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【声劇台本】Fairy tale's Collection.(男2:女6:不問1)

登場人物(男:2、女:6、不問:1)

・マリン・バブル/女
モデル、人魚姫。19歳、172センチ。スワンにスカウトされモデルとなる。昔モデルの仕事をしていたが、事故で足を怪我して断念。服飾が大好き。心優しい性格でみんなの為に努力する真面目な性格。

・リップ/女
モデル、親指姫。18歳、152センチ。グラースの弟子で彼に憧れデザイナーの道へ。元気で明るくハキハキとしているが、自分のデザインに少し自信が持てない。

・スワン・アンデルセン/男
モデル、醜いアヒルの子。38歳、180センチ。マリンをスカウトした広告代理店の社長。明るく爽やかで紳士的、少し調子に乗りやすいが誰よりも優しい父親の様。人を見る目がある。

・グラース・ラヴァーネ/男
モデル、雪の女王。ファッションブランド『Snow Queen』のオーナーであり、現役デザイナー。スワンの幼馴染。誇り高く、失敗が嫌い。感情が豊かでヒステリーを起こしやすい。口調はオネェ。

・シンデレラ/女
モデル、サンドリヨン。22歳、175センチ。モデル事務所に属すトップモデルで、世界一のモデル、プリンセスの座に3年連続で選ばれている。プライドが高く少し傲慢で高飛車な性格。ターリアを信頼してる様な振る舞いの裏で何処か蔑む様子もある。

・ターリア・グリム/女
モデル、眠り姫。35歳、170センチ。モデル事務所『GLIM Dole』の社長。多くのトップモデル達を育てた実績があるが、性格は高慢。

・キャット・ポッド/不問
モデル、長靴を履いた猫。17歳、153センチ。ターリアの親戚でスパイとして記者を語り、グラースの下に入り込んだ。コネや小遣いのためならなんでもやる。

・ラプンツェル/女
モデル、ラプンツェル。26歳、160センチ。ファッションブランド『Tia』のデザイナー。技術は一級品だが、性格はかなり気弱。

・アリス/女
モデル、不思議の国のアリス。175センチ。伝説のトップモデル。

サブキャラクター(兼ね役可能)
・MC/不問

【時間】約1時間
【あらすじ】
服が並ぶショーウィンドウにマリンが見惚れていると、スワンが「モデルにならない?」と声をかけてきた。強引だけど有名な会社からのモデルスカウト。疑いながらも連れて行かれたのはマリンが憧れていたファッションショーのステージ。諦めた夢をもう一度追おうとするマリンは年に一度の大舞台『Fairy tale's Collection.』をみんなと一緒に目指す。


【本編】


マリン(モノローグ)「この街はファッションが全てだ。超一流のデザイナーが、トップモデルを使ってランウェイを歩かせる。それは、デザイナーとしてもモデルとしても、夢の舞台。幼い少女は綺麗な服を着てその舞台に立つのを夢に見る。目の前のショーウィンドウに並ぶマネキン達とは違う。真っ直ぐなランウェイを颯爽と歩く姿…そう、私もかつてはそんな夢見る少女だった。」

スワン「君、モデルにならない?」

マリン「え?」

MC「夢を現実に変える街ファッショニア!今年もこの街で年に一度の大イベントが開かれるぞ!それは、イベント期間中に街の至る所でファッションショーが行われる世界一のファッションウィーク。その中でのメインショーはファッショウィーク最終日に開かれるFairy tale's Collection。デザイナーにとってもモデルにとっても夢の舞台!その舞台でベストモデルに選ばれるとプリンセスと呼ばれファッショニアのアイコンとなる!現在2年連続でファッショニアのアイコンを飾るプリンセスはトップモデルのシンデレラ!今年も彼女がプリンセスとなるのか!?」

マリン「これ、前回行われたファッションウィークのテレビ中継の奴ですよね?」

スワン「そう、やっぱりこの辺に住んでる女の子は観てるよね〜」

マリン「まぁ、一大イベントですし…、おもむろにアイパッド出してきてなにかと思いましたけど…」

スワン「私は広告代理店の者で、スワンと言う。実は今モデルを探してるんだ。君、名前は?」

マリン「え、マリン…ですけど、本物…?」

スワン「本物だよ本物!これ名刺ね」

マリン「…アンデルセン…聞いたことある会社名だけど、広告代理店だったんだ」

スワン「そ、広告関係の仲介人さ!この街じゃ大手の方だけど、一般の女の子にも知られてるのは嬉しいなぁ!」

マリン「まぁ…」

スワン「で、どう?モデルやらない?コーデのセンスもスタイルも悪くないし…ショーウィンドウ眺めてたからファッションに興味あるでしょ!?」

マリン「いや、興味はありますけど…だからって本物かどうか信じてませんから!」

スワン「あー、最近スカウトなんてやらないし、危ない仕事とかあるからね…すぐに信用しないのは良いことだよ!」

マリン「はぁ…」

スワン「でも、僕は本物だ…と、言ってもすぐにそれを証明出来るものはないが……あ、そうだ!マリンちゃんだったよね?近々僕の親友のブランドが自社の本店で新作のファッションショーをするんだ!見においで」

