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目の前のお客様に真摯に向き合う。それが「楽しく美しく社会を変える」ことにつながる。(20新卒/永田健一朗)

仕事内容や大変なこと、やりがいなど、マザーハウスではたらくリアルをスタッフに聞く「スタッフインタビュー」。
今回はマザーハウスに新卒で入社し、現在は京都三条メンズ店で勤務している、永田健一朗に話を聞きました。

プロフィール

永田健一朗

永田健一朗 / ながた けんいちろう
京都三条メンズ店 店舗統括責任者

2020年 新卒入社
2020年4月新卒入社で大阪店へ配属。その後、2021年6月に京都三条メンズ店オープンに伴い、社内公募に応募し、同店へ異動。2023年10月より店舗統括責任者を務める。

永田さんの興味関心は、途上国とか国際協力とはまた少し違うところだったかと思うのですが、どうしてマザーハウスに入社しようと思ったのですか?

 面接を受けた当時から、少し考えが深まった部分もあるのですが、一番は「楽しく美しく社会を変えようとしているところ」に強く共感したからです。
 僕は学生時代から都市の環境問題やジェンダーの問題に関心が強く、大学の研究に加えて、国内のNPOを中心に活動を続けてきました。NPOのイベントやプログラムに参加される方々は、既にそういった問題に関心のある方ばかりで、いろんな議論やアクションをしたりすることはとても楽しく、有意義でした。でも、本当の意味で社会を変えるには「ここにいない人たち」にこそ情報や想いを届けたいという気持ちが強くなりました。
 マザーハウスはバッグやジュエリー、アパレルという「モノ」を通して途上国のキラキラと光る素材や技術、そして人の可能性を伝えようとしています。正しいことを正しく伝えるのではなく、その一歩手前にある「楽しい」や「美しい」といったシンプルな感情でのコミュニケーションも大切にしていることに魅力とご縁を感じたんです。社会課題について知り、考えることは大切だけど、「楽しさ」などポジティブな気持ちを入口にしたら、もっとたくさんの方に届くんじゃないかなと思ったんです。

新卒で、経験のない店舗での仕事でしたね。大変だったことや、魅力を教えてください。

 沢山あって迷いますねー!
  入社時には想像していなかった、お店で働くことの楽しさとやりがいを今は強く感じています。入社当初は、学生時代のNPOでのメディア運営経験から、人に広く伝えることがしたいと思っていたので、始めは広報やバックオフィス的な仕事を一番に希望していました。お店での業務はそのための土台づくりという風にしか見えていなかったんです。
 ただ、お店で毎日働く中で、「永田さん」と名前で呼んでくださる方ができたり、「この鞄がバングラデシュでつくられてるんですか!」と驚いてくださる方がいたりと、お互いの心が通じ合う感覚や、お客様に知らない世界の側面をお伝えすることで、新たな発見を持ち帰ってくださることの楽しさが少しずつ増えていきました。
 そのような体験から、「広くマスに」ではなく「目の前のお客様に」どれだけ商品や購買体験を価値としてお届けできるのか、という視点が加わり、今では接客だけではなく、VM(商品のディスプレイや空間の演出方法)などの仕事もやりがいを持って取り組んでいます。

接客を通してお客様と接する中で、永田さん自身の考え方にも変化があったんですね。

 はい。ただ同時に、一番大変だったのも、接客におけるマインドセットの変化だったかなと思います。僕はプレゼンやメディアなど、どちらかといえば一方的に「伝える」ことが好きなのですが、お客様とコミュニケーションをする接客においては、自分だけが話して伝えるばかりでは、多くのお客様は楽しくないと思います。
 当時の店長には「永田くんばっかり話していたね」と言われることも一度や二度ではなく、どうコミュニケーションをとるべきかがわからなくなって、正直お客様とお話することが勝手に怖いと感じてしまう時期もありました。
 でも一つひとつ、お客様との思い出が増えていくにつれて、何が大事かを理解できるようになっていったんです。例えば、「いかに話すか」ではなく「いかに話さないか」や、お客様の服装やしぐさから、気持ちや状況を想像し、「受け取る」ということも学びました。今は、少しずつ目の前のお客様に向き合い、ベストなおもてなしを考え、実行できるようになってきたかなと思っています。

たくさんの出会いがあると思いますが、特に印象に残っているお客様はいますか?

