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『ヴィジョン』

《ブックカバーチャレンジ(「読書文化普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」)という、Facebookで行われているリレー投稿の続き》
【1日目】

そもそも、この本の存在を知ったのは、とある神秘学者のブログから。その方は、シュタイナー教育で知られるルドルフ・シュタイナーを主とするキリスト教系神秘学の修行をされており、私はそこからシュタイナーが単なる教育者でないことを知った。
「スピリチュアル」というとなんとなく、地に足がついていない浮き世離れした雰囲気を好む人々がすがりつく世界というイメージを勝手に抱いていたのだが、この本の表紙にもある「本物の『スピリットの世界』」はかなりシビアだ。この世に生きることは一瞬一瞬が修行。ある意味マゾ的とすら思える。
 そして面白いのが、シュタイナーの神秘学は当然のごとくキリスト教的思想が根底にあるのだが、彼が説く修行の一つとして仏教の八正道(涅槃へ至る8つの実践徳目:正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定)が取り入れられていること。進むべき道、目指すべき先は、西洋だろうと東洋だろうと一緒なのだ。
 また、トムがサバイバルの知識を学んだネイティブ・アメリカンのマスターも、言い方は違えども同じことを説いている。
 
 私たちは自由に考え、行動することができる。
 昨今世界を賑わせている「新型コロナウィルス」についても、誰かが意図的に蔓延させたものだとか、人類の意識を引き上げるために現れた救世主だとか、自粛して家に引きこもっていなくてはいけないとか、引きこもってばかりいるとストレスによって免疫が下がるからもっと自由に出歩いた方がいいとか・・・そのほかにもいろいろと情報が飛び交い、どの情報を信じ、どう対応するのかはまったく人それぞれである。不安を感じることも、希望を感じることも、怒りを覚えることも、幸せに浸ることも、その人の自由意志にゆだねられている。
 そしてその「自由な意志」によって、私たちの肉体は病むこともできるし常に健康であることもできる。「病は気から」というのは単なることわざではなく、まさに自然の摂理、あるいは宇宙の法則であるといってもいいのだ。
(ただ、この辺の「摂理」「法則」については、人間の今生のスパンで捉えられることではないので要注意。詳しくはちゃんと本を読んで自分で納得して欲しい)
 
 自由であることには、責任がともなう。
 この「コロナ・ショック」で、在宅で仕事をするようになった方も多いだろう。職場ではきちんと効率よく仕事ができたが、自宅では自由に時間配分ができるし、上司や同僚の目もないので気ままな行動も可能だ。そこで問われるのが自身のコントロールである。
 

 どう働くのか、何のために働くのか。
 自由であればあるほど、自分の軸をしっかり保つことが必要となってくるのだ。
 
 人間は、何のために生きているのか。
 自由であることを許されている私たちの本質とは。

 つい先日、シュタイナーとほぼ同年代を生きたエドガー・ケイシーの紹介をした「リーディング」という映画を観た。
 そこでケイシーが語っていた「人間の本質」に陶然となる。

 『ヴィジョン』で語られていること。シュタイナーが説いていること。ケイシーがたどり着いた答え。
  
 すべて同じなのだ。
 
 私たちの本質、目指すべき先、為すべきこと。
 「それ」を忘れなければ、人はさまざまな災厄から逃れられ、かつ、地球は楽園となるだろう。
 
 いろいろな気づきを与えてくれるこの本は「聖書」の一種とも言える。多くの人に読んでもらいたいと心から願う。

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