鬼滅の刃に対して思う事

鬼滅の刃は12月4日に最終巻が発売され人気絶頂のまま終わった。Twitterで軽く検索をかけても「感動した」「ありがとう」などの声がたくさん見つかってくる。

しかし、それと同時に鬼滅の刃に対して批判意見が噴出しているのも確かだ。主な批判意見は「今まで碌な恋愛描写もなかったのに主人公達が唐突に結ばれて子孫が出てくる」「設定やエピソードを本誌で書かず単行本の余白に長文で書く」「その設定が本編で矛盾を起こしている」「慈しい鬼退治の筈なのに鬼殺隊は鬼を罵倒し元人間であったことを意識しない」「伏線を多数放置して終わった」などで、これもTwitterを軽く検索しただけで出てくる。

自分はどちらかといえば批判よりの意見だ。

毎週楽しみにしていた作品の最終回がまさか単行本のおまけなどで収録されるような内容だとは夢にも思わなかったからだ。

だがここで批判意見を強めることも擁護することも自分はしない。

何故なら「批判も擁護も何とでも言えるから」だ。

それ故に下手に批判や擁護をしたところで平行線を辿るだけだから、批判点の指摘や擁護については自分はしない。

ただ改めて鬼滅の刃を読み返して思った事はすぐに打ち切られる心配などないのだから時間をかけるべきだった、と思う。

そもそも鬼滅は主人公3人組(通称かまぼこ隊)+禰豆子がメインで話が進むのだが、それ以外のキャラにスポットが当たっていない。(善逸や伊之助に関してもスポットが本当の意味で当たっていたとは言い難いのだが)

例えばカナヲは今まで無表情無感動だったのだが、因縁の相手と対峙した際に感情を露にしている。しかしそれに対してはカナヲの描写が余りにも少なすぎる。

カナヲの変化の様子は断片的には描かれているのだが、カナヲが本当の意味で意思を確立するには因縁の相手との戦いの前に一度彼女が主人公のエピソードを入れるべきだった。

実際にカナヲと似たキャラ造詣である時透は炭治郎との関わりをきっかけに失われた記憶を取り戻し、自分の意思を確立させることに成功したわけだし。

また炭治郎とのフラグに関しても彼女メインのエピソードを作ったうえで入れておけば最終的に結ばれてもそこまで批判はなかっただろう。

つまり鬼滅は未回収のキャラの個別エピソードを最終盤で一気にやってしまったことが最大の問題点だと考える。

キャラの掘り下げを最終決戦の前に十分やっていれば感情移入の度合いはまた違ったし、最終決戦も詰め込みすぎないで余裕を持って読めただろうし、単行本で補足せず最終決戦にも尺をより割けただろう。

刀鍛冶の里編が終わったところで、まだ十分に掘り下げるべきところはあったのにそこから無理やり最終決戦に繋げてしまった。

鬼滅の刃に対して自分が思うのは惜しい作品だな。

前は色々思っていたはずなのに今はただそれだけしか思っていない。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?