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日本でも障がい者ダイビングがメジャーになった今だからこそ伝えておきたい事。

はじめまして。
アメリカに本部があるハンディキャップダイビング の指導団体Handicapped Scuba Association®︎日本支部コミッショーナーのミキです。

ハンディキャップダイビングを広げて行く為に日本で初めて障害者の為のダイビングスクールを1990年に開設しました。
これまでに延800名近くの方々の障がい者の方にダイビングライセンスを発行してきました。日本で恐らく誰よりも障がい者の人達とダイビングを一緒にしたのではないかと思います。
実は私自身も軽度ですが左手機能不全の障がい者でもあります。
私が障がい者ダイビングを始めようと思ったきっかけは、友人のダイビングインストラクターが交通事故で下肢麻痺になり車椅子生活になった事です。

リハビリも兼ねてダイビングを再開したいと連絡をもらい軽い気持ちでOkを出しインストラクターでもある友人だから特に問題なく潜れるだろうとエントリーすると、器材を付けた彼は、水中でバランスがとれず、クルクルと回りはじめ、結局その日は自分で潜る事は出来ず、私の手を借りながらのダイビング再開でした。

この事がきっかけで、私達は障がい者でもダイビング出来るシステムはないのか?と思い色々マニュアル等を探しましたが、残念ながら現在の様に情報が簡単に探せる環境でもなく、自分達では見つける事が出来ませんでした。
そんな私達にある情報が飛び込んできました!アメリカでは障害者専門のダイビング指導団体があるらしいとの事。
私達はその情報を元に1989年にアメリカNew Orleans Convention Centerで開催されたDEMA Show(ダイビングトレードショウ)に行き、Handicapped Scuba Association®︎の創始者のJim Gatacreと出会うことが出来ました。
そして遂に1990年日本にHSAを導入することになりました。私も1番若手のインストラクターとしてHSA設立発起人となりました。
HSAJAPAN本部は大阪にあり関西地区を中心としてHSAJAPANは広がりをみせ、串本が当時のトレーニングセンターで多くのハンディキャップダイバーで賑わっていました。
また積極的に障害者ダイビングの普及活動を行い当時の様々なマスコミに紹介され多くのHSAインストラクターも誕生しました。

  1999年に全国に紹介されたHSAJAPANの紹介記事(共同通信社配信)

しかし運営方法の問題からHSAJAPANからどんどん人が去り殆ど活動しているインストラクターもいなくなり事実上HSAJAPANは消滅しかけていました。
関西地区で広がりみせたHSAJAPANですが私は関東地区事務局を担当し関東地区で障害者ダイビングを続けていました。結局設立時にいたメンバーは気がつけば誰もいなくなりました。
だだ私は私を必要として頂ける障害者の方が1人でもいるならば障害者ダイビングの普及は続けて行こうと決めていましたので、関東で1人HSAインストラクターとして活動していました。

HSAJAPANを再構築
日本では何故障害者ダイビングが広がっていかないか?原因は様々です。予算、人、物、このバランスがとても悪い。ダイビングビジネスとしては全てのリスクが高いのです。
それでも私はもう一度HSAJAPANを立て直したかった。その強い気持ちを応援し支えてくれた3人の仲間。その人達の支えもありジムとコンタクトをとり2014年の夏私がオーナーとなり再契約を締結し再スタートしたのが、現在の特定非営利法人HSAJAPANです。

(写真はHSA創始者のJimとNPOHSA JAPAN設立スタッフで渉外担当の清水理事)
現在のHSAJAPANは過去の反省を踏まえ多くの学識経験者の方に理事をお願いしており、健全な運営を実践しています。現場の声を活かす為にトレーニングデパートメントを設置しインストラクターからの要望なども積極的に集めスクールやツアーなどの実務的な運営にも役立て頂いております。

サスティナブルエデュケーション
私達は誰もが海を楽しみ体験から得られる感動や驚きを享受して貰いたいとの思いから新しいダイビングシステムの認定基準を作成し20年近く考察を重ねて誕生したのがアダブテッドスクーバシステムです。
このシステムは殆ど、どのタイプの障害者でも適応でき、障害者も過度なストレスもなくまた実施するインストラクターも安全に安心して実施できます。小さな子供から大人まで勿論健常者でも誰も安全に楽しむ事ができます。子供も一部のスクーバタンクを背負う事の出来ない人もインストラクターとタンデムでダイビングが可能となります。
日本で誕生したアダブテッドスクーバ®︎はこれから世界の障害者ダイビングを変えて行きます。

(アダブテッドスクーバ™️でダイビングを楽しむ小脳性失調症のダイバー)
フランス製の水陸両用アウトドア用車椅子“HIPPO campe(ヒッポキャンプ)

車椅子ユーザーがダイビングを行うにあたって必需品でもある水陸両用の車椅子。この車椅子はとっても軽く分解も出来持ち運びも簡単。サポートする側の負担を大きく軽減してくれます。残念ながら日本では製造しておらずフランスからの輸入が必要で1台40万もします。
HSAJAPANではクラウドファンディングでこの車椅子を獲得したいと思います。そして必要な障害者の方には無償で貸出しを行いたいと思います。
この車椅子があればダイビングシーンだけではなくSUPに載せてクルージングが出来たり、山登りや木登りも出来ます。今後はご支援頂ける方を増やして行く事が課題でもあります。


HSAJAPANのインストラクター

30年以上に渡り障害者の方から提出された診断書は古く色があせたものも多くあります。
現在はデータベース化しながら障害名別に分別しています。
当然ですが同じ障害名でも症状はみな其々違う為、一人一人に対して個別のトレーニングプログラムを組んで行きます。

最近は身体障害に加えて心療系の方も多くなり私達は新たにPTSDの回復プログラムや発達障害の子供達の為の運動プログラムにスキューバダイビングを取り入れる事を行っています。

その為にも私達コースディレクターは心理士の資格を取得したり、NLPなどのコーチングの資格を取得しています。

これから求めらるHSAインストラクターはダイビングを教える事以上に心と身体にどの様寄り添い理解出来るかも大切な資質となってきます。
私達HSAインストラクターは障害に関する医学的、心理的な知識を要しそれに伴う高度なダイビング技術を取得したワンランク上のダイビングインストラクターです。
HSAJAPANはSDGsの理念のもとに持続可能な継続教育を提案していきたいと考えています。

HSAJAPANでは勇気と希望の教室を主催し障害者の方の活動をサポートしています。

HSAJAPAN (Handicapped Scuba Association)TEL0120-006-345 info@hsajapan.net http://hsajapan.net

HSAJSAPANトレーニングセンター(初心者からインストラクター養成まで)TEL:048-814-0900 info@seamaid.co.jp https://seamaid.co.jp

TheChallenged 勇気と希望の教室 TEL:048-866-0000 info@asomana
https://asomana-project.com/

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