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吹きガラスのグラスが出来るまでVol1

ガラスの原料について

ガラスの成分などが気になる方向けの内容です。
弊社の素材と作成方法は

素材…クリスタルガラス
作成方法は…宙吹きガラス
を採用しています。

吹きガラスの種類

吹きガラスには宙吹きガラスと型吹きガラスがあります。
・宙吹きガラス…オールハンドメイド
・型吹きガラス…型にガラスを吹き込んで作成する方法
グラスなどに使われるガラスですが様々な原料を混ぜてガラスの性質を決めます。

ガラス原材料

ガラスの原料は3点あります。
①    珪砂(ケイシャ)
②    ソーダ灰
③    石灰
の3つの原料のみで基本的なガラスをつくることも可能ですが、
また別の原料を追加することでガラスに特性を加えることが出来ます。

①    珪砂
主に石英からなる砂で、花崗岩などの風化でできます。
ホームセンターなどでキロ単位の販売をされています。

②    ソーダ灰
工業用の無水炭酸ナトリウムの俗称で99%以上の炭酸ナトリウムを含んでいることが規定されています。
ガラスの製造原料として使用させることが多いですが、繊維の処理や石鹸、排気ガスの捕集など様々な用途に利用されています。
ソーダ灰もホームセンターでキロ単位の販売をされています。

③    石灰
酸化カルシウムのことです。生石灰(酸化カルシウム)と消石灰(水酸化カルシウム)があります。
生石灰(酸化カルシウム)は非常に安価で購入できることが特徴で乾物類のおせんべいの乾燥剤として使われています。
消石灰(水酸化カルシウム)は園芸や農業で使用され、酸性化した土壌にまいて中和させる目的使用されます。
消石灰は生石灰に水分を加えて発熱し終わった物質です。
生石灰を主にガラスの原料に使用しますが、消石灰を使用することもあります。確認すること!
 
消石灰はホームセンターでキロ単位の販売をされていますが生石灰は薬品会社などの通販サイトで販売しています。
生石灰は500g以上を使用、貯蔵するときは最寄りの消防署に届け出が必要です。

この3種類を混ぜることでガラスができます。

その他のアクセント

また用途によって以下の素材を混ぜることでガラスに特性をつけることが出来ます。

*見栄えをよくするために使用する素材
・鉛…ガラスの輝きや光沢の向上と屈折率を大きくするために使用します。
一般的に24%の含有率のガラスをクリスタルガラスと呼び、大体4%~24%の含有率の間です。
鉛の含有率が多いほど、重くなり表面のカットがしやすくなります。

近年、環境問題が取り沙汰されて鉛が問題視されることも増えました。実際にガラスで用いられる鉛が環境にどれほど影響を与えるのか微妙なところですが鉛以外の素材を使用することも増えてきたようです。個人的な意見ですが、革に仕様される3価クロムと同様に可能性があると考えられる程度だと思っています。
経済産業省のデータを見る限りほとんどの鉛が蓄電池に用いられているようです。
https://www.fsc.go.jp/koukan/risk-namari2003/risk2003_oosaka/risk200326_oosaka_kouensiryou2.pdf

鉛以外の方法では「炭酸カリ」、「ホウ素」「水酸化アルミ」「亜鉛」「炭酸バリウム」などが用いられることもあります。

*色を付ける
・うすい青色…酸化ネオジム(他の色を体色させる効果もある)
・うすい黄色…酸化セリウム
・うすいピンク色…酸化エルビウム
・紫色…酸化マンガン
・青色…酸化銅

*加工に関して
・ガラスが固まるスピードを上げる…水酸化アルミ
・ガラスの固まるスピードを下げる…酸化亜鉛(光沢が出る効果もある)
・溶接しやすくする…炭酸カリ
・ガラスを溶けやすくする…炭酸リチウム(ガラス工芸では使われない)

いつも自宅で使用しているガラスですが色々な素材を使って出来ていますね。
次回は吹きガラスについて書いていきます。

2024年7月20日
MOTHER’s DIAMOND
BRAND MANAGER

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