甲鉄城のカバネリ プレゼン

『甲鉄城のカバネリ』は『進撃の巨人』などを手がける荒木哲郎監督が監 督、脚本を務めるオリジナルアニメである。
舞台は動く死体カバネの脅威に晒されている蒸気機関の発達した国日ノ本。
日ノ本は『駅』と呼ばれる拠点を作り、『駿城(はやしろ)』と呼ばれる列車で『駅』の間を移動していた。
主人公である技師の少年生駒はかつてカバネに襲われた妹を恐怖から見捨てた過去を持ち、その過去から今度こそカバネと戦えるようにカバネの研究をしていた。
ある日生駒が暮らす『駅』がカバネの襲撃で陥落。
生駒は『駿城』の一つである『甲鉄城』に乗って『駅』から何とか脱出を果たすが、脱出 の前にカバネに噛まれた事で人とカバネの狭間の存在である『カバネリ』と化す。
当初は『カバネリ』という存在故に周囲からは受け入れられなかったが、カバネとの戦いや武器の開発に貢献する事で周囲から受け入れられる。
そして自分と同じ『カバネリ』の少女無名と絆を深める内に彼女と共に人間に戻りカバネがいない世界を作る事を決意する。
元々自分はアニメ放送時はカバネリを見ておらず、存在も知らなかったが劇場版がある事を予告で知り気になったため視聴した。
バトルアクションの作画が美麗でありアニメーションとして高い水準にあるためバトルシーンは観てて爽快感が得られる。
昔の日本に近代的なスチームパンクの要素とゾンビものの要素が調和する事で和風なのに新鮮味を感じられ、独特な世界観に引き込まれた。
物語のテーマとして『弱さと強さ』があり、登場人物が己の弱さとどう向き合いどう成長していくかが描かれている。
登場人物の1人である菖蒲は、甲鉄城を預かる身分でありながら未熟さ故に周囲に流されていたがやがて生駒と関わるうちに統率者として成長していく。
決定的に彼女が成長したとわかるシーンがあり、生駒を疑う民衆の前で彼が害ある存在ではないと菖蒲は民衆に証明するために敢えて生駒を短剣で突き刺そうとする。                           もし生駒が本当に害ある存在なら菖蒲は殺されていたが、生駒は短剣を受け止めただけに留めておいた事で生駒が害のない存在だと証明した。
周囲に流されていた菖蒲が度胸によって周囲を従わせたこのシーンは作品のテーマを体現している。
バトルアクションものが好きな人なら先述した通りアニメーションは高クオリティの出来なので見て損はないし、シナリオ自体も『負け犬が見返す物語』をコンセプトにした王道な作りであるため、そういった話が好きな人には是非見てほしい。                         高クオリティなアニメーションで描かれた魅力的な世界観、そして作品の登場人物が強く在ろうと弱さに立ち向かっていくその姿はカタルシスを与えてくれるだろう。

                     

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