンパシー・ホワット・スラム・ヒム・トゥ・ヘル】

(27940字) (この小説は「ニンジャスレイヤー」の二次創作物です) #1華美な刺繍のされたカーテンは、家の恥を傍目に晒さぬように固く閉ざされていた。広いリビングには3人の家族。音楽ディスクを威圧的に持ち、床に正座させた子供を見下ろす父親。それを遠目に見守り、さめざめと泣いている母親。そして、18歳の頃の自分。 (夢だ) アミタ・クマミチは直感した。よくよく見ると観葉植物の形はぼやけ、母親の顔も霞んでいる。ハッキリしているのはディスクと父親だけだ。 「それは……」

【ストレイキャット・ストーリー】

3/2 : 不自然な箇所を修正 2/28: 投稿 (この小説は「ニンジャスレイヤー」の二次創作物です) 【ストレイキャット・ストーリー】出題編 あまり治安の良くないコミダ・ストリートの雑居ビル二階。猥雑な旧世紀ヘンタイ・ポルノショップと違法サイバネ商店に挟まれた一室こそ、”私立探偵”イチロー・モリタの名目上の事務所である。 彼の事務所は広告を打たず、奥ゆかしい看板以外に存在をアピールするものもない。両隣の店の客はこの開かずの事務所を空き物件だと思っており、所長の存在は