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小豆島かられいわで出馬は本当に無謀か

こんにちは!土庄町議のもてきです。
久しぶりに書かずにはいられなかったので、備忘録として書いてみます。

2021年08月28日現在
香川県・土庄町・小豆島町で今一番の話題はこれだと思います。

このタイミングで、
れいわが四国ブロック比例で候補者擁立。
これをどう見るか、
私なりに考察してみます。

小泉さんと私
まず、ご本人の経歴や発言などは上記のリンクを参照ください。

なお、私自身は彼(小泉さん)と実際にお話したことはほとんどなく、
配偶者様と、あるイベントのキッズスペースではじめてお会いして、一緒に遊んだことがある程度です。

ただ、そのときうちの子供とも仲良く遊んでくれて、とても感じが良くて、好印象が残っています。
そして、周りのひとから聞く彼の評判・人柄はおおむね良く
「いつか会う機会があればお話したいなぁ」と思っていました。

なので、まだ友達とも言えないような関係ですので
贔屓目なしの考察だと考えていただいて差し支えありません。

そんななか、まさかの国政出馬。

小豆島中で連日行われているであろう
「今日のコロナ陽性者はどこどこの誰らしいで」
というくだらない推理&噂をふっとばし、
「聞いた?!」と政治界隈を騒がせている。
(とはいえ、まだ知らないひとも多数いるでしょう)

状況整理

冒頭の動画を見れば、彼がまだ演説慣れしていないことも
一般人であることもよくわかると思います。
ギラギラしてるわけでもなく、むしろおどおどしてるように見えるぐらいで、優しい人柄が声や表情から伝わってきます。
(それは、これから場数をこなしていけば、いくらでも成長すると予測します)
彼はたぶん、自己利益のために選挙に出ようとしているわけではない。

何がすごいか

まず38歳。人間の能力的にはまだまだ成長途上です。

集中力は43歳! 人間の脳のピーク年齢は、能力ごとに違っていたhttps://www.businessinsider.jp/post-100550


そして、移住者で外の世界を経験して小豆島に来ている。
しかも3.11をきっかけに(このパターンの移住者は多い)。だから原発への違和感も高い。

家族がいて、子供が3人もいる。仕事もしている。
正直、選挙に出馬するために、
家族や親戚との相談、めちゃ大変だったと想像に難くない。
だって、四国全部が選挙区。
そこで戦うんですよ。広すぎでしょう。、

しかも、保守が強いと言われてきた香川県(四国新聞&平井大臣のお膝元)の
しかも保守が強いと言われてきた離島 小豆島の中でも
さらに、小川淳也さんでも一番きついとされる小豆島町在住で
出馬するんですよ。

もうね、本当に大変なのが想像できる。

そして普通に考えればこれは「全然勝てる選挙」ではない。
負けたら恥、後ろ指を刺されたり、村八分になるかもしれない。


じゃあ、「勝てないから何もしないのか」。

何もしなかったら永遠に0。
何かすることでしか、得られないものは必ずあります。

本当に問われているのは「わたしたち」

3歳の子供がいて、仕事があって、家庭がある。
子供との時間が大切な時期ですよ。

私たち家族も、2人とも移住してきた核家族で
1歳・3歳の育児をしてるからよくわかりますが、
祖父母親戚がいない環境での子育て
めっっっっっっちゃ大変。
子供はかわいいけど、
でも余裕なくなるぐらいしんどいときもある。

そんななか、
なぜ、子供の成長を見守りたいような人が
こんな無謀な選挙に挑戦しようとしているのか。
しなければならないのか。

それは今の政治が、
大人がしっかりしていないからですよ。

私たち子育てしているような若い世代が安心して暮らせる社会を
今までの大人たちが全然つくってくれていないからです。

でも、そんな今の政治家を選んでいるのも、
実は間接的に私たち有権者。
これを読んでいるあなたも、そのひとり。
それが民主主義。
菅首相を選んでいるのも、
三枝町長を選んでいるのも、私たち。
それが民主主義。

「政治家のせいにしているうちは、この国は絶対に良くならない。」
とは小川淳也さんの映画での言葉ですが、

「1票投じること」はゴールではなく、実はスタートです。

「政治家を自分が選んだんだ」
「私の代わりなんだ」
という自覚を持つ。

そうすると、政治が自分ごとになって、
政治家がちゃんとがんばっていなければ叱咤激励し、困っていれば支えようとし、そうしねえ
「政治」に関わろうとして、「社会」に関わろうとして、
はじめて私たちの社会は少しずつ、
でも確実に、前に進む。

喫茶店や居酒屋で
やれ誰が悪いだの、文句ばかり言ってて
社会は変わりましたか。

少しも変わりません。
行動からしか、未来はつくれません。

小泉さんは個人でやってもできなかったことが多すぎるから、
今の政治に期待ができないから、
だから彼は出馬に踏み切ったんじゃないでしょうか。
(彼に会ったことはないので、全部私の邪推に過ぎませんが)

じゃあ「わたし」はこれを知って、なにをするの?