 大阪店にいた時の話です。僕は、入社までジュエリーとは縁遠い人生だったので、商品の知識も接客もゼロから覚えることに、とても苦労していました。でも、そのお客様との出会いがきっかけで、ジュエリーの接客が好きになったんです。
 インドネシアで作っている商品で、10金のリングに細かい叩き加工をすることで、光りを反射するようにつくられたリングシリーズがあります。「雨見」「星見」「光見」「暮見」という名前がついていて、それぞれにその名前を表現する叩き加工が施されている商品なんですね。
 たまたまご来店くださったそのお客様は、ちょうどゴールドのリングを探している方でした。「4姉妹みたいでかわいいですよね」、「インドネシアで職人が手づくりしているんです」、「光見は朝のキラキラとした太陽の輝きを、暮見は夕暮れの優しい光をイメージしているんですよ」と一つ一つの商品のデザインや背景のご説明をすると、とても興味を持ってくださり、最終的には「私は朝より夕暮れの時間が好きだなぁ」ということで、「暮見」を選んでくださいました。
 お話しをするなかで、お客様にとってそのリングは、ただの「ゴールドのリング」ではなく、お客様が好きな夕暮れの風景を思い浮かべ、職人の想いも感じる、「日常に彩りを添えるリング」になれたかなと思えて、そのご縁をつなげられたことに僕自身も感動してしまったんです。
 30分前までは知らないブランドだったのが、お客様の気持ちと結びつき、心を動かす、ジュエリーの魅力と接客の楽しさ、奥深さを全身で感じられた瞬間でした。

働いてみて、マザーハウスはどんな会社にみえていますか?

 マザーハウスは、人と物に真正面から向き合う、人間らしい会社だなと思っています。今僕は、お店でお客様や商品と毎日向き合っています。日々状況が変化する中で、今お客様に何が求められているか、何がお店にとって必要なことなのか、スタッフは何をすべきか、誰かが考えてくれるのではなく、自分の頭で考えて行動することが求められます。
 ただその分、自分が「やりたい!、こうした方がいいんじゃないか」と思ったことは、やらせてくれる機会やサポートしてくれる方は多いです。
 実際に僕も、社内の勉強会に毎回参加していたら、運営側として携われるようになり、「どんなテーマで、参加者にとってどんな学びを提供するか」ということを、副社長の山崎と企画する機会を得ました。また、今いる京都三条メンズ店への配属も、店舗を新しく立ち上げるにあたり、社内で公募があった際に手を挙げた結果でもあります。

すでにいくつもの機会を得ているんですね。機会をつかむために意識していることはありますか?

 自分が楽しみながら何かに打ち込んでいることと、やりたいことを発信することです。全ての希望が通るわけではありませんが、誰かがそれを見てくれていて、ご縁があればそれがチャンスとして自分にまた戻ってきます。
 バッグやアパレル・ジュエリーに加えてチョコレートやぬいぐるみもづくり始めちゃうようなブランドは、なかなかないと思います(笑)。そんな飽きない会社なので、変化する状況の中で、自分でそのチャンスをつかむために、柔軟かつ前のめりな姿勢の方だと、より楽しめると思いますし、そういったことにチャレンジしてみたい人にはぴったりかなと思います。

最後に、今、目指していることを教えてもらえますか?

 僕が今いる京都三条メンズ店を全国のお客様が行きたくなるような「目的地」にすることです。
 マザーハウスでは、メンズ店は銀座に次いで京都が全国で2店舗目と、まだまだブランドとしても新しいチャレンジになります。あえて「メンズ店」と称することや、すぐ目の前にある京都三条寺町店と一緒に発信していくことで、今まで届けられなかった方へ、新しい発見や価値観を、もっともっと届けていける可能性があると思っています。
 特に、ここ京都は世界中から人が集まる観光地であり、古くからのモノづくりや文化が息づく街です。お店としては、格子状の外装に漆喰や北山杉を使った什器など、京都ならではのモノづくりや文化を表現するとっても魅力的な空間なのですが、商品のラインナップやサービスについては、メンズ店として、そして京都にあるお店として、もっと他のお店とは異なる、ここにあるからこその特色や価値を打ち出していけると思っています。地域性やメンズらしさをより磨いていくことで、日本中、いや世界中の人たちが行ってみたい!と思えるようなお店をつくって、発信していくことが今の僕の夢です。

読んでいただいてありがとうございました!マザーハウスをもっといろいろな角度から楽しんでいただける毎日の出来事を、生産地やお店からお届けしていきます!