マリン「え⁉︎」

スワン「大丈夫!話は通しておくから、名前を言って、その名刺を出せば多分大丈夫だから。ブランド名はね…」

マリン「ちょっと、そんないきなり…」

スワン「僕、人を見る目だけはいいんだ♪」

マリン「…は?」

スワン「騙されたと思ってきてごらん?僕にとっても君にとっても大きなチャンスになるかもしれない」

マリン「チャンス…?」

スワン「そう、ブランド名はね…」


マリン(モノローグ)「この街はファッションが全てだ。真っ直ぐ伸びたランウェイの先で素敵な服を着た自分が立つ姿…この街に住む女の子はみんな憧れた。トップモデル、最高の広告塔。プリンセスの座を…だって私も、プリンセスになりたかったから…!」


マリン「言われた通り来てみたけど…超有名ブランドじゃん…Snow Queen…ってフェアコレでもメインブランドで大トリ飾ることもあるレベルの…間違えたかな…その新作発表のショーとか…人多いし、いや絶対騙されたよね!?」

スワン「あ、マリンちゃーん!来てくれたんだね〜?」

マリン「ひっ⁉︎」

スワン「えぇ…めっちゃ驚かれた…まぁ、いいや。見つけられて良かった〜。人多くて警備も厳しいから名刺だけで通れるか不安になっちゃって…」

マリン「本当に入れるんですか…?」

スワン「大丈夫大丈夫!ここのオーナーと僕は子供の頃からの親友なんだ!」

マリン「でも、ここ一流ブランドのSnow Queenですよ…」

スワン「お、やっぱり知ってるんだ!さっすが〜」

マリン「茶化さないで下さい!まだ貴方のこと信用してませんから…」

スワン「中に入れたら信用してくれる?」

マリン「…ちょこーっとだけなら」

スワン「十分だ!じゃあ行こうか!」

マリン「え?ちょ、待って下さい!」


MC「レディースエンドジェントルマン!ようこそSnow Queenの春の新作ファッションショーへ!」

マリン「嘘…本当に入れるなんて…」

スワン「だから言っただろう?ここは僕、顔パスで通れるんだ♪」

マリン「絶対追い返されると思ったのに…」

スワン「本来はあまりスカウトとかしないんだけどねー…規制とか出て来たし、でも今回はびびってきてね!君なら親友も気に入ってくれるんじゃないかな〜?」

マリン「え?」

スワン「始まったよ」

MC「では、Snow Queenの新作発表、まず一つ目はー」

(モデルがランウェイを歩く)

マリン「うわぁ…!」

スワン「今回はモデル事務所の子を使ってるんだ」

マリン「凄い…あんな綺麗な服…生で見れるなんて…」

スワン「ふっ…、着てみたいと思う?」

マリン「え!?」

スワン「僕は次のプリンセスを探してる。プリンセスは最高の広告塔だって知ってるよね?今のプリンセスは分かる?」

マリン「シンデレラさん…」

スワン「そう、GLIM Doleっていう大手モデル事務所の看板だ」

マリン「はい…今3年連続でプリンセスになってるトップモデルの…」

スワン「うん。僕は広告代理店を経営してるんだけど…正直GLIM Doleは敵だ…!GLIM Doleの社長…ターリア・グリム…。彼女は別の広告会社と契約しているからこちらに仕事が回らないんだ…勿論Snow Queenみたいに幾つか契約してるブランドや会社はあるんだけれど…」

マリン「プリンセス…」

スワン「そう、…プリンセスを持つモデル事務所だ…シンデレラは勿論、所属する他のトップモデルも人気は高い」

マリン「じゃあ何で街スカウトなんて…他にも有名モデル事務所はあるはず…」

スワン「モデル事務所と契約するとそっちにもお金回さないといけないし、手間がかかる…でも、うちでスカウトしたモデルを使えばそういう手間は省けるし、直接の手柄になる…おまけに意外性がある」

マリン「なる…ほど…」

スワン「というわけで、僕に協力してほしいんだ」

マリン「私に…出来るんですか…?」

スワン「それは…やってみないと分からないけど、こんなチャンス二度とないかもよ?」

マリン「………」

スワン「我がアンデルセンのモデルになってくれ」

マリン「……………もう少し考えさせて下さい」

スワン「充分だよ…!」


Snow Queen本社 控え室

グラース「はぁ〜あ…インスピレーションが湧かないわぁ…」

キャット「え?今回の新作発表のショーも盛り上がってたじゃないですか!Snow Queenのオーナーで一流デザイナーのグラース・ラヴァーネさんのデザインしたモードファッションは小さいショーでも注目度は高いんですから!」