道端のゴミを見つけたときに、拾うのか、見過ごすのか。

困っているおばあちゃんを見つけたときに声をかけるのか。

がんばろうとしているひとをみたときに、応援するのか。遠目で見ぬふりをして、他人事でいるのか。

問われているのは、実は「私たち」だ。

出馬してはじめて得られるもの

小豆島や豊島は全国のご多分にもれず、超高齢化社会。
若者はマイノリティー。
議会でも、地域でも少数派。

地域のポテンシャルは日本随一。それなのに、
地域に対して「もっとこうだったらいいのに」と思っても、アイデアがいくらあっても
多数決やったら意見が通るわけがない。
だから、「何か思っていても言わず、当たり障りなくうまくやる」
がほとんどの若い世代の生存戦略。(才能の無駄遣い)

そんななか、「反原発」を掲げての若手の勇気ある出馬。
(しかも震災ボランティア、福祉、フリースクールなどの経験あり)

同世代の若者は、驚きを隠せないだろう。

自分にも同じく衆議院選挙の被選挙権(出馬する権利)はあるのに、
れいわ新選組も候補者を公募していたのに、
無意識のうちに「自分は向いていない」「周りが許さない」という「できない理由」を見つけ、
自分は「衆議院選挙に出ない。投票するだけ」という選択をし、
なぜ、彼は「選挙に出る」という選択をしたのか。

その差異はどこから、はじまったのか。

もし同年代の彼が出馬していることで
心がざわざわしているひとがいるとしたら、
そういうことじゃないだろうか。

れいわは本当に落ち目か

元タレントで知名度が高く演説力が超絶高い、山本太郎氏。
しかし、昔、彼ひとりでは、国会で何もできなかった。
牛歩戦術、正論を吠えても、変えられない無力感。
文句は言えても、社会を変えられない。
自分ひとりでは、国民の「ガス抜き」にしかなってない。

だからこそ立ち上げた茨の道。
新党立ち上げ。れいわ新選組。寄付金募集。

2019年参院選。
全国区での候補者擁立。
多様性溢れすぎの候補者(#てるちゃんマジアツイ)
大方の予想は
「山本太郎しか当選しないだろう」

開票後、まさかの特定枠をつかっての2名の当選。
ALSの船後靖彦さん、在宅障がい者の木村英子さんが参議院議員になるという奇跡。
(こんな名簿順つくれるひと、本当に現代にいるのか??)度肝を抜かれる。

そして山本太郎落選。
落胆かと思いきや、
裏目標は「政党要件」を満たすこと。

政党要件を満たしなら政党助成金を得られる。
山本太郎は政党代表として、演説で全国行脚に回る。

誤算としては、現政権で、党首討論は全然開かれず、
れいわは事実上メディア出演の機会を失っていた。

テレビに山本太郎の姿は見えなくなった。
「山本太郎は落ち目」「オワコン」「都知事選も惨敗」
れいわは翳りが見え始めた。
当時の勢いはないように見えた。

しかし、実はテレビを離れ、彼はひたすら全国行脚に回っていた。
北は北海道、南は沖縄まで、ひたすらわかりやすい資料を映し出し、
待ちゆくひとと辻説法&質疑応答。
ポスターを貼ってくれる仲間を集めた。
各地でチームをつくりはじめた。

それは現代の農民一揆であり、レジスタンス。

彼がやっていたのは「本当のファン」づくり。

マス(大衆)に広く浅く底引き網をかけるのではなく、
各地方都市に点在している潜在的な彼のファンになりうるひとを
ピンポイントに会いに行き虜にする
をひたすら繰り返していた。
(しかもそれをyoutubeで常に生配信&アーカイブに残してだれでも見れるようにしていた)

山本氏の演説は、動画からでもビシバシ伝わってくる。
本気の言葉は、ひとの心を震わせる。
政治家が「弁士」と呼ばれる所以だろう。
(裏を返せば、人の心を震わせない政治家は、弁士ですらない)

