とある魔術の禁書目録プレゼン

とある魔術の禁書目録は鎌池和馬氏によるライトノベルである。
物語の舞台は人口の8割が学生の都市『学園都市』。
そこではオーバーテクノロジーにより超能力が科学的に開発され時間割りに能力開発が組み込まれている。
異能の力ならなんでも打ち消す『幻想殺し』を右手に有する学園都市の高校生上条当麻はある日10万3000冊の魔導書を記憶するシスターインデックスと出会った事がきっかけで様々な事件に巻き込まれるようになり上条は異能の力を打ち消す右手とインデックスの知識を頼りに魔術師との戦いに身を投じていく。
この作品の魅力の1つは右手しか武器のない上条当麻がどのように魔術師と戦っていくかが見どころだ。
異能の力なら何でも打ち消せるが逆に異能の力以外には対処できず、効果範囲が右手しかないため打ち消しきれず苦戦を強いられる場面が多々ある。
相性では有利だが、力量では不利な戦力差を仲間との協力や機転で覆していく様が見どころだ。
もう1つの魅力は壮大かつ緻密な世界観を舞台にそれぞれの信念を抱えた多種多様なキャラクターが織りなすドラマである。
基本的な主人公は上条だが、群像劇としての側面も持つ本作では個性的なキャラが豊富に出てくる。
これによりキャラクターによって生まれる物語が異なるため単純な異能バトルに留まらない幾つものジャンルを内包している。
沢山の登場人物がそれぞれの信念をぶつけ合うためそこから生まれるドラマの密度もかなり濃いため豊富なパターンの話を濃いボリュームで楽しめる。
単純にキャラクター同士の関係性も敵味方に留まらず、前のエピソードでは敵として出てきたキャラクターが味方になる場合がありその逆も然りである為展開も見てて飽きない。
また作品全体に張り巡らされた伏線や謎が思いもよらない形で回収されたり、一見関係なさそうな話でも裏では繋がっていたりするためそこも見どころの一つである。
単純に魅力的なキャラクターによる王道な異能力バトルが読みたい人はもちろんの事、複雑な設定や世界観が好きな人はまず間違いなく楽しめるであろう作品だ。
15年も続いている作品なだけにどうしてもエピソード毎の当たり外れや癖の強さなどが出てきてしまうし、巻数の長さや派生作品の数など敷居を高くしている要素はあるがシリーズが積み重ねた歴史がそのまま面白さに反映されている作品である為是非原作に目を通してほしい。
魅力的なキャラが織りなすドラマにこちらのテンションも上がる事間違いなしだ

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