グラース「その中の記者の1人に言われてもねぇ…いい?キャット・ポッドちゃん。モードは最先端よ…終わりなき探究心、止まらない創作意欲…私は常にそういうインスパイアに駆られたいのよぉぉ!」

バン!と、扉を開けてスワンとマリン入室

スワン「やぁ!ここにいたかマイベストフレンド、グラース!」

グラース「あらやだ…来てたのねスワン」

スワン「あれ、何か歓迎ムードじゃない…?」

グラース「何しに来たのよ?私は今絶賛不機嫌よ」
スワン「僕はSnow Queenと専属契約してる広告代理店の社長だ!新作発表のショーの告知をやったのは誰だ?ついでに、フリーだけど実力あるライターを紹介してやったろ?」

キャット「その節はどうも…」

グラース「わかったわよ!…それで、何の用?…ん?その子は?」

マリン「は、初めまして…」

グラース「あら、あらあら…」

マリン「えっと…何ですか?ち、近い…」

グラース「どしたの?この子…」

スワン「スカウトした!うちの専属モデルとして…まぁまだ保留なんだけど…」

グラース「そぉ…ふ〜ん…貴方にしてはいい仕事するじゃなぁい!お礼にチューしてあげちゃう♡」

スワン「うわぁっ!くるな!それだけはやめろ!」

グラース「冗談に決まってるじゃない。何であんたなんかにするのよ」

スワン「よかった…本気で焦った」

グラース「貴方、お名前は?」

マリン「え、…マリン・バブルです」

グラース「マリンね?私はグラース・ラヴァーネ。Snow Queenのオーナーで、現役でデザイナーとしても活動してるわ」

マリン「は、はい!知ってます!フェアコレでも大トリになる事もある有名デザイナーさんですよね⁉︎本物を生で見れるなんて感動です…!」

グラース「やだ、この子褒め殺しに来てるぅ!超可愛い〜!」

スワン「お気に召した様でよかったよ」

グラース「流石スワン、私の親友ね。分かってるじゃない私の好み…。わざわざ探して来てくれるなんて思わなかったけど」

スワン「いい加減僕もGLIM Dole関係に仕事を奪われたくないんでね…それに、いくら世界一のファッションの街と謳われるファッショニアでも新しい風を入れないとマンネリ化してしまうだろ…?」

グラース「あら、革命を起こすの?慣れないことしちゃって…」

マリン「あの、私まだ…モデルになる気は」

グラース「あら、マリン!私のデザインした服が着れないっていうのぉ?」

マリン「いや、そういう訳じゃ…」

グラース「あ、そう?じゃあ試しに着てみましょうか?まずは採寸よ。リップはいるー?リップちゃーん!」

(別室からリップが現れる)

リップ「は、はい!」

グラース「彼女はリップ。私のアシスタントって所かしら」

リップ「リップです…初めまして、よろしくです」

マリン「ま、マリンです…」

グラース「リップ、隣の部屋で採寸してきてちょうだい」

リップ「了解しました!行きましょうマリンさん」

マリン「え、あっ…ちょっと、引っ張らないで下さい!分かりました!行きますから〜!」

(マリンとリップ部屋を出て行く)

キャット「まさかの広告代理店専属のモデルですか…これは確かに有利ですね」

グラース「えぇ、彼女が活躍したらアンデルセン関係の広告は彼女が占めるものね」

キャット「これは僕も記事にしますよ〜!」

スワン「ありがとう、キャット君」


別室

リップ「はい、次は脚の採寸していきますよ」

マリン「あ、あの…リップさん」

リップ「はい?」

マリン「私、あの…やっぱり無理です」

リップ「え?何でですか!?体型は特に問題ないですし、今後の方針はスワンさんが決めると思いますし…」

マリン「違う…。私、モデルにはなれないと思います…その、実は…これ」(ふくらはぎを見せる)

リップ「……!」

マリン「…事故に巻き込まれて…小さいけど脚に、傷が出来ちゃったの…あまり良くないんじゃないかなって…」

リップ「それは…グラースさんに聞いてみないと分かりませんが…大丈夫だって言われたらモデルやりますか?」

マリン「え?」

リップ「傷があってもモデルが出来るならやりますか?」

マリン「…うん…やれるなら…やりたい。モデルは私の夢だったもの…」

リップ「じゃあ、まずはその気持ちをグラースさんにぶつけましょう!私も説得します!服は丈が短いのだけではないんですから」

マリン「…ありがとう、ございます!」

グラース「リップにしては遅いと思って覗きに来たけど、なぁにそんな話?」

リップ「うわぁ!グラースさん、いつのまに!?流石にダメですよ、女の子の採寸中に!」

グラース「採寸用のシャツとスパッツ着てるじゃない?どーせ後で採寸結果見るんだし」

リップ「しかし…」

グラース「ところで、そのふくらはぎの傷がどうしたの?」

マリン「…交通事故で…この傷は一生なくならないって言われました…でも、私モデルになりたいんです…!」

グラース「渋ってた理由はそれだったの…まぁ、傷のついたモデルなんて着る服が限られるし、不利よねぇ…撮影にもショーにも傷が見えない様にしないといけないし…」

マリン「…」

リップ「ダメ…ですかね?」

グラース「私は気にしないけどね」

マリン「え?」

グラース「私は私の服を着てくれるモデルを探してるだけ、撮影のポージングは貴方の技量次第。仕事内容はそれを持ってくるスワン次第。もしも貴方の為に服を作るならそれを見せない様にする私の実力次第…違う?」