メディアにはでない。
地方選挙などにも見かけない。
オワコンのように見えるが、実は水面下では、ひたすら全国をどぶ板営業。
これはキングコングの西野亮廣氏がとっていた戦略と酷似している。

都知事選での敗北も、
ある種の練兵のようなもの。
全国で戦えるチームを練り上げ、
いつの日か勝利するための、布石かもしれない。

順風満帆な物語より、苦難を乗り越えるその物語。
そこに人は惹かれる。

野党共闘はなぜ実現しなかったか

四国ブロックは共産党の白川ようこ議員が候補になっている。
「四国初の女性議員を国会へ!」をスローガンに掲げ、
四国各地の女性議員が応援を表明している。

そして、選挙協力として、
立憲民主党と共産党が協力しています。
土庄町や香川1区でいえば、

自民党は「小選挙区は平井卓也、比例は自民党」と書いてくださいがセオリーで、
リベラルは「小選挙区は小川淳也、比例は日本共産党」と書いてください。
という方向性が今回の衆院選のセオリーだろう。

ただ、そのことは一般住民はほとんど知らない。

特に衆議院選挙の比例代表の選挙方法やドント式で当選が決まるということも、ほとんどのひとが知らないのではないだろうか。

ドント式とは
https://www.pref.tochigi.lg.jp/senkyo/sangisenkyo/qanda/qanda-9.html

「知らない」ということは恥ずかしいことではありません。
(ちなみに、私も偉そうに言ってますが、今日、検索して知りました=こういうこと言えるのが大切。無知は罪じゃないし、馬鹿にすることではありません)

それで、昨年の選挙結果はこれですが、
https://www.asahi.com/senkyo/senkyo2017/kaihyo/O10.html

パット見、全然わからないですよね。わかりにくいんです。誰が当選するねんと。何票取ればええねんと。

わかりにくいから、「有権者の意思が反映されにくい」んです。

リベラルの戦略としては、「野党同士で候補者を立てて票割れ(小さなパイを奪い合ってしまうこと)すると損する」というのがセオリー(定石)なので、基本的には「統一候補(この選挙区は1人しか候補者を立てずに、一緒に協力しようね。その代わり・・・という取引をしたりします)」にするのがセオリーです。

前回は希望と立憲が分裂してましたが、今回は立憲に一本化されていますので、実質

自民&公明 VS 立憲&共産&国民&社民 (不明or自民寄り=維新、N国)

という構図です。
前回は四国ブロック定数6のうち、
当選したのは自民公明4、野党2です。

これを自民は死守したくて、野党は3:3にしたい、あわよくば2:4にしたい。

つまり
自民党の3番目の票数 VS リベラルの3番目の票数
です。これが前回は結果的に
 自民名簿3番目(193,075票)
 希望名簿2番目(162,053票)
 共産名簿1番目(118,826票)

となり、自民3番目の候補者が当選しました。
これって、希望と共産が選挙協力していれば野党が勝ててたんです。

たとえば小川淳也議員が
「比例は日本共産党と書いてください」
と言えてれば、リベラル系の議員が当選していたはずなんですね。
(とはいえ、当時は民進党と希望が直前までごちゃごちゃし過ぎてて無理でしたし、今ほど野党がお互いに協力関係になく、自民党が強すぎました)

なので、基本戦略は、野党は「選挙協力すべき」or「ひとつの党になるべき」なんです。

ただ、政治は奥が深い。

立憲民主党や国民民主党の支持基盤はどこか。

これ以上は私も詳しくない部分もありますので、明言は避けますが、
立憲や国民は選挙協力できる関係にあります。
立憲と共産は協力できます。
が、国民と共産は微妙です。
そして、れいわと共産は協力できます。
が、れいわは立憲と国民とは微妙です。

消費税減税では同意できても、
反原発ではまとまりません。

そのあたりはあたりで検索してご自身で考えてみてください。

何を目的とするか

政権交代を目指すなら、アメリカのように「共和党」「民主党」の2代政党制になればいいと思いますが、日本は少数政党が割と乱立していてある意味自民1強&野党分裂時代が続いていました。

例えるならば、徳川幕府(自民党)さん に地方大名はどう戦うか。
明治維新をどう起こすか、という構造です。

さて、この小泉さんのれいわ出馬がどうなるか。
令和の戦略とは。
この続きはまた需要があれば書きたいと思います。
長くなりましたのでこの辺りで。

もてき


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