リップ「じゃあ…!」

グラース「私は貴女が気に入ったの、マリン。…スワンが見つけてきて次のプリンセスにふさわしいと言ったのよ…私は彼の審美眼を信じてる…だから私は彼に賭けた」

マリン「……」

グラース「貴女はこのチャンスを泡にするの?」

マリン「…!……嫌だ、私はプリンセスになりたいです!」

リップ「マリンさん…!」

グラース「ふふっ、よろしくね?アンデルセンのモデルさん♡」


GLIM Dole社内

ターリア「ふぁ〜あ、やだ…居眠りしちゃってた?」

シンデレラ「ターリア社長はお忙しい身ですから、無理はなさらないで下さい?」

ターリア「貴女も3年連続でプリンセスなんだから…忙しいでしょシンデレラ?気を抜かないでよ?もう次回のフェアコレにも備えないと…」

シンデレラ「勿論です。プリンセスの座を降りるつもりはありません…!」

ターリア「その域よシンデレラ…」

シンデレラ「で、次のフェアコレで私を使うのは何処のブランドですか?社長ならもう決めていますよね?」

ターリア「勿論…ラプンツェル」

(ラプンツェル入室)

ラプンツェル「初めまして…」

ターリア「ファッションブランドTia(ティア)のデザイナー、ラプンツェルよ」

シンデレラ「へぇ…よろしくお願いしますわ」

ラプンツェル「え、えぇ…」

シンデレラ「有名ブランドの方ね…ふふっ、さぞかし素晴らしいデザインを提供してくださるのね?」

ラプンツェル「え」

シンデレラ「期待してますわ…ラプンツェルさん」

ラプンツェル「え……」


アンデルセンsaid
机の上に数冊の雑誌が置かれてる

リップ「うわぁ!凄い凄い!マリンさんがいっぱい写ってるー!」

マリン「…雑誌に私が載ってる!」

グラース「素人にしては出来がいいわね〜。ま、私のブランド着てるから当然よね」

リップ「でも、撮影見てましたけど何か慣れてる感じがありました…もしかしてモデル経験者ですか?」

マリン「あ、…うん…学生の頃…怪我をする前に少し…」

グラース「そうだったの…」

マリン「その後、怪我をしてしまってからモデルとかはやらなかったんです…私の傷が折角のコーデを台無しにしてしまいそうで…」

リップ「マリンさん…」

マリン「それ以来脚が出るコーデはしなくなって…でも、服は好きだし、短い期間だったけどモデル活動は楽しかったんです!だからまたこの場に立てるなんて…、ましてや今度はプリンセスを目指せる場所にいるなんて…夢見たい…本当に、スワン社長や皆さんのおかげです!」

グラース「本人が居たら泣いて喜びそうね。ま、私は私のデザインを引き立たせてくれたら充分よ♪」

マリン「リップさんも…撮影の時のスタイリング、ありがとうございました!」

リップ「…マリンさんは凄いですね…」

マリン「え?そんな事…」

リップ「凄いです…。モデルとしてハンデがあるのにそんな前向きに…」

マリン「夢でしたから…。モデルは、プリンセスは……何処かで諦めたくないって思ってたのかも…だから怪我をした後も…色々気にしてたのかな…」

リップ「凄いですよ…私はもう、そういう気持ちはないですもん…」

マリン「え?それって…」

(スワン入室)

スワン「マリン!仕事が入ったぞー!」

マリン「わっ!社長!?」

グラース「あらあら順調そうねスワン」

スワン「あぁ!お陰様でね。うちと契約してるブランドの殆どがマリンを使いたいと言うんだ!最初にグラースのブランドで大々的にアピールしたお陰でね!」

グラース「あらぁ、お役に立てて嬉しいわ」

スワン「あぁ、ありがとう!お礼にちゅーしてやろうか?」

グラース「遠慮するわ、気持ち悪い」

スワン「そうだな、私も言ってて気持ち悪くなった!しかしこれで次のフェアコレも注目度が上がる筈だ!」

グラース「あら、もう次のフェアコレの話?」

スワン「当然だ。あのファッションウィークは常にモードスタイル!最先端を動き続けるには立ち止まることを許されないんだぞ」

リップ「スワンさんすっごい張り切ってますね」

グラース「マリンが大活躍だからねぇ…本当にスワンの審美眼は素晴らしいものね」

マリン「スワン社長…」

スワン「マリン、大変だと思うけどプリンセス目指して頑張ろね!」

マリン「は、はい!」


GLIM Dole said

ターリア「何これ…私がお昼寝してる間にあの醜いアヒルさんは金の卵でも産んでたわけ…?」

シンデレラ「…マリン」

ターリア「広告代理店で契約したモデルね…。モデル事務所通すより都合がいいものね」

シンデレラ「ずいぶん注目度が高いですね…デビューしてすぐにSnow Queenのブランドで広告を飾ってる…見た目も申し分ない…」

ラプンツェル「こっちの雑誌では次のフェアコレでグラース・ラヴァーネのデザインした衣装を着るのは彼女じゃないかって書かれてますよ」

ターリア「は?」

ラプンツェル「うっ……、」

ターリア「次のフェアコレラストはグラースのデザインだって噂なのに…チッ」

シンデレラ「焦る必要はありませんよ…ターリア社長…そうでしょう?」

ターリア「…そうね。そう簡単に転ばないわ」

ラプンツェル「…え?」


アンデルセンsaid

リップ「またマリンさん表紙ですね!流石です」

マリン「えへへ…この時のグラースさんのデザインした服、格好良くていっぱいポーズ撮っちゃった…それに、リップちゃんが今みたいにスタイリングしてくれて嬉しいの…」

リップ「そ、そんな…」

マリン「なんだか…自分でやるより客観的な見せ方が出来てるような気がして…。すごいね。モデル、コーデ、スタイリングが噛み合ってる感じがする…!」

リップ「そうですね…!」

マリン「ファッションウィークも少しずつ近づいてるし…」

リップ「はい!マリンさんならプリンセスになれますよ!」

マリン「…それなんだけど、」

リップ「どうしました?」

マリン「私…こうやってモデルやってるけど、モデルってマネキンだよね…服を見せるための人形」

リップ「え?」

マリン「私達がランウェイでやる事は自分を見せる事じゃない…服を見せる事…デザイナーさんが作った服を最高の形で見せること、それが出来ない事にはプリンセスなんて出来ないよね?」

リップ「…私はモデル志望ではないですが、…確かにファッションショーですもんね!自分の作った服をトップモデルの方に着て貰い、ランウェイを歩く姿を想像すると…夢のようです!」

マリン「え、リップちゃんってデザイナー志望だったの?」

リップ「あ、いや…気にしないで下さい…。しかし、どうして急にそんな事を?」

マリン「色んな服を着れるのが楽しくて…やっぱり私は服が好きだなって思ったの。それがショーや雑誌とかで広まって、その服が世界中に知られるのが嬉しいの!」

リップ「……」

マリン「も、勿論プリンセスも憧れてて…なんだろう…モデルとしても活躍したいし、服をもっと魅力的にみせたい…うぅん…上手いこと言えないや…」

スワン「それで、充分だよ…」

リップ「スワンさん!」

マリン「社長…!」

スワン「ごめんね、話し声が聞こえてきて…。でも、マリンの姿勢は素晴らしいと思うよ。その気持ちは忘れてはいけない…」

マリン「でも、私は広告代理店のモデルですからプリンセスになればアンデルセンは…」

スワン「安泰だね…でも、服が好きでもないモデルにプリンセスはなれないよ?そもそも僕がそんな君ならお断りだ」

マリン「…」

スワン「実は…僕は昔、モデルを夢見てたんだけど自信がなく早々に諦めたんだ。だけど、服は好きでね…グラースがデザイナーになりたいと言った時、僕は彼のデザインに感動した…!彼の作品を知らしめたいと欲が出たんだ。そして広告代理店を経営する事を決意したんだ…」

マリン「そうだったんですか…」

スワン「やはり、僕の目に狂いはなかった…!彼は素晴らしいデザイナーとなったからね!…そして、今度は君にその目が向いたんだ。君が言う、服が好き、色んな服を着たいという欲…もっとぶつけてくれたまえ!」

マリン「欲張りじゃないですか…?」

スワン「夢を現実に変える街ファッショニアだよ?…それくらい普通さ!」

マリン「……!」

リップ「…夢を現実に」

グラース「あ、スワン。ここに居たの?」

スワン「あぁ、グラースどうしたんだ?」

グラース「ちょっとあの子見かけなくてね…」

マリン「あの子…?」

グラース「キャット・ポッドちゃんよ…記者の…さっきまでいたのに…」

スワン「フリーライターだからといって勝手に行動されるのは困るな…次のフェアコレのデザインもほぼ出来てるんだろ?」

グラース「そーよ♡期待しててねマリンちゃん♪」

マリン「わ、私が着ていいんですか!?」

グラース「もっちろんよ!」

リップ「…」


Snow Queenオフィス内

キャット「ふっふっふっ〜。プリンセスがいる場所は氷のお城じゃなくて華やかなお城なんだよ…」

キャット「えーと、グラースのパソコンを起動して…確か……ふふっ、これくらい簡単に入り込めるなぁ…」

キャット「これがデザインねぇ…?やっぱりデザインだけならフェアコレのトリを飾れるレベルだよなぁ…でも、今回はコーデもモデルもGLIM Doleのものだ!プリンセスの座はシンデレラのものなんだよぉ!」


アンデルセンside
グラースの仕事部屋

グラース「…どうなってるの!?」

スワン「どうしたグラース?」

グラース「そんな…私のデザインが消えてる…!?何で…バックアップも残ってない…嘘でしょ!?」

マリン「どうしたんですか!?デザインって何の?」

グラース「次のフェアコレで登録するはずだったデザインよ!貴女が着る予定だった衣装!」

マリン「え!?」

スワン「パソコンが壊れてたのか…いや、不具合なんてなかった筈…」

グラース「誰かが消したのよ!きっとそうよ!」

マリン「誰かって…一体…」

スワン「…まさか!?」

マリン「心当たりがあるんですか!?」

スワン「キャット・ポッド…」

グラース「え?あの子が…」

スワン「ここ数日姿を現さないし、連絡もつかないんだ…。密着取材って事で君のそばにずっと付いていたが…いや、疑うのは良くないな…デザインを作り直せるか?」

グラース「簡単に言わないでちょうだい!全てのデータが消えてるのよ?最高のインスピレーションはそう簡単に蘇らないの!氷が溶けて水になったら元の形には戻らないのよ!」

スワン「……っ、そうか…なら新しくデザインを考えてくれるか…?まだ衣装を作る時間はある…」

グラース「…やってはみるわよ」

マリン「…スワン社長」

スワン「あぁ、マリン…君は気にしないで。午後から撮影があるだろう?そっちに集中しなさい」

マリン「でも…」

スワン「大丈夫…!絶対にどうにかしてみせるから」

マリン「……」

①①
GLIM Dole
社長室

ラプンツェル「このデザインは…」

ターリア「Snow Queenのオーナー、グラースのデザインよ」

ラプンツェル「それが、何でここに…」

ターリア「そんな事はいいじゃない。それよりラプンツェル、ちょっといいかしら?」

ラプンツェル「え?…何ですか…?」

ターリア「このデザインをシンデレラに似合う様に…アレンジして欲しいの」

ラプンツェル「え!?なんでそんな事を…」

ターリア「あんたのデザインも悪くはないけど、あの子にプリンセスとして君臨し続けてもらう為にはそれに見合ったデザインが必要なのよ」

ラプンツェル「だからって…、私はTiaのデザイナーとして、自社のブランドを背負ってここにいるんですよ!?」

ターリア「………はぁ。ラプンツェル、これはお願いじゃなくて、命令よ。シンデレラの為のドレスを仕立てなさい!いいわね?」

ラプンツェル「………は、い」

①③
GLIM Dole
別室

シンデレラ「うふふ、社長も随分愉快な事をしてますね…」

キャット「いや〜、デザインデータをおばさんのとこに持って行ったらあのデザインナーとすれ違ったからさ、面白い事が起きそうだなぁって思って録画回しちゃったよ!」

シンデレラ「あらあら記者の役が染み付いてますね…でも、社長も私の為に頑張ってくれているんですもの…きちんと結果は出してあげなくては…」

キャット「よく言うね〜!微塵も思ってないくせに!」

シンデレラ「ふふっ…そりゃあ、拾われた恩義はありますが、過去の栄光に縋って私に自分を写している愚かな元プリンセスを尊敬なんて出来ます?現プリンセスは私、シンデレラですのよ?」

キャット「ま、僕はお小遣い稼ぎでおばさんを手伝ってるだけだしぃ…でも、あのオネェ野郎の所に飛ばしたのは恨んでるけど…それも、もう終わり…」

シンデレラ「んふふ…もう少し社長のお人形さんになってあげましょうか…私があの伝説のプリンセスと並べるまで…!それまでは社長の下で働かなくてはいけませんわ…」

キャット「あはは!どっちが操り人形かわかんねぇよその言い方じゃあ!あっははははは!」

①④
MC「今年も始まりました!夢を現実に変える街ファッショニアで開かれる世界一のファッションウィーク!今回も期間中に街の至る所でファッションショーが開かれます!中でもメインイベントは期間最終日に開かれるFairy tale's Collection!今年もトップモデルの現プリンセスシンデレラが登場するぞ!そして注目すべきは大型ルーキーマリン・バブル!シンデレラが今年もプリンセスとなるのか?それともマリンが新プリンセスとなるのか!?」

スワン「ついに始まったか…」

マリン「あの…」

スワン「君は最終日のフェアコレは勿論、他のショーにも出てもらう。大丈夫かい?」

マリン「はい!…でも、フェアコレの衣装は…」

スワン「…話は通してあるけど、本番までに間に合うかはまだ分からない…グラース次第だ」

①⑤
グラースの仕事部屋

グラース「だめ!私が思いついたのはこんなのじゃないわ!」

リップ「グラースさん…」

グラース「もうだめ…、私のデザイン…何処いったのよ。これじゃ…フェアコレに出せない!」

リップ「…夢を…………。…グラースさん!」

グラース「な、何?リップ…」

リップ「このデザインを見てください!」

(グラースの机に数枚の紙を出す)

グラース「…これは…どうしたの、このデザイン?」

リップ「私がデザイナー志望で、グラースさんの弟子としてアシスタントになっのは覚えてますよね?」

グラース「え、えぇ…」

リップ「でも、グラースさんのデザインを間近で見続けてたらだんだん自信がなくなってしまって…で、でも、私マリンさんやスワンさんを見てたらまだ、諦めたくないって思ってる自分がいたのに気づいたんです…!ここは、夢を現実に変える街です!もし、このデザインが私のチャンスになるなら…!」

グラース「リップ…」

リップ「実はこのデザインサンプル衣装を作ってます!マリンさんを見た日から私もインスピレーションが湧いて、作ってみたくなったんです!マリンさんをイメージした服です…どうでしょうか?」

グラース「………ふっ、私のデザインを間近で見てただけはあるわね…でも、まだ甘いわ」

リップ「…やっぱり」

グラース「サンプルは持ってこれる?私がアレンジするわ。ベースはこれで」

リップ「えっ!?」

グラース「今度は私がアシスタントよ。フェアコレに相応しい物にしてあげる。いつか貴女のデザインがフェアコレに出れるようにお勉強よ?」

リップ「は、はい!」

①⑥
MC「いよいよファッションウィーク最終日!期間中のメインイベントFairy tale's Collection!デザイナーとモデルの夢の舞台が幕を開けます!今年もシンデレラがベストモデルに選ばれプリンセスとなるのか?それとも大型ルーキーマリン・バブルが選ばれるのか!?」

2階特別観覧室

グラース「始まったわね。マリンは大丈夫?」

スワン「あぁ…リップにスタイリングしてもらっている。僕は衣装をちゃんと見れてないけど、出来はどうだい?」

グラース「あの子は私の弟子よ。それに私がアシスタントしたんだから、ステージには相応しいデザインにはなってるわ」

スワン「そうか…」

(楽屋)

マリン「この衣装…」

リップ「丈が膝までです。大丈夫、このタイツでふくらはぎの怪我は隠せます」

マリン「そっか…!」

リップ「…これは私がマリンさんを見てイメージしたデザインです。グラースさんに手伝ってもらいましたが、ベースは私のデザインです」

マリン「リップちゃん…」

リップ「私はデザイナーを諦めてませんでした!それはこの衣装が証明しています!」

マリン「うん…これが私のイメージなら、脚の怪我も怖がってちゃいけないね!リップちゃんの作ってくれたこの衣装の為にも!」

リップ「はい!では最終チェックしますね!」

①⑦
MC「続きまして、ブランドTia。デザイナー、ラプンツェル。モデルは現プリンセス、シンデレラの登場です!」

(シンデレラがランウェイを歩く)

グラース「あの衣装!?私のデザインじゃない!」

スワン「…大分アレンジが加わってるが、ベースはお前のデザインだな」

キャット「あれれ?出場してたんですか〜?」

スワン「キャット!」

キャット「おかしいなぁ〜。絶望してフェアコレに出場出来ないんじゃないかと思ってたのに」

スワン「お前はGLIM Doleの者か?」

ターリア「えぇそうよ」

グラース「ターリア!?」

ターリア「この舞台はプリンセスの続投を祝うショー…。何処ぞの馬の骨とも知らないお魚さんには早すぎるわよ。アヒルさん」

スワン「…」

グラース「貴女達の仕業だったのね!?私のデザインを奪って…」

ターリア「あの子に相応しい衣装でしょ?今年のプリンセスもあの子のもの…私が成し遂げられなかったプリンセス続投を難なく成し遂げてくれた可愛い私のオモチャ…」

スワン「そういえば、君もプリンセスに」

ターリア「あの子なら伝説のプリンセス、アリスにも敵う相手…!ふふ…私の代わりに夢を叶えてくれるのよ!」

スワン「………それはどうかな?」

ターリア「何?」

スワン「君のやり方は汚すぎる。そんな考え方では君もシンデレラも救われない。君は目を覚まさず、あの子は灰かむりのままで終わるね」

ターリア「私に説教しないでくれる?醜いアヒルの分際で!」

スワン「失礼…私はもう自分の過去には後悔していないんだ…私は前を向いている。友のため、部下のため、自分自身のために」

ターリア「…」

①⑧
MC「最後はブランドSnow Queen。デザイナーリップ&グラース。モデルは人気急上昇中のマリン・バブルの登場だー!」

(マリンがランウェイを歩く)

ターリア「…嘘、何あのデザイン!?」

グラース「誇らしいわね」

スワン「あぁ。やはり僕の目に狂いはなかった!」


マリン(モノローグ)「モデルは私の夢だった。プリンセスは高嶺の花…。脚の怪我を理由に夢は泡のように弾けてしまった…暗い水の底で脚を動かす事が怖かった。でも、スワンさんが見つけてくれて、グラースさんが仕立ててくれて、リップちゃんが勇気をくれた。私は諦めないでいいんだって思えた!私は…また夢を追う…そして大切な人達を世界に自慢したい!私をこの場に立たせてくれたあの人を。この素敵な衣装を仕立ててくれたあの人達を!」


シンデレラ「マリン…何て堂々としたポージング…」

スワン「彼女は僕達が掴んだチャンスであり、最高のプリンセスだ!」

①⑨
MC「さぁ、これで全てのデザインとモデルが出揃いました!それでは審査の方に移りますが、ここでスペシャルゲストの登場です!」

シンデレラ・マリン「え!?」

MC「伝説のプリンセス、アリス・キャロルー!」
マリン「アリスって…」

シンデレラ「5年連続プリンセスに選ばれた…伝説の!?」

(アリス登場)

アリス「初めまして、私がアリス・キャロル…懐かしいわねこのステージ…。私が立ってた頃に比べたら…随分レベルの高いデザインとモデルさん達ね。素晴らしいわ」

MC「なんと、今年のプリンセスはMs.アリスにより指名されます!」

マリン「アリスさんに!?」

アリス「そう…、責任重大で困ってるわ…。でも、ちゃんと決まってるから安心して?」

シンデレラ「あのアリスが…目の前に…」

アリス「はっきりと言うわ。デザイン性はシンデレラの方が高い。でも、モデル性としてはマリンの方が僅かに優ってる」

シンデレラ「な、何故!?」

アリス「モデルは服を見せるマネキンよ。自分をメインに見せてはいけないの。貴女の自信は素晴らしい心持ちだけど、どうやって服を立たせ自分に合わせられるかが重要なのよ」

シンデレラ「…っ、」

アリス「その点はマリンが優ってる。服を愛して、愛されてる。でも、まだ若いわね。服も貴女の経験も…でも、それはこれからも伸び続けるわ」

マリン「は、はい!」

アリス「さて、結果だけど…プリンセスはいない。以上よ」

マリン「え?」

シンデレラ「どういうことですか!?」

アリス「相応しくないのよ。まだ、ね。無理に決める必要はないのよ。ベストモデルなんて…それにそれが貴女に一番相応しい衣装だと思ってるの?シンデレラ…魔法にかけられた薄汚れたドレスじゃない」

シンデレラ「なっ…」

ラプンツェル「ばれてた…?」

ターリア「くそっ…!」

アリス「そして、マリン。貴女はまだ海に上がったばかりで、足が覚束ない状態ね…」

マリン「…」

アリス「でも、いつかその足になれる日は来る。その時が貴女がプリンセスに選ばれる日よ?泡にならないように気をつけてね?」

マリン「……!はい!」

リップ「マリンさん……!」

(拍手・観客の湧く声)

マリン(モノローグ)「こうして、ファッションウィークは終わり、今年のファッショニアにはアイコンが無くなった。でも、私は仕事が増えて忙しくなってスワン社長はすっごく張り切ってる。そういえば、有名ブランドのTiaが専属契約を結んでくれてたっけ?ラプンツェルさんのデザイン好きなんだよね!…あの後GLIM Doleがどうなったのかは分からないけど、シンデレラさんの広告はよく見かけるし、活動はしてるんだと思う。私もシンデレラさんに負けないように頑張るつもりだし、何より友達の衣装をもう一回着てみたいの!」

②⓪
スタッフ「一旦休憩入りまーす」

(お疲れ様でーす。)←等のがや

リップ「マリンさん、お疲れ様です!髪型直しますね」

マリン「あ、有難うリップちゃん」

リップ「仕事も増えてきて大変ですね」

マリン「そうだね、でもやっぱり楽しいよ!」

リップ「はい…私もです。マリンさんといると良いイメージが湧いてくるし…」

マリン「え?それって新しいデザインが思いついたの?」

リップ「え?えぇ、まぁ…まだまだグラースさんには及びませんが…」

マリン「楽しみにしてるね!」

リップ「…!有難う御座います…。マリンさんに言われると…勇気が湧いてきます…!」

マリン「私も、リップちゃんがそばにいてくれると頑張ろうって思えるの!」

リップ「マリンさん…」

スタッフ「撮影再開しまーす!」

マリン「はーい!有難うねリップちゃん!」

リップ「あ、はい。頑張ってくださいねマリンさん!」

マリン「……、マリンでいいよ!リップ!」

リップ「…!…はい、マリン!